大幅アプデ、でも物足りない:フィットネストラッカー「Fitbit Charge 5」レビュー

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  • author Victoria Song - Gizmodo US
  • [原文]
  • 福田ミホ
大幅アプデ、でも物足りない:フィットネストラッカー「Fitbit Charge 5」レビュー
Image: Victoria Song – Gizmodo US

間に合ってない機能がちょこちょこあるし。

Fitbitのフィットネストラッカー「Charge 5」 が、先代から大きくアップデートして発売されました。が、期待して使い始めた米GizmodoのVictoria Song記者にとっては、やや肩透かしがあったようで…以下、レビューをご覧ください。


Fitbit Charge 5(以下Charge 5)を手に入れて、ほんとはもっと歓喜してるはずでした。順当進化だった去年のCharge 4と違って、Charge 5は常時オンのカラータッチ画面に皮膚電位活動量センサー、心電センサーが搭載され、「デイリーレディネススコア(Daily Readiness Score)」なる新しい指標も追加されました。スペックとか機能リスト的には、去年と比べてすごいアップグレードです。でも、実際これらの機能の半分は別に新しくないし、残りの新しい部分もまだ使える状態じゃなかったんです。

でも、私としてはCharge 5を気に入ってはいるんです。たしかに今買えるフィットネストラッカーの中ではベストに違いありません。ただ、Charge 5がいくら優秀なフィットネストラッカーであっても、何か独自の機能があるわけじゃない。他のFitbit端末からカッコいい機能を持ってきて見せ方を変えただけのものには、歓喜まではできないかな、ってことなんです。

Fitbit Charge 5

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Image: Victoria Song – Gizmodo US

これは何?:Fitbitで一番進んでるフィットネストラッカー

価格:180ドル(日本国内価格:2万4990円

好きなところ:ディスプレイ、シュッとしたデザイン、皮膚電位活動センサーと心電センサー搭載、活動トラッキング精度がCharge 4より向上したこと

好きじゃないところ:常時オンディスプレイでバッテリーが減るのはFitbitの魅力半減、また新たな専用チャージャー、心電図とデイリーレディネススコアはまだ使えない


美しき常時オン画面…のせいでバッテリーダダ漏れ

Fitbit Chargeの考え方はこれまで、「壊れてなけりゃいちいち直さない」って感じでしたが、Charge 5はその点大きく変化しました。今回Fitbitは他のデバイス由来の機能をCharge 5に持ち込み、大変身させたんです。

Charge 5は見た目的に、Fitbit Luxeからヒントを得ています。まずFitbit Luxeと同様に、シャイニーなフルカラー・常時オンAMOLEDタッチスクリーン搭載になりました。FitbitいわくCharge 4より2倍明るくなり、ケースも微妙に薄くなっています。ディスプレイは目に優しく、日光の下でも見やすく、今までのChargeよりずっと快適に通知を読めるようになりました。私はほんとに目が悪いので、この画面の違いはありがたいです。

不満なのはベゼルがまだまだかなり太いことですが、文字盤や画面のデザインのおかげでそこまで目立ちません。全体的にCharge 5は着け心地が良く、シュッとしたデザインで良い方向に進化しました。素敵なストラップを付ければ、ドレッシーな場に着けていっても全然おかしくないと思います。

ただし残念ながら、美しい常時オンディスプレイはバッテリーをガンガン消費します。Fitbitといえばバッテリーが長持ちすることで知られていて、私自身Fitbitが1回の充電で5日以上持たなかった事案はほぼ記憶にありません。Charge 5も一応7日間持つことになってるんですが、それは画面を常時オンにしない場合です。寝てるときには常時オンにしない設定もありますが、その場合もバッテリーは2日くらいしか持ちません。もちろん一般論として、画面つけっぱなしにしたらバッテリーがダダ漏れになるのはわかってます。それでもバッテリーライフはFitbitの強みなので、画面常時オンによってそれが損なわれちゃうのはすごく惜しい!です。

もうひとつバッテリー関係では、これまた独自の充電ドックが付いてきて、しかも2021年の今、USB-Aなんですよね。もうちょっとなんとかならなかったんでしょうか…?

新センサーはまだ全部使えず

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Image: Victoria Song – Gizmodo US

Charge 5のディスプレイ両サイドにはセンサーがあります。ひとつは皮膚電位活動(EDA)センサーで、ストレスを測定するもの、もうひとつは心電(ECG)センサーです。どちらもFitbit Senseで導入されたものですが、よりベーシックなトラッカーに搭載されるのは初めてです。

でも、この記事執筆時点でテストできたのは、EDAセンサーとストレススコア測定だけでした。ECGはまだ使えなくて、ただ心拍が異常なときだけ通知が来ます。

これは残念ですが、良かったこともあります。センサーが搭載されたってことは、静電容量ボタンインターフェースじゃなくなったってことなんです。なので、今はアプリ(たとえばエクササイズ、EDA測定、通知、スマートアラーム、など)を切り替えるには、左右スワイプしていって1回タップで選択でOKです。上スワイプすれば1日の活動のサマリーが出て、下スワイプすればクイック設定とおやすみモード、Fitbit Payが使えます。画面のダブルタップでデフォルトの文字盤に戻ります。これで前よりずっと直感的なインターフェースになり、外出中とか運動中にも使いやすいです。

それ以外のCharge 5の機能はたいていのフィットネストラッカーと同じで、SpO2センサーとか継続的な心拍数モニタリング、GPS内蔵、NFC決済ができます。どれも今や当たり前になってしまって、すごくうれしいってものでもないですね。唯一Charge 5にないのはマイクで、そのせいでデジタルアシスタントが使えません。これがマイナスかどうかは、使う人次第です。

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常時オン画面がバッテリーを浪費するし、独自の充電ドックってのもまた
Image: Victoria Song – Gizmodo US

こうしたアップデートで、Charge 5は今までのFitbit Chargeより良いものにはなってますが、新鮮さはあまりないです。Charge 5にある機能はみんな他のFitbitにもあるし、他社のトラッカーとかスマートウォッチにもあります。なので今までずっとChargeを使ってきて買い換えようかなって人にとっては、たぶん今回のアップデートはうれしいんだけど、なんだか機能を寄せ集めただけにも感じられると思います。

優秀正確なフィットネストラッカー

Fitbitはそのフィットネストラッキング性能を完成させつつあり、Charge 5ではCharge 4にあったいくつかの課題に対処しました。まずCharge 5は屋外での運動中、GPSシグナルを見つけるのがCharge 4よりだいぶ早くなりました。GPS精度に関してはマップがより正確になり、去年のCharge 4みたいになぜか川の真ん中を走ってると思われることもなくなりました。距離の判定も前より正確になり、スマホで2.8マイルと判定されたランニングでは、Charge 5では2.78マイル、Apple Watch SEが2.72マイルという結果でした。

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Image: Victoria Song – Gizmodo US

心拍モニタリングアルゴリズム、PurePulse 2.0も改善されたようです。去年のCharge 4をテストしたときは、運動中の心拍数の検知が、Apple WatchやチェストストラップのPolar H10より遅れがちでしたが、今回は大丈夫でした。心拍数の精度そのものは、3つのデバイスで数字がほぼ同じか、差があっても1分あたり5回以下でした。

ストレスマネジメント機能は、世間に今あるこの手の機能の中で一番よく考えられているし、EDAセンサー搭載はChargeユーザーにとって素晴らしいアップグレードです。ただ、EDA測定に要する時間はデフォルトで3分間なんですが、その間細長いCharge 5に指を正しく当てたまま動かずにいるのはちょっとやりにくいです。あとは完全に休んでいるときでも、Charge 5はSenseよりもEDAの数字が高めに出る傾向がありました。Charge 5の形のせいなのか、9月っていうタイミングがコンシューマーテック記者の私にとってストレスが大きすぎるせいかわかりません。ともあれ、精度そのものは一貫していて、リラックスしてるときもイライラしてるときも、それに応じてきちんと変化しました。なので全体的には、精度的に大きな問題はないと思います。

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Charge 5でEDAを測ってるところ
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Fitbitのスマホアプリのダッシュボードでは、心拍の変動幅などの詳細データが見られます。あとはマインドフル・セッションとか、血糖値の記録機能、ガイド付きエクササイズ、詳細な睡眠指標、それから活動量や運動量、睡眠パターンに基づくストレススコアなどがあります。月10ドル(日本だと640円)払ってFitbit Premiumに入るともっと細かいデータが見られて、さらに栄養関連のコンテンツ、健康レポート、音声や動画でのエクササイズ、ガイド付き瞑想、などが利用可能になります。もちろん有料機能のほうがベターですが、無料のものでもライトなユーザーには十分以上です。

まだ使えない指標

Charge 5の目玉機能は、デイリーレディネススコアです、というか、そのはずでした。これは運動レベルや心拍の変化、睡眠に基づいて、休息すべきかもっとがんばるべきか、ユーザーに合わせたビューが見られるってものです。このスコアが高ければ、もっとがんばらなきゃってなるし、低いときは休んでいいのね、ってことになります。この指標はFitbitのアクティブゾーン時間の指標と連動することになってました。アクティブゾーン時間とは、ユーザーが毎週適切な量の有酸素運動をしてるかどうかを測る指標で、デイリーレディネススコアは、体の回復度合いに応じて日々の目標を調整してくれることになってました。

この機能が実際どんなものかお伝えしたかったんですが、ECGともども、この機能はCharge 5の発売に間に合いませんでした。私としてはデイリーレディネススコアってすごく良さそうだと思ってるし、WhoopとかOura Ringみたいな回復度合いを測る他のトラッカーにも似たような機能が入ってます。でも、本当に使って確かめてみるまで、この機能が本当にウリになるほどちゃんとできてるのかどうか何ともいえません。この機能が使える時期について、Fitbitは「今年中」としています。

買い替えは必要?

EDAセンサーやカラータッチスクリーン、ECGセンサーが追加され、Charge 5はCharge 4より30ドル(日本では3,010円)値上がりしました。たしかにデザインの改良、データの精度向上、カラーディスプレイによる使い勝手向上などを考慮すると、買い換える価値はあります。でも半面、アップグレードの理由になるはずのデイリーレディネススコアとECGは、まだ準備中の状態です。

まず考えるべきは、そもそもスマートウォッチがいいか、フィットネストラッカーがいいか、ということです。もし後者なら、Fitbit LuxeよりはCharge 5をオススメします。Charge 5の方が3,000円ほど高いんですが、機能が豊富で画面も見やすく、ストラップを選べば見た目も概ね悪くないです。Fitbit Luxeを勧めたい人がいるとしたら、ごくごくベーシックなトラッカーが欲しい人か、手首がすごく細い人くらいです。

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Fitbit LuxeとCharge 5はデザイン的に近いですが、手首が細い人はLuxeがいいかもしれません
Image: Victoria Song – Gizmodo US

Change 3より前のものを使ってる人なら、Charge 5への買い替えをオススメできます。ディスプレイだけでもその価値があると思います。でも、Charge 4を持ってる人の場合、話がちょっと違います。ストレスマネジメントとかECGとかきれいなディスプレイが欲しい人には、今はアップグレードの時期じゃありません。とくに、デイリーレディネススコアとECGがまだ使えてないからなおさらです。どうしてもアップグレードしたくてしょうがないって人でも、このふたつの新機能が使えるようになるまでは待ったほうがいいと思います。

健康系のトラッキングを重視する人なら、値段は高くなりますが330ドル(日本国内価格:3万4990円)のFitbit Senseなら全部入りです。こちらはECGがすでに使えるし、おいおいはデイリーレディネススコアも使えるようになります。スマートウォッチを探してる人は、Fitbitが(親会社となった)GoogleとともにハイエンドなWear OS 3ウォッチを発表するタイミングを待ったほうがいいかもしれません。FitbitのJames Park CEOが、そんなスマートウォッチが開発中であることをいくつかの記者発表で認めてるので、そのうち確実に出てくるはずです。

まとめると、Charge 5はもともとChargeシリーズのファンで、これからも使い続けたいって人には鉄板のチョイスです。今回のアップグレード内容はちょっとつまらないんですが、フィットネストラッカーとしてはきちんとできてるし、Chargeシリーズとしては最大のアップデートです。最先端のプロダクトじゃないかもしれませんが、安心して使えるってのは大事ですよね。

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