「ウェブの父」と呼ばれるティム・バーナーズ=リー氏。彼が1989年に考案したWorldWideWeb(WWW)創設時のソースコードなどがNFTとして6月23日から30日まで競売会社サザビーズでオークションにかけられていました。オークションで落札された金額はチャリティにドネーションするつもりだと言っていたバーナーズ=リーさん。前回、6月24日にこちらを記事にした時点の価格は170万米ドル(約1億8800万円)だったのですが、価格はどんどん上がって、落札価格はなんと...540万ドル(約6億円)でした。
今回のNFTでの出品は「オリジナルのタイムスタンプ付きファイル」、ソースコードの「視覚化されたアニメーション」、「プロセスに関する手紙」、ソースコードの「デジタルポスター」だったのですが、お金、高価なものというイメージのオークションとフリーでオープンなインターネットは相反する感じがありますよね。でもバーナーズ=リーさんはNFT市場は富裕層を閉じ込めるには理想的な場所だと認識しているようで、「ソースコードを売っているわけではなくて、Pythonで私がプログラミングしたものの写真を売っているだけ。ソースコードが壁に飾られるとしたら、私のサインが入っていてこんな感じだろうなっていうただの写真ですよ」とガーディアン誌に答えています。そしてNFTについては「存在しうる最も適切な所有権であり、ウェブの起源をパッケージ化するのに理想的な方法ですよ」と評価しています。
出品されたもののひとつ、ソースコードの「視覚化されたアニメーション」についてはサザビーズのサイトで閲覧できますし、wwwのソースコード自体は1993年にパブリックドメインとしてリリースされています。落札者は明かされていないのですが、6億円で手に入れたものは世界中の人が知っているものの所有権、ということなんですよね...?