ハイテク真空調理器レビュー:家庭用調理器としてはオーバースペックでもプロ並みのお料理ができた!

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ハイテク真空調理器レビュー:家庭用調理器としてはオーバースペックでもプロ並みのお料理ができた!
Photo: Brent Rose/Gizmodo

お料理、好きですか?

コロナパンデミックによるおうち時間急増で、自炊力が上がった人は少なくないと思います。自炊が楽しくなっちゃって、凝った料理を作り始めた人もいるはず。と、なれば調理器具に投資したくなりますね。タイムリーに米Gizmodoが、真空調理器をレビューしてました。なんだか欲しくなってきたぞー。


真空調理。それは、ステーキを最大限テックオタクぽく調理する方法(個人の見解です)。同時に、ステーキを最も美味しく調理する方法だとも思います。少なくとも、失敗せずにコンスタントに標準以上のおいしさのステーキを作れるのは間違いないかと。失敗するほうが難しいくらい。なので、真空調理器はすでにほぼ完成形であり、進化の余地はないと思っていたんですが、甘かった。PolyScienceのHydroPro Plusは、今までの真空調理器具に、デルタ調理という新たな層を重ねた商品。デルタ調理って何? 意味あんの? と思いながらレビューしてみたら、完成品のおいしさに頭ぶっとびました。

まずは、真空調理についてちょっと触れておきますね。めちゃくちゃ簡単に言うと、真空調理器は水を一定温度にキープしてくれる調理家電です。一定温度の水に、密閉できるビニール・シリコン袋にいれた食べ物(お肉のレシピが人気)を入れてスロー調理するのですが、この袋からできる限り空気を抜いておくので真空調理と言われます。ステーキの最適調理温度が55°Cだとして、水温を55℃に設定してお肉を投入。すると、お肉の内部までゆっくりとだんだん55℃に調理されていきます。焦げるところも生焼けのところもなく、密閉していることで肉汁たっぷりでジューシー。仕上げにさっとグリルすれば、最高のステーキの完成です。ありがたいのは、もしうっかりお肉をレシピより3時間も長く真空調理器に放置してしまっても、特に問題なく食べられてしまうところ。どんなうっかりさんでも失敗しない奇跡の調理器具だと言っていいかと思います。

Breville PolyScience HydroPro Plus

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Photo: Brent Rose/Gizmodo

これは何?:デルタ調理対応のハイテク真空調理器具。

価格:600ドル(約6万7000円)。

いいところ:早い、静か、効率的。タッチスクリーンのメニューの操作性がよき。デルタ調理で作ったサーモンが美味しすぎた! 仕上がりがコンスタント。

残念なところ:高い。Wi-Fi非対応、アプリコントロールなし。でかい、ごつい。

デカイ! アプリが物足りない!

真空調理器のHydroPro Plusは、昨今見かける他の真空調理器と見た目は同じ。ただ、めちゃくちゃデカイ。他社製品と比べて圧倒的にデカイ。実はすでにChefSteps Jouleという真空調理器を持っているんですが、そちらはサイズ小さめでキッチンの引き出しにも難なく入ります。一方、HydroPro Plusを引き出しにしまうのは無理。少なくとも、我が家のキッチン収納では無理です。

使い慣れた我が家のJouleと比較しますが、Jouleはスマホアプリで操作せねばならず、めんどくさいと思うこともあるし、いまいちちゃんと動いてくれないこともあります。HydroPro Plusは、端末自体にタッチスクリーンがあり、「Sous Vide Toolbox」というアプリで操作が可能。アプリが「何を調理するのか?」「生か、冷凍か?」「素材の厚さ」「仕上がり(火の通り方)の好み」などを聞いてくるので、質問に答えてスタートすれば、あとは水温調整やタイマーなどよしなに勝手にやってくれます。もちろん、マニュアルで温度、時間をセットすることも可能。また、設定を保存できるので、このレシピはリピするなってときはとても便利です。

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(上)HydroPro Plus (下)ChefSteps Joule
Photo: Brent Rose/Gizmodo

残念なのは、600ドルという高価格にもかかわらずWi-Fi非対応なこと、フル機能つきのスマホアプリがないこと。昨今の真空調理器なら、レシピや仕上がりの動画を見られたり、出先からも調理の様子をモニタリングできたり、Wi-Fiやアプリは標準仕様だと思うのですけどね。HydroPro Plusは、Bluetooth接続でiOS/Androidアプリがあるにはありますが、温度・調理時間の記録くらいしかできないのが残念。HydroPro Plus単体は非常に使いやすいので、そこは評価します。それでも、やっぱりアプリももうちょい使えてほしかった。

デルタ調理とはなんぞや?

HydroPro Plusという名前でピンときた人もいるかと思いますが、HydroProには2モデルあるんです。500ドル(約5万6000円)のHydroProと、600ドル(約6万7000円)のHydroPro Plus。上記で述べた流れはどちらのモデルもできるのですが、レビューしたHydroPro Plusは、料理温度計のデジタルプローブ針がついており、デルタ調理が可能です。デルタ調理とは、いわばアップグレード版真空調理。デルタ調理では、調理する素材の中心部にプローブ針を刺します。素材は、通常の真空調理と同じくビニール袋に入れますが、付属のテープを袋に貼ってから針をぶっさすことで、水が袋内部に侵入しない作りになっています。

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Photo: Brent Rose/Gizmodo

通常の真空調理とデルタ調理の最大の違いは水温。デルタ調理では、素材内部が達すべき温度よりも、水温をちょっとだけ高めに設定します。ちょっと面倒なのは、前述したような「3時間忘れちゃってもなんとか」ならないこと。内部温度が目標値に達するとアラームが鳴るので、その時に食材を水から引き上げなくてはないません。でも、この手間がかかるぶん、真空調理よりもデルタ調理には2つの利点があるんです。

1:早い。
真空調理では設定温度に達する最後の最後で、最も時間がかかります。これは、水温と素材の温度差がわずかになるため。が、デルタ調理だと水温高め設定なので、素材中心部の温度が目標値に達するのが30%から50%になります。結果、ご飯の準備初めてからサーブするまでの時間も短くなる!

2:食感にコントラストが生まれる
真空調理は素材全体を均一温度で仕上げることから、食感に違いがでません。例えるなら、油ののったサーモンなら、バタースをかじるような食感とでもいいましょうか。これが真空調理で好き嫌いがでるところなのですが、デルタ調理だと食感にコントラストがでます。サーモン中心部がミディアムレアの柔らかさなら、外側はもう少し火が入った身がホロっとした口触りに。

デルタ調理は通常の真空調理の上をいく理系クッキングなので、好きな人は突きつめていけて楽しめるかと。一方で、いろいろ実験的なことができるぶん失敗する余地もあるわけで、真空調理ほど手軽とは言い難いですね。通常の真空調理器でも、料理用温度計と一緒に使えばデルタ調理をすることはできますが、温度計内蔵の真空調理器はHydroPro Plusだけなんじゃないかな。

実食!

なんだかんだ言っても、最終的にはおいしいかどうか。結論、おいしい! HydroPro Plusは毎分17リットルの水を循環して温め、最大45リットルまでヒートアップ可能。真空調理でステーキを数枚作りましたが、期待通り柔らかくてとってもおいしくできあがりました。

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おいぴー!
Photo: Brent Rose/Gizmodo

あまりのおいしさに感動したのは、デルタ調理したサーモンフィレ。最初に皮目をさっと焼いてから、ビニール袋にセージ、塩、ニンニクパウダー、胡椒、オリーブオイルと共に投入。水温を1約80°C、中心部を50°Cに設定。約13分で設定値に達し、すぐに袋を開けお皿に盛り付け。これがめちゃくちゃおいしかった! 人生で食べたサーモンで間違いなく一番おいしかった! 柔らかくてジューシーで、でも身のホロっとほどけ具合もあって。低温調理特有の一定食感ではなく、サーモンらしい一皿になりました。

ポークチョップも作ってみました。サーモンほどの感動はないものの美味でした。低温かつ調理時間長めで、水温約66°Cの中心部62°Cで45分。最後にポークチョップの両面を軽く強火でグリルして完成。

レビュー中にトライしたレシピで最もチャレンジングだと思ったのは、ビーフショートリブ。これはデルタ調理ではなく、真空調理。最初にトーチでリブ表面を炙ってからビニール袋にマリネ用タレと投入。水温約71°Cで48時間! 仕上がりはとっても柔らかで肉汁たっぷり。骨を持つと、身がホロっと落ちるほどの柔らかさでした。めちゃくちゃ時間かかるので、しょっちゅう作れる品じゃないですね。

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ショートリプ、調理前。
Photo: Brent Rose/Gizmodo


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ショートリプ、調理後。めちゃ美味。
Photo: Brent Rose/Gizmodo


買い?

HydroPro Plus、堪能しました。すごく好きな調理器具です。パワフルで、直感的に使えて、デルタ調理のオプションまであって、いろんな料理を実験的にトライできて最高です。プロの料理人なら間違いなく重宝する相棒。逆に言えば、普通のお家の家庭料理には間違いなくオーバースペックです。

素晴らしい調理器具なのですが、値段も高い。家庭用真空調理器具は200ドル(約2万2000円)くらいでけっこうあるので、その中で500ドル600ドルは明らかにお高い。となると、あとはギークなクッキングにどれだけ興味あるか、予算をかけられるかという話ですね。

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PolyScience

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