米警察、容疑者のクルマにiPhoneを「うっかり」落として追跡はアリかナシか

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  • author Whitney Kimball - Gizmodo US
  • [原文]
  • そうこ
米警察、容疑者のクルマにiPhoneを「うっかり」落として追跡はアリかナシか
image:shutter Stock

偶然ぐうぜん!

先日、Apple Watchをトラッキングして麻薬の売人から大金を奪った窃盗団の話がありましたが、今度は警察側のお話。なんでも、警察官が容疑者のトラックに偶然自分のiPhoneをおっことしてしまい、Find My iOSアプリを使ってiPhoneを追跡したところ逮捕もできちゃったという。

うっかり劇の流れは…

深夜1時過ぎ、不審者リストの情報に従い、警察官は1台のトラックを停止させました。運転手に職質をかけると、刑事告訴の出廷放棄で逃亡中のある容疑者と一致。男に車からおりるよう指示し、手錠を取り出すため持っていたiPhoneをトラックの荷台のフチに置いたところ、男は逃走。iPhoneはそのままトラック荷台の中へと転がってしまったようです。

地元メディアの報道によれば、その後、業務端末であるiPhoneがないことに気づいた警察官は、個人携帯から同僚に連絡し、Find My iPhone機能で追跡するよう頼み、2人で1時間ほど追跡。管轄地域を外れたため、管轄の警察から人を派遣してもらったとのこと。で、そこにいた犯人も逮捕。

うっかりミスで偶然の逮捕でしたね、では終わりません。2012年、アメリカ最高裁は、警察が車両にGPSを取り付けるのには令状が必要であり、これがない場合は、不当な捜査などを禁じる米国憲法修正第4条違反に当たるという判決を出しました(United. States v. Jones判決)。つまり、今回の逮捕で大きな問題となるのは、警察官がiPhoneをトラックの荷台に落としたのは、うっかりミスの偶然なのか、はたまた「わざとだったのか」というところ。

偶然かどうかで、どう違ってくるの?

米Gizmodo編集部は、カリフォルニア大学バークリー校方法学部のOrin Kerr教授に話を聞いてみました。教授いわく、「偶然であったと結論づけられれば、第4条違反にはあたらでしょう。なので、まず最初は携帯電話を偶然車に落としてしまったということを真実として受け入れるかどうかです。うっかり落としたのであれば、情報入手のための計画ではない=第4条違反とはなりません」また、Find My iPhone機能による追跡に関しては「裁判所は公道における短期追跡は認めています」とのことで、問題がない可能性が高いとのこと。

一方で、電子フロンティア財団の事務次官であるKurt Opsahl氏は「業務端末を探すために追跡したという言い訳は弱いと思います。警察官は容疑者を追跡していると認識していたはずです。警察が令状なしで「うっかり」iPhoneやAirTagを落としたことで第4条を回避できてしまうなら、それは基本的人権の大きな後退だと考えます」

米Gizmodoが、追跡中に容疑者の車だとわかっていたかについてコメントを求めたところ、直接の答えはなかったものの、メールでコメントがかえってきました。

「端末は市の所有物であり、探す必要があると思った。これが違法捜査に当たるかは裁判所の判断にまかせるが、我々は正当な行動であったと信じている」

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