マウンテンバイク界のNIKEN現る。
オートバイやカーゴ自転車などで見かけるようになった前2輪の3輪自転車。今度は野山を駆け回るMTBが電動3輪になり、サドルの代わりにお尻がスッポリ収まるバケットシートが搭載されたORANGE BIKES「PHASE AD3」が誕生しました。
おそらく世界初の「アダプティヴMTB」という、身体が不自由な人でもエクストリームな体験ができる自転車になっています。
事故でハンディキャップを負ったプロ選手のために開発
開発したのは、ジャガーランドローバーやバイクのノートン、JCBトランスミッションなどを経たエンジニアで、自身の会社「デズモンドレーシング」を創業していたアレックス・デズモンド氏。「PHASE AD3」の試作品には、6年の歳月がかかりました。
作った理由は、事故によって身体が部分的に脳性麻痺になってしまった元プロMTBレーサーで、スイス人女性ロレイン・トゥランさんを紹介されたから。トゥランさんの復帰をサポートしようとしていたORANGE BIKES社スイス支部から、デズモンドさんの入社を条件に全面的なバックアップを申し出て、この自転車が完成したのでした。
両足が動かなくてもバッチリ安定
「PHASE AD3」は、3輪による安定性とバケットシートによる抜群の乗り心地を提供し、フロントフォークを繋ぐバーは40度まで傾きます。初心者もすぐに乗りこなせ、急速なターンでも問題なくバランスが保てます。
充電池は504whで出力は1.5kW。電池寿命は乗り方によりますが、700mの上りと25kmのトレイルを走ってもまだ大丈夫。ですが、ロレインさんは予備の充電池をバックパックに入れて、第2ラウンドを走るのだそうです。さすが元プロは体力がすごいですね。

「PHASE AD3」は、まだ価格が設定されていません。ですが、材料費だけで260万円はかかっているのだそうな。個人に合わせて組み換えができるので、今後は受注生産で値段もマチマチになるでしょうね。
開発秘話はちょっと心温まる話だったという「PHASE AD3」。このバイクを機に、障がい者でも参加できるMTBのパラスポーツがもっと普及したら良いなと思います。
Source: YouTube, ORANGE BIKES via NEW ATLAS