コロナ「超人」級と呼ばれる免疫が確認され論議を呼ぶ

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  • author satomi
コロナ「超人」級と呼ばれる免疫が確認され論議を呼ぶ
Image: NPR

ある人は「超人免疫」と呼び、ある人は「防弾免疫」と呼び、またある人は「ハイブリッド免疫」と呼ぶ。しかしてその実体は…。

デルタもベータも寄せ付けない免疫体質の報告が先々月から続々と上がり、終わりのないコロナのトンネルの先、一筋の光明につながるかもしれないと論議を呼んでいます。

ロックフェラー大学が先月発表した報告

COVID-19を引き起こすSARS-CoV-2に尋常ならざる免疫反応を示している人類は、抗体を大量に生み出せる体を有し、しかも生成される抗体は守備範囲が異様に広いのが特長。今の変異株のみならず、この先現れる変異株も撃退が期待できそうだとNPRが報じています。

たとえば冒頭で紹介されているのは、ロックフェラー大学のPaul Bieniasz医学部教授率いるチームが先月発表した論文なのですが、デルタ株、ベータ株はもちろん、コウモリ由来のウイルス1種、センザンコウ(パンゴリン)由来のウイルス2種、コロナウイルスの蔓延を最初に引き起こしたSARS-CoV-1も撃退できたと報告されています。

感染後のワクチン接種が及ぼす効果

超人免疫の人類に共通するのは、「2020年にコロナウイルスに感染して、2021年にmRNAワクチンを接種した」という点です。

なにしろ確認の手間が手間なので調べられたのは患者わずか14名。なので去年感染して今年mRNAワクチンを打った人すべてが同じ結果になるとは到底言い切れませんが、その点を慎重に念押ししたうえで、ウイルスが専門のTheodora Hatziioannou同大医学部准教授はこう述べています。

ウイルスと戦うベストポジションにいる人たちなのかな、と思います。その血中抗体はSARS-CoV-1まで中和が可能。これは20年前に現れた最初のコロナウイルスで、SARS-CoV-2とは似て非なるものです。それが中和できたのですから。

さらに実験では、わざわざ中和しにくいよう操作を施したウイルスまで無力化できたのだといいます。こちらは「SARS-CoV-2の抗体の結合を阻害する変異を20も盛り込んだ」変異株。過去に感染したのみ/mRNAワクチン接種したのみ、の人間だと感染してしまう強力な変異株です。

ペンシルバニア大学のJohn Wherry教授も「ワクチンを打った人の体内では抗体の進化がすでに確認されている。もしかしたら感染済みの人のほうが進化は速いかもしれないが」とNPRに言ってます。

この話につながるということではありませんが、ロックダウンを一度もしないで自然まかせだったスウェーデンが先日ついに規制解除を発表しましたよね。ひところの感染爆発も一段落ついて、ロックダウン諸国がデルタ株で苦戦するなか、1日の死者がゼロ近くまで減っています。ちなみにワクチンは成人の約6割が接種済みなので、他の国とは異なる動向を見守っていきたいですね。

もちろん、意図的に感染するなんてとんでもないことなので、今から知ったところで再現できないものです。しかし、一方で感染を経験されて落ち込んでいる方には励まされるニュースとはいえるかもしれません。

興味のある方はほか研究報告もぜひご覧になってみてください。2002年か2003年に初代SARS-CoV-1に感染して、今年mRNAワクチン打った人も似たような傾向があるようです。


※2021年9月18日 タイトルを変更しました。

Source: npr

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