おうちカフェにはお手入れも大事!
コーヒーメーカーのメンテナンスはとっても大事です。なぜならお手入れ次第でコーヒーの味わいが変わってくるから。ついつい面倒になりがちな家事も「お手入れすれば朝の一杯がうまくなる!」と思うとモチベーションが上がりますよね。特に夏場は菌やカビが発生しやすいですから、しっかり対策したいところ。ということで、今回はコーヒーメーカーにも詳しいWirecutter編集部の「タイプ別コーヒーメーカーお手入れ方法」をご紹介します。
最高の一杯のためには、最適なお手入れが重要。使うたびにササっと汚れをふき取り、時間がある時にしっかりお掃除しておけば、長い間おいしいコーヒーを楽しむことができます。そのために必要なお手入れ方法をご紹介しましょう!
用意するもの

•清潔な布かスポンジ:取り外しできないパーツをふき取る際に活躍します。清潔なものをご使用ください。
•ボトル用ブラシ:通常のスポンジ等では届きにくいカラフ(ポット)の奥の方までしっかり届きます。
•食器用洗剤:天然素材や無香料のものがおすすめ(Seventh Generation Natural Dish Liquidなど)。
•水切りラック:取り外し可能なパーツを洗浄した後は、しっかり乾燥させてから取りつけなければなりません。食器ラックがおすすめですが、清潔なキッチンタオルの上で自然乾燥させるのもOK。
•スケールクリーナー:マシン内部にスケールが蓄積するのを防ぎます(スケールは水に含まれるミネラル分がマシン内部に付着したもの)。専用のクリーナーもありますが、お酢でも代用できます。
•錠剤タイプのコーヒーメーカークリーナー:口の狭いカラフの「コーヒー染み」を洗浄するには、水に溶かす錠剤タイプがおすすめです。
キューリグなどカプセルタイプのコーヒーメーカーには、以下のアイテムも必要です。
•ペーパークリップ:抽出マシンの目の詰まりを除去する際、専用ツールの代わりに使用します。
•マグカップ:スケール除去でマシン内部をすすぐ際、落ちてきた水分をキャッチするのに使用します。
•キューリグ専用スケールクリーナー:ミネラル沈着物を分解します。これも、お酢で代用できます。
1回のお手入れにかかる時間は?

日々のお掃除は5分もかかりません。年に数回のスケール除去にはマシンによっては30分から1時間程度かかります。しかし、ずっと作業をしているわけではなく待機時間も含むので、その間は別の作業やリラックスタイムに使うこともできます。
ドリップ式コーヒーメーカーのお手入れ方法
お手入れの方法や手順はメーカーや機種によって多少異なりますが、お手入れする目的はいずれも以下のとおりです。
•バクテリアや菌の発生・増殖防止。特に水タンクは菌などが溜まりやすく、2011年にはキッチンおよびバスルームで「5番目に菌が多い箇所」と報告されています。
•コーヒーの味わいを落とす原因になる「油分の残留物」の除去。
•スケール(たまったミネラル分)の除去。これを放置すると水の流れが滞り、抽出時間が長くかかるほか、コーヒーの温度や風味低下の原因にもなります。

使用後のお手入れ
①使用済みのフィルターとコーヒー粉のかすをドリッパー本体から外して廃棄する。
②湿らせた布で水タンクの水滴をふき取り、フタを開けたまま自然乾燥させる。
③ドリッパーの内側や周辺、マシン本体に残ったコーヒーかすをすべて廃棄する。
一日の終わりにするお手入れ
① 取り外し可能なパーツはすべて外し、ぬるま湯と食器用中性洗剤で丁寧に洗う。この時、バクテリアやカビが残りやすい隅や溝の部分までしっかり汚れを落としましょう。コーヒーの油分や粉もたまりがちなので要チェック。
② 泡をキレイに洗い流したら水切りラックで自然乾燥させる。食洗機対応パーツであれば、食洗機を使用してもOK。
③ 仕上げにマシン本体をふき取り、1日を通じて飛び散った水分や粉を取り除く。


耐熱カラフを洗浄する際の注意
カラフの中には食洗機OKのものも多いですが、耐熱容器の場合は損傷の恐れがあるため、ぬるま湯と食器用洗剤で手洗いする必要があります。ボトル用ブラシを使えば深くて洗いにくい箇所の残留物や細菌にもしっかり届きます。入口が狭いタイプのカラフには必須アイテム。よくすすぎ、自然乾燥させましょう。
ステンレス製の耐熱カラフには時間とともにコーヒーのステイン(色素のシミ)が付着し、なかなかとれなくなります。しつこいステインを除去するには、水に入れて溶かす錠剤タイプのボトルクリーナーを使うといいでしょう。既定の時間(ひと晩など)容器内に漬けておくだけで頑固な汚れもきれいになります。
なお、インターネット上には「義歯用クリーナー」で代用できるという情報も紹介されていますが、コーヒーメーカーの容器を傷めたりコーヒーの風味を損なう成分が含まれることもあるので、注意が必要です。
ちなみに、ここまでご紹介したお掃除方法はサーモスなどの容器にも応用できます。
2~3カ月に1度(もしくはお掃除ランプなどが点灯した時)のお手入れ
時間の経過とともに、コーヒーメーカー内部には水のミネラル分が蓄積します(水が硬い地域は特に)。浄水器を使うことで多少改善しますが、それでも1年に数回はマシンのスケールを落とす必要があります。その方法や頻度はコーヒーメーカーによって変わるので、まずは機種に添付の説明書を読んでみてください。
コーヒーメーカー製造会社のOXOでコーヒー・紅茶部門のディレクターを務めるクレア・アシュリー氏は「コーヒー抽出に時間がかかるようになったり、タンクに水が残るようになったときはお掃除サインです」と話しています。
一部のモデルには、スケール除去の時期をお知らせするインジケーターライトが搭載されていますが、これはあくまでコーヒー抽出回数などを追跡して一定回数ごとに表示してくれているだけ(OXO製品では90回使用で1回)。内部のミネラル分を計測しているわけではないので注意しましょう。表示が出ていてもコーヒーは淹れられるはずですが、できるだけ早くスケール除去することをおすすめします。
ここで、Wirecutterキッチン部門チーム発案の「スケール除去メソッド」をご紹介します。
①水タンクにお酢(水の10 分の1程度)と水を満タンに入れ、抽出ボタンを押す。
②もう1度同じ手順を繰り返す。
③酢のにおいを取るために水道水のみで抽出(においがとれるまで2、3回繰り返す)。
さまざまなブランドの洗浄剤をテストしてきたマサチューセッツ大学ローウェル校・毒性物質使用削減研究所(TURI)のジェイソン・マーシャル氏は「酢はミネラルの堆積物を分解するだけでなく、バクテリアも安全なレベルまで除去します」と話しています。毎回お酢を使うのが面倒、という方はOXOが動画で紹介しているようなスケール除去専用アイテムを使ってみるのも手軽で良いと思います。
キューリグ製コーヒーメーカーのお手入れ方法

キューリグ製マシンのお手入れも普通のコーヒーメーカーとほぼ変わりませんが、いくつかポイントがあるので要チェックです。
日々のお手入れ
まず、毎度使用後は水タンクを外し、水を捨てます。さらに一日の終わりには以下のお手入れが必要です。
①水と洗剤を含ませた布で本体を拭いて乾燥させる。本体を水洗いするのはNG。
②ドリップトレイとドリップトレイプレートを引き出し、湿らせた布かスポンジに食器用洗剤をつけてふき取り、すすいで自然乾燥させる。食洗機でも可。
③Kカップホルダーとファネル(漏斗)を外し、スポンジと食器用洗剤で洗う。食洗機も上段なら使用可。
粉が詰まってしまった場合のお手入れ
①Kカップホルダー底にあるエグジットニードル(出口針)を清掃後、伸ばしたクリップを差し込んでコーヒー粉をかき出す。
②フタの下部にあるエントランスニードル(入口針)の穴も同様に、片方の手でフタを持ち上げ、もう片方の手で伸ばしたクリップを使って両穴のコーヒー粉を除去する。
③水のみで抽出工程を2回繰り返す。参考動画はこちら。
専用のキューリグ2.0ニードルクリーニングツールを使用して詰まりを除去することもできます。このアイテムに水を入れてホルダーに設置し、ハンドルを5回上げ下げすることでこびりついたコーヒー粉を除去します。それからタンクに水を入れトレーにマグカップを置き、水だけで抽出すればクリーン作業完了。ツールのほうも使用後は温水ですすぎ、自然乾燥させておきましょう。
数日に一度するお手入れ
①柔らかいスポンジ(もしくは布)と食器用洗剤で水タンクとそのフタをふき取る(このパーツは食洗機にはかけられないので注意)。
②しっかり泡を洗い流し自然乾燥させる。タオルで拭くと糸くずが残る恐れあり。
③フィルターはシンクでしっかり水洗いし、粉残りを落とす。その後、自然乾燥。
3~6カ月に一度(もしくはお知らせ表示ランプが点灯した時)のお手入れ
さて、スケール除去のお時間です。前述したとおり、特に硬水を使用する地域では、この作業が非常に大切です。
①取り外し可能な水タンクつきのモデル(K-Classicなど)の場合、まずは電源ボタンを押してマシンの電源を切り、タンク内にある水はすべて捨てておきます。
②キューリグのスケールクリーナーをタンクに全量入れます(動画参照)。小型のK-Miniをお使いの方は、少し分量を減らして使用してください(こちらの動画参照)。
③空になったクリーナーのボトルに水を入れ、再度タンクに注ぐ。
④マグカップをドリップトレイに置き、抽出量MAXにして抽出ボタンを押す。抽出終了後、シンクにお湯を捨て、マグカップをトレイに戻す。
⑤水補給ランプが点灯するまでこの作業を繰り返し、ランプがついたら電源ONの状態で30分ほど放置。
⑥30分後、クリーナーが残らないようタンクをしっかりすすぐ。
⑦ドリップトレイにカップを置き、抽出量MAXにセットして12杯ほど出す。水が足りなくなったら都度追加する。
キューリグの紹介動画にもありますが、クリーナーをお酢で代用することも可能です。その際、タンクには水を混ぜずにお酢だけで満タンにし、放置時間も30 分ではなく4時間ほどにします。お酢のにおいが残らないよう、タンクはしっかりすすいでください。クリーナーのクレンジングには12杯分の水を使いましたが、お酢の場合は一度タンクが空になる、もしくは酢の味やにおいが気にならなくなるまで作業を繰り返しましょう。
ネスプレッソなどのカプセル式コーヒーメーカーのお手入れ方法は?

ご利用の機種によってお手入れ方法は若干異なりますので、まずは取扱説明書で詳細や食洗機使用の可・不可を確認しましょう。とはいえ、一般的なお手入れはほとんど同じです。空のカプセルはすぐに廃棄し、一日の終わりにはドリップトレイを空にして取り外し可能なコンポーネントは外します。食器用洗剤と水で洗った後、よくすすぎ、自然乾燥させます。
スケール除去も説明書に記載されているとおり実施してください。ネスプレッソ(Essenza Miniなどの製造会社)のように、専用のスケールクリーナーを販売しているメーカーも多いですが、ほとんどの場合Amazonなどで販売される一般的なクリーナーでも使えます。
マシンにスチームミルクを生成する機能がある場合、ノズルをキレイに洗い、濡れ布巾と食器用洗剤でマシンをキレイにふき取りましょう。
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