グーグル親会社アルファベット、AIファーストな創薬ビジネスを行うため新会社設立

  • author Mack DeGeurin - Gizmodo US
  • [原文]
  • Rina Fukazu
グーグル親会社アルファベット、AIファーストな創薬ビジネスを行うため新会社設立
Photo: John Moore (Getty Images)

ビッグテック企業、ヘルスケア業界へまた一歩。

Google(グーグル)の親会社であるAlphabet(アルファベット)は、新たに人工知能を用いた創薬を事業とする会社Isomorphic Labsを設立。もともとアルファベットのAI開発企業であるDeepMindでは、「AlphaFold2」と呼ばれるモデルを用いて、人の体のタンパク質の形状をほぼ正確に予測することが可能に。これは科学・医学界でのブレークスルーと見なされていて、新会社ではこうした知見をもとに創薬ビジネスに踏み込むといわれています。

アルファベットの新ビジネス

創立者兼CEOのDemis Hassabis氏は「AIファーストのアプローチで創薬プロセス全体を再構築し、最終的には生命の基本的なメカニズムの片鱗を理解・モデル化する」という野心的な目標を表明しています。

同氏はDeepMindのCEOでもありますが、DeepMindと新会社のIsomorphic Labsは別企業としてやっていく方針とのこと。親会社のアルファベットには、ほかにも成長中のヘルスケア事業としてバイオテックのVerily、延命を掲げるムーンショットのCalicoがあります。新会社Isomorphic Labsがうまくいけば、創薬のプロセスが加速化し、"複雑な生態現象のパワフルな予測・生成的モデルが構築"できるようになるとのこと。あるレポートによると、創薬のプロセスは市場に出回るまで平均で少なくとも10年、260億ドル(約2兆9400億円)のコストがかかるといいます。

AI × 創薬はすでに始まっている

AIを創薬に活用するという試みは今回のIsomorphic Labsに限らず、Pfizer(ファイザー)とIBMのワトソンの協働でがん免疫の分野に数年取り組んでいたり、UBCとMicrosoft(マイクロソフト)がタッグを組みクラウドコンピューティングやAIで創薬・製薬に、またNvidiaはAstraZeneca(アストラゼネカ)、Schrödinger(シュレーディンガー)、フロリダ大学とパートナーを組みAI支援創薬の研究改善に、そのほか小規模な企業もAIを活用して創薬に励んでいたりします。

「AIが現実世界の問題に対処できるときが来た」

グーグルの親会社であるアルファベットがいきなりメディカル分野に飛び込んできたのは恐るべきことなのでしょうか? おそらく今の段階では見守っているだけでも大丈夫。ビッグテック企業がヘルスケア業界に参入することは以前から予測されてきたことですが、アマゾンやアップルのヘルスケアプロジェクトは開発段階にあり、実現するまでにはまだ時間がかかりそうです。

もう何年もの間、AIの功績はAlphaGoといったゲームや段階的な進歩として収められてきましたが、Isomorphic LabsはAI技術が現実問題の解決に役立つものとして十分に成熟したと認識しているようです。「こうした技術や手法が、科学的な発見など、現実世界の問題に対峙できるほどパワフルで洗練されたものになった今、私たちは歴史的にエキサイティングな瞬間を迎えています」とは、創立者兼CEOのDemis Hassabis氏。実際に彼の示すビジョンを私たちはどういう形で見ることができるのか......今後のIsomorphic Labsの動向に注目しましょう。

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