マクドナルドのアイスクリームマシン、故障多すぎでついに米政府が動く

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  • author Brianna Provenzano - Gizmodo US
  • [原文]
  • 福田ミホ
マクドナルドのアイスクリームマシン、故障多すぎでついに米政府が動く
Photo: JOHN THYS / Contributor (Getty Images)

米連邦取引委員会(FTC)が実態調査、その心は?

マクドナルドでシェイクとかマックフルーリーを頼んだとき、「マシンが故障してるからできません」って言われた経験がある人は多いと思います。というか、あまりに頻繁に壊れてるんで、「マクドナルドのアイスクリームマシンが壊れてないか確認できるWebアプリ」が開発されたくらいです。さらにこのたび、マクドナルドのアイスクリームマシン壊れすぎ問題に関して、米国政府までも動き出したことが発覚しました。

Wall Street Journalによれば、米国連邦取引委員会(FTC)は今年夏、マクドナルドのフランチャイズ店オーナーたちに書面を送り、アイスクリームマシンがしょっちゅう故障している原因を解明するよう要請しました。その背景は「アイスが食べられないと悲しい」って人が多い、ってことだけじゃないようです。

マシンのメンテは甘くない

アイスクリームマシンって、特有の難しさがあります。まずアイスクリームを作るための低温に耐えなきゃいけないし、高温での洗浄処理にも長時間さらされます。またマクドナルドの場合、ソフトクリームもシェイクもマックフルーリーも同じマシンで作っていて、構造が複雑になってもいるようです。

でも、アイスクリームマシンがそもそも壊れやすいんだとしたら、なぜ今マクドナルドのマシンだけが問題になっているんでしょうか? その裏には、マクドナルドのフランチャイズ店を救うべく独自の診断デバイスを開発したKytchという会社と、アイスクリームマシンの開発元であるTaylorという会社の間の訴訟があります。

サードパーティデバイスの登場

Kytchは2年ほど前、マクドナルドのアイスクリームマシンにくっつけて故障を検知したり、それをテキストメッセージやメールで通知したりするデバイスを作りました。最盛期には全米30州にあるフランチャイズ店で使われていたと言います。でも、2020年末になって、マクドナルド本部がフランチャイズに対し、Kytchのデバイスは危険だとして使用停止を求め、同じようなデバイスの公認バージョンを開発する方針も示しました。結果、Kytchのユーザーは激減してしまいました。

Kytchとしては、マクドナルドとかTaylorがケアしてない部分をカバーする道具を作ったのに、後から叩きつぶされちゃったわけです。しかもKytchいわく、Taylorはフランチャイズ店経由でKytchのデバイスを入手していました。つまり「公認バージョン」を作ると言いつつ、実際はKytchのものをコピーしようとしただけじゃないか、という疑念が出てきます。

「修理する権利」の侵害

そこでKytchはTaylorを相手に訴訟を起こしました。Kytch側の主張は、Taylorがマクドナルドのフランチャイズオーナーの自力でマシン修理する権利を侵害していること、そしてKytchの知的財産権も侵害しているということです。またKytchは、Taylorはあえて壊れやすくわかりにくいマシンを作り、その修理業務を自社認定エンジニアで独占することで莫大な利益を上げているとも指摘しました。この訴訟を受けて、FTCが動くに至ったんです。

Wall Street Journalによれば、FTCは初期段階の調査として「マクドナルドはアイスクリームマシン等の設備やサプライヤーをどうレビューしているか」「オーナーはどのくらいの頻度で修理を許されているか」といった聞き取りをしているようです。またフランチャイズ向け文書の中で、FTCは「初期調査を実施するからといって、FTCやそのスタッフが何らかの不正行為を発見したというわけじゃない」と言っています。簡単に言い換えると、マクドナルドが悪さをした、とはFTCは今のところ考えてないわけです。

ちなみに米国のジョー・バイデン政権は今年7月、農業や医療、運輸、交通、テクノロジーといった幅広い分野にわたり、機械の修理に対する制限を見直すための大統領令に署名しました。「修理する権利」が確立されれば、マックフルーリーがいつでもちゃんと買えるようになる、のかもしれません。

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