優しい世界:暗号通貨取引所が9000万ドル近くを誤送金→丁寧に返金をお願い→続々返金

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優しい世界:暗号通貨取引所が9000万ドル近くを誤送金→丁寧に返金をお願い→続々返金
Image: Postmodern Studio / Shutterstock.com

善人だけの世界。

ある日、自分の銀行口座にまったく身に覚えなおない大金が振り込まれていたらどうします? で、間違って振り込んじゃったので返してくださいって言われたら、どうします? 事実は小説より奇なりと言いますが、現実で、暗号通貨取引所が莫大な金額を誤入金してしまう事件が発生。

とんでもないミスをしてしまったのは暗号通貨取引所のCompound。プロトコルエラーが原因で、複数ユーザーに独自トークン「COMP」を誤送金してしまいました。その総額はおよそ8900万ドル相当、日本円で100億近いです…。

このとんでもミスをどう対処するか、CEOのRobert Leshner氏は、丁寧かつ冷静に「お金返してください!」とTwitterで呼びかけることにしました。

身に覚えのない大金の入金があったユーザー、間違いなので返してくださいねと。さらに、返してくれた人には(誤入金額の)10%を渡すというお礼つき。一方で、返金しなかった場合は税務署に「収入」として報告するから、どうせ特定されるよとチョピっと脅しもつけて。

今回のCompoundミス送金の結果は…、とても優しい世界。続々と返金されており、Leshner CEOもTwitterで報告&感謝しています。

米メディアCNBCの取材で開設した金融専門家によると、誤入金されたユーザーは、法律的には返金の義務はないといいます。にもかかわらず、今回返金したユーザーが多かったのは、暗号資産マーケットでの個人特定は最大の裏切り・ペナルティと言われているそうで、Leshner CEOのツイートの脅し効果が大きかったかと。

Compoundのような暗号通貨の取引を行なうプラットフォームは、従来の銀行のように安全ネットがないため、リスクを常に抱えています。過去には、BlockFiが2000万ドル相当のビットコインを誤送金してしまったことも。Compoundは優しい結末を迎えましたが、常に善人ばかりが取引するわけではありませんし…。もしものときに、暗号通貨マーケットのリスク認識をさらに高めるいい例になった!高い勉強代だった!あっはっは!と言えるかどうか…。

Source: Twitter(1, 2), CNBC, qurasofficial, Newsweek