役目を終えたら溶けてなくなる。生物分解可能なペースメーカー

役目を終えたら溶けてなくなる。生物分解可能なペースメーカー
Image: Northwestern University/George Washington University

私は役目を終えたら消えちゃうの。

ペースメーカーって、必要な人はずっと使い続けるものかと思っていましたが、一時的に必要という場合もあるんですね。開心手術や心臓発作後、または薬の過剰摂取などがそのパターンなのですが、使用期間を終えて取り出す時に、感染症などのリスクが多少なりともあります。そこで開発されたのが、取り出さなくてもいいペースメーカー。役目を終えたら体の中で分解されてしまいます。

開発したのは、アメリカはノースウェスタン大学とジョージ・ワシントン大学の研究チーム。Nature Biotechnologyに論文が掲載されています。ペースメーカーは、薄くて軽く柔軟性があり、かつ生物的適合性のある素材で作られており、5週間から7週間で分解され体内に吸収されます。ペースメーカー自体の大きさは厚さ250ミクロン、重さは0.5グラムもありません。電源のためのバッテリーやワイヤーもついておらず、電源はNFCテクノロジ(スマホの非接触決済で使うアレです)で確保。

Video: NorthwesternU / YouTube

現在、一時的ペースメーカーを利用するには、電極を心臓に縫い付け、胸から出たワイヤーを体外のマシンに通すという方法がとられているそうで、傷を防ぐために使用中は体の動きに制限がかかってしまいます。論文共同執筆者であるノースウェスタン大学医学部の心臓病学者Rishi Arora氏のプレスリリースでの解説によれば、電気回路を直接心臓の表面に埋め込み、起動はリモート操作で行うそうなので、患者さんへの負担はかなり軽減されますよね。

Arora氏いわく、将来的には足や腕の血管に埋め込めるようになるかもしれないとのこと。また、研究チームによれば、必要な使用期間に応じてペースメーカーの厚さや構造をカスタマイズすることもできるかもしれないといいます。現在、マウス・うさぎでの実験は成功しており、今後さらなる実験を経て人体でもテストする予定。計画では3年後に人体で治験を目指しています。

Source: Wired

    あわせて読みたい