複雑な気持ち。
映画館チェーンのAMCと映画制作を手がけるワーナー・ブラザースが、作品の取り扱いについて新たな提携を発表。AMCで公開されるワーナー作品は、公開から45日間はストリーミング配信されないことが明らかになりました。
45日間の映画館限定は、先日行われたAMCの収支報告にて、CEOのAdam Aron氏自らが発表。コロナ禍で映画館が臨時閉館された去年、映画館すっ飛ばしてネット配信する流れができ、これがなかなか制作元&ユーザーからは好感触だったようですが、今回の提携でそこにストップがかかる形となりました。とはいえ、このストップはあくまで限定的。45日間配信不可ルールは、2022年だけの話。その後どうなるかは今はわかりません。
ワーナーは、グループ会社にストリーミングサービスHBO Maxがあり、ネット配信に注力しているのは素人目に見ても明らか。ワーナーCEOいわく、来年公開予定のHBO Max限定映画は10本あるそうなので、ワーナー全体としては映画館限定うんぬんよりも、作品に応じて適したプラットフォームをピックしているだけにも見えます。
一定期間の映画館限定は、コロナ禍でさらに経営状況が苦しい映画館業界の決死の生き残り戦略であり、コンテンツ制作側・ストリーミングサービス側のお情け処置なのでしょうか。コロナ前は、映画館限定期間を75日から90日設けろという映画館側からの主張があったので、今回の45日間はかなり譲歩した形なのでしょう。
自前で十分配信できるとなれば、そりゃコンテンツ製作側が強気になりますよね。ひと昔前まで映画館で公開されない作品はあーだこーだと、Netflix作品に映画業界がケチをつけていたのに、今や状況はすっかり代わり映画館が窮地に立たされるとは…。
コンテンツを楽しむだけのユーザーとしては、この流れは複雑な気持ちです。映画公開日にお家で見れたらサイコーです。スマホで動画見るのにすっかり慣れた世代は、良サウンドや大画面という映画館設備じゃなくても十分コンテンツを楽しめるという人も多いでしょう。一方で、ここまま映画館が廃れてしまうのも困るというか、寂しいというか…。コンテンツではなく、映画感体験をしたい気分もあるしなぁ。
AMCとワーナーの提携は、まずは来年1年間。いち消費者としては、どっちの味方にもつけずモヤモヤしながら、その後の行方に身を任せるしかないのですけれど。
Source: The Hollywood Reporter via The Verge