Google Docsのアプデで一部のChrome拡張機能が「一方的に」削除される可能性

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  • author Shoshana Wodinsky - Gizmodo US
  • [原文]
  • 塚本直樹
Google Docsのアプデで一部のChrome拡張機能が「一方的に」削除される可能性
Image: Robyn Beck (Getty Images)

便利さとは裏腹に…。

数十の州司法省から3件の反トラスト法違反の訴訟を起こされているにもかかわらず、Google(グーグル)は専制的としかいいようのないアップデートを次々とリリースしています。最新の例はGoogle Docsの変更で、プログラムをより速くよりスムーズにする一方で、アクセス可能でオープンなインターネットを犠牲にしています。

デンマークの大学でヨーロッパのGDPRのようなデータ保護法の欠陥を専門に研究しているMidas Nouwens(ミダス・ヌーエンス)教授は、先週木曜日の朝、TwitterのスレッドでこのGoogle Docsのアップデートを最初に指摘しました。ヌーエンス教授が指摘したように、実際のアップデートはかなり退屈なものです。グーグルは今後数カ月の間に、Google Docs製品をサポートしている静的なHTMLのバックボーンを、canvasと呼ばれるコードを使って構築されたものに変更する予定だと述べています。

グーグルによると、この動きは「異なるプラットフォーム間でのコンテンツの表示方法の一貫性を向上させる」ことを目的としており、それはおそらく本当でしょう。canvasベースのGoogle Docsは、不便な静的HTMLに比べて複雑な形状を、より迅速かつ正確にレンダリングできるようになります。そして今回のアップデートによりレンダリングの一貫性が向上し、どのようなデバイスでも同じように表示されるようになります。

もちろんグーグルがブログ記事でほのめかしているように、これらの機能向上にはかなり大きな問題があります。「この変更がGoogle Docsの機能に影響を与えることはないと考えています。ただし一部のChrome拡張機能には影響があり、意図した通りに動作しなくなる可能性があります」。

Googleのブログでは、この文脈における「影響」「一部」「動作」の意味を正確には明らかにしていませんでしたが、ヌーエンス教授のスレッドが説明しています。

GrammarlyBeeline Readerのような拡張機能を使ったことがある人なら、Chromeの拡張機能がGoogle Docsとどれほどスムーズにやりとりできるかを知っていることでしょう。これらのプログラムが機能する方法は、Document Object Model(DOM)と呼ばれるものを操作することで、ウェブページの基本的な構造的の骨格を形成します。この骨格のさまざまな部分に手を加えることで、これらの拡張機能はあなたがドキュメントで見ているものを、すべてリアルタイムで変更することができるのです。

ヌーエンス教授が指摘するように、DOMは拡張機能だけでなく誰でも簡単にアクセスすることができます。文字通り、2〜3回のクリックで操作できるのです。これらのボーンに簡単にアクセスできるということは、開発者が無数の拡張機能を簡単に作ってそれを利用できるだけでなく、コードを書かない人たちが手の込んだいたずらをしたり、有料の壁を迂回したり、何をするにも自由にできるということでもあります。

このシステムをcanvasバージョンに置き換えるということは、Google Docsに手を加える拡張機能が、そのロードマップを失うことを意味します。DOMとは異なりcanvasではコードの微調整にアクセスできないため、これはChromeの拡張機能に悲惨な結果をもたらす可能性があります。「現在人々が使っている多くの拡張機能を一方的に殺してしまうことになる」と、ヌーエンス教授は述べています

グーグルのブログではこれに代わるものとして、対象となる開発者に対して(ほとんど)同じ機能を実現する一連の同社製ツールをダウンロードするように提案しています。言い換えればグーグルは開発者により洗練された高速なシステムを提供しているが、その代償として開発者に残されたわずかなコントロールが失われるのです(この記事はグーグルからのコメントがあり次第、更新します)。

「ハッシュタグの相互運用性、デジタル競争、プラットフォームパワーなど、日常のデジタル体験を誰が決定するかという大きな権力闘争の中で、これは技術的な囲い込みの具体的な例です」とヌーエンス教授は書いています。「オープンなシステムではなく、ソフトウェアの設計を交渉するためにグーグルが整備したものを使用しなければならなくなりました。相互運用性と検査の可能性が、集中化と難読化に取って代わられたのです」。言い換えれば、グーグルはグーグルのままなのです。

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