カリフォルニアの農家はいま、前例のない水の使用制限に直面している

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  • author Dharna Noor - Gizmodo US
  • [原文]
  • 山田ちとら
カリフォルニアの農家はいま、前例のない水の使用制限に直面している
水不足で枯れてしまったアーモンドの木が見渡すかぎり広がるカリフォルニア州ヒューロンの風景

絶望的な水不足。

史上最悪なメガ干ばつの影響を受け、カリフォルニア州政府は州内の何千人もの農家が灌漑に使用する水の量を制限すると発表しました。

灌漑禁止の緊急命令

8月2日、カリフォルニア州水道委員会が全会一致で可決した前代未聞の緊急命令は、セントラル・バレー内で農業を営む人の一部に対し、今後サクラメントとサンホアキン流域内の河川から灌漑のために水を引くことを禁じる内容。カリフォルニア行政法局の承認を経て8月16日から正式に実施される予定です。

深刻な水不足を受け、州が水の使用制限に踏み切ったのはこれが初めてではなく、ロサンゼルス・タイムズによれば過去にも3回実施されているそうです。しかし、今回の禁止令は農家の人たちにかつてないほどの厳しい条件を突きつけています。

新しい命令では水道委員会に緊急削減令を発令する権限が与えられるほか、水利権保持者には水道の使用料を報告することが義務付けられます。この制度に違反した場合は1日につき1,000ドル(約11万円)の罰金が課せられ、もし違法に水が引かれた場合は畑の面積1エーカーフィート(約1,233立方メートル)につき2,500ドル(約27万6000円)の罰金も課されます。

北カリフォルニアとセントラル・バレーに住むおよそ5,700人の水利権保持者が影響を受けるそうで、一部の工業施設や企業も含むものの大多数は農家。セントラル・バレーはカリフォルニア州を縦に長く貫く平地で、日本の感覚からしたら巨大な規模で農業が営まれてきた地域です。農家の多くはすでに水不足の影響を受けており、大量の水を必要とするアーモンドの木を伐採せざるを得なかったり、立ちゆかなくなったマリファナ農園が水を盗んだ事例も報告されているそうです。

農家を追い詰める新制度

カリフォルニア州を含むアメリカ西部地方は現在かつてないほどの大干ばつを経験しており、7月の終わりの調査では州の88%にも及ぶ地域が「極端な」、またはそれよりも状況が深刻である「例外的な」干ばつに見舞われ、西部地方全体では同数値が64%にも上りました。これ以外でも、何らかのかたちで干ばつの影響を受けている地域は西部地方の90%にも上るそうです。

干ばつで水不足だったところに熱波が度重なり、危機的な状況にさらに拍車をかけています。絶滅危惧種であるキングサーモンが大量に死滅したほか、壊滅的な山火事も発生しています。州の水力発電所も影響を免れず、電力不足のリスクも。さらに貯水池という貯水池が危険な水位にまで下がってしまっているといいます……。

新制度導入後は、少しは節水の効果が現れるかもしれません。ただ、すでに生活が苦しい農家をさらに苦しめるのは明白で、とくに井戸水にアクセスがない人ほどダメージは深刻です。カリフォルニア州農業会のChris Scheuringがガーディアンに語ったところでは、今回の厳しい措置には多くの農家が「困惑し、失望している」とのことです。

政府にとっても苦肉の策

しかし、今灌漑に使用する水に制限をかけておかなければ、今後も干ばつが続いた場合カリフォルニア州に暮らすおよそ2500万人の飲み水の供給が危ぶまれるほか、およそ300万エーカーにも及ぶ農地が干上がってしまうリスクが。

「現在まだある水資源を有効に活用するために、迅速な対応が必要だった」とカリフォルニア州水道委員会会長のE. Joachin Esquivel氏は説明しています。「デルタ流域には農地、都市部とその周辺地区、地方の村々、そして豊かな自然環境が混在している。そのうえで、今回の決断に何かひとつを優遇する意図はなく、この流域に頼っているすべての人や生物のために水資源を守ることを念頭に置いている」とも。

この緊急命令以前にも、カリフォルニアでは急激に減っていく水資源を守るためにいくつもの制限が設けられてきました。7月にはカリフォルニア州知事のGavin Newsomが全住民に水道水の使用量を任意で15%減らすよう要請しています。最近ではロシア川流域において水を引いてくることを禁じ、違反した者には1日1,000ドルの罰金が課せられました。ローズビルでは水道水の使用を20%削減するよう要請が出ており、ほかの自治体でも同様の措置が取られています。

気候変動の影響がますます悪化していく中で、今後カリフォルニア州の干ばつは悪化の一途をたどるといわれています。熱波の影響で降雪が降雨に変わり、すでに降り積もっている雪を溶かして、貴重な水資源を蒸発によって失ってしまうからです。

ここまできたら、もうカリフォルニア州の水管理システムを立て直すのには尋常でない努力が必要となってくるのは誰の目にも明白です。水を限りある資源として有効に活用していくほかにも、石油に頼り切った社会のあり方を見直していく必要も。温室効果ガスをゼロベースに持っていく政策に、かつてないほどの必要性が出てきています。

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