モジュール式のDJI Action 2、クレバーだけど欲を言えば欠点も

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  • author Andrew Liszewski - Gizmodo US
  • [原文]
  • 福田ミホ
モジュール式のDJI Action 2、クレバーだけど欲を言えば欠点も
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

アクションカムってどこまでが最小限か、悩ましい。

DJIから、モジュール式の極小アクションカメラ・Action 2が発売されました。一辺4cm弱の正方形ボディに、オプションの自撮り用画面モジュールやマクロレンズをマグネットで着脱できるっていう新機軸です。ただ、実際しばし使い倒してみた米GizmodoのAndrew Liszewski記者によれば、モジュール式だからこそのジレンマもあるようで…以下、レビューをご覧ください!


アクションカメラってコンパクトなので、どこにでもマウントしたりくくりつけたり隠したりもして撮影できる、そんなシンプルな理由で人気を高めてきました。でも機能はそのままで、もっと小さくするにはどうしたらいいでしょうか? その問いに対するDJIの答えが、マグネットを使ったモジュール式のデザインにすることで、まるでブロックのように組み立てて機能をオン・オフできる、Action 2です。たしかにクレバーなんですが、その分トレードオフの部分あります。

みんなが自分の行動をソーシャルメディアで流すようになった今、撮りながらカメラ映りを確認できる機能は重要です。スマホの場合前面カメラで簡単に確認できるんですが、アクションカメラの場合はDJIのOsmo Actionとか、GoPro Hero9みたいにレンズの横にディスプレイをくっつけることになります。画面を追加することの問題点は、小さいはずのカメラがだんだん大きくなってしまうこと、そしてバッテリーを消費することです。でも、必要なときだけ画面をくっつけられるとしたら? DJIはそんな問いを自らに投げかけ、それへの答えとして、Action 2を打ち出したんです。

DJI Action 2

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これは何?:モジュール式の4Kアクションカメラ。モジュールをマグネットでくっつけることで機能拡張が可能。

価格:Power Comboが399ドル(日本国内価格4万9500円)、Dual-Screen Comboが519ドル(日本国内価格6万3800円)。

好きなところ:モジュールをくっつけるマグネットがすごく強力。DJIがこのプラットフォームに力を入れてる限りはモジュールがさらに増えて、どんどん機能拡張してくれそう。

好きじゃないところ:データを取り出すにはモジュールのどれかにUSB-Cケーブルを挿す必要がある、カメラからスマホに動画をワイヤレスでストリームするとき、解決できないソフトウェアの問題が発生。


とにかく小さい

Action 2はかつてのGoPro Sessionに似てますが、手に持つとさらに小さく感じます。アクションカメラが取りうる最小形じゃないでしょうか。タテ・ヨコが約(約39mm)、奥行きはほぼその半分ですが、筐体はしっかりした金属で、サイズのわりによい意味での重量感があります。

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タテ・ヨコ39mmと、きわめてコンパクト。
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

Action 2は1200万画素の1.7インチCMOSセンサーに広角レンズ搭載で、画角は155度、F値は固定の2.8です。前面に色温度センサーがあり、環境光に合わせてホワイトバランスを自動調整できますが、色温度の手動調整も可能です。またはD-Cinelike撮影モードで撮れば、事後編集での色調調節もできます。

バッテリーの制約を考えると、これ以上小さいアクションカメラは現状難しいと思います。

美しい画面、難しいインターフェース

Action 2のカメラモジュールの上部には大きなボタンがあり、電源オン・オフ、録画の開始・停止、静止画撮影用シャッターとして機能します。本体には70分相当充電できるバッテリーと32GBのストレージを内蔵。背面に高解像度の1.76インチ有機ELタッチスクリーン搭載で、Gorilla Glassでカバーされてます。

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1.76インチの有機EL画面は美しいですが、インターフェースは慣れるのに時間がかかるかも。
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

Action 2の画面は明るい日光の下でもはっきり見えます。メニューは直感的じゃないものの、解像度やフレームレート、シャッター速度、色温度、手ブレ補正、ファイル管理など全部設定できます。撮った動画の再生も、音なしですが可能です。カメラ本体で全部の機能にアクセスできるのは便利ですが、メニューシステムで行きたいところに行くのには多少試行錯誤が必要だし、いろんな設定を切り替えるときにどっち方向にフリックするのかも迷います。さらに厄介なのは、いったん設定したものをプロフィールとかプリセットという形で保存して後で素早くその状態に入る、とかができないことです。

設定はスマホのDJI Mimoアプリでもできて、Action 2とスマホをWi-Fiでペアリングすることで使えます。スマホのほうが操作画面がずっと大きいし、カメラに映るもののライブプレビューもできます。

マグネットですべてよくなる

Action 2のカメラモジュールは、それ単体だと至ってベーシックなアクションカメラで、今どき必須と思われる機能が足りない、ように見えるかもしれません。でもモジュールをひっくり返すと、その理由がわかります。

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カメラモジュール底面の接点が、他のモジュールとのインターフェースに。
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

Action 2の底面には三脚マウントとかケーブルの端子はなくて、代わりに金属の接点があります。この部分が他のモジュールのピンとつながりつつ、モジュール同士は強いマグネットとスプリング式アームでしっかりくっつきます。

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残念ながら、データ転送と充電に使うUSB-Cポートやストレージ拡張用のmicroSDカードは、モジュールをくっつけないと使えません。
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

モジュール同士がマグネットとクリップですごくしっかりくっつくので、よっぽど高い100mとかの場所から岩に落としたりしない限り、うっかり外れることはないと思います。でももっと大事なのは、カメラじゃないほうのモジュールにすごく大事な機能が入ってることです。

じつはAction 2のカメラモジュールは、それ単体じゃ充電できないんです。Action 2は現時点で2種類のコンボで売られてて、ひとつは「Power Combo」、これにはカメラモジュールに加えてオプションモジュールがひとつ入ってて、そこには110分相当のバッテリーと充電やデータ転送に使うUSB-Cポート、それからmicroSDカードスロットを搭載してます。もうひとつはPower Comboより高めの「Dual-Screen Combo」、こちらは自撮りに使えるタッチ画面のモジュールが入ってるんですが、さらにマイクと90分相当のバッテリー、USB-CポートとmicroSDカードスロットも搭載してます。

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三脚マウントやGoProマウントのようなアナログなアクセサリーも、マグネットでくっつきます。
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マグネットでくっつくのは電気系のモジュールだけじゃありません。もっとシンプルなアクセサリー、たとえば三脚マウントやGoProの独特の接続システムへのアダプターも、マグネットでパシッとくっつけられます。

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Action 2にはレンズもマグネットでくっつきます。第一弾はマクロレンズ。
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マクロレンズのアドオンは、昆虫ハンターや切手コレクターによさげ。
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Action 2はレンズも磁石でアドオンできるようになってて、第一弾としてマクロレンズが出てます。

このモジュールシステムにはものすごい拡張の可能性があり、複数のモジュールを積み重ねて機能のタワーにすることもできます。これから出るモジュールでは、もっと大きい画面とかXLR接続の高性能マイクとか、ライブストリーミング用の5Gモデム、などなどがありえます。

ただ欲を言えば、カメラモジュールがもっと単体でも使えたほうがよかったと思います。つまり、デュアルスクリーンモジュールとかパワーモジュールがなくても、アクションカメラとして完結するような形です。カメラモジュールがもう少し大きくなってもいいから、USB-CポートとmicroSDカードスロットはあったほうがよかったんじゃないでしょうか? で、マグネットのモジュールでもっと高度な機能を増やしていくと。現状ではだいたいいつも、何らかのモジュールを一緒に持ち歩くように気をつけてないといけません

安定の撮影性能

デザインの考え方は新しいですが、DJIは元々ジンバルやドローンの世界でのカメラ性能に定評があるので、アクションカメラの画質も同様に素晴らしいものです。

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設定をいじるのが面倒という人でも、Action 2ならオートモードで美しい動画が撮れるし、Proモードにすれば完全にコントロールできます。
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晴れた朝のドライブを撮ってみると、Action 2は彩度と露出、色温度をすべて自動で調整して美しく捉えてくれました。多くのアクションカメラがそうであるように、スマホよりも画角が広めで、設定で少し狭くはできるんですが、魚眼効果がやや残ります。今後レンズのアドオンで解消してくれればと思います。

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夜の撮影も良好でしたが、ISO感度を高めるとノイズが入ってきます。
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

夜の撮影でも、月の光より明るい何かがあるとすれば、ちゃんと撮れてました。センサーは1/1.7インチと小さめで、暗いところだとISO感度を高めてくるので、それにつれてノイズも入ってきます。Action 2は暗所撮影を得意とするわけじゃないし、そういう触れ込みでもありません。

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Action 2を電動芝刈り機の上に付けて撮ってみました。手ブレ補正なし(左)、手ブレ補正あり(中)、超アグレッシブなHorizonSteady(右)。
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

ソフトウェアでの手ブレ補正もすごく効いてます。ただしDJIの他の手持ちジンバルは、ソフトとハードの手ブレ補正を組み合わせてほぼすべてのブレやガタつきを打ち消して、ありえないくらい滑らかな動画が撮れるんですが、Action 2はそこまでじゃありません。Action 2でできる手ブレ補正にはRockSteadyHorizonSteadyの2種類があり、後者のほうが強烈に補正されますが、解像度が2Kまたは1080pに限られます。4Kで取る場合はRockSteadyモードにするか、後処理で手ブレ補正するかになります。

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ソフトウェアでの手ブレ補正はメカニカルジンバルほど強力に効きませんが、6歳児のシャツにくっつけたカメラでは大活躍してます。手ブレ補正なし(左)、RockSteady(中)、HorizonSteady(右)。
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

でもソフトウェア手ブレ補正でできるのは、すでに撮った動画を修正することだけです。Action 2には、どちらのバンドルにも、服にくっつけるためのマグネット式ランヤードが同梱されてます。HorizonSteadyで撮った動画も、6歳児の全速力での揺れやブレは全部除去できませんでしたが、上のように比較するとその違いに驚きます。

アクションカメラの新機軸?

個人的には、メーカーのイノベーションの試みはすごくよいと思ってて、それがすでに他社に独占されてる市場なら余計に応援したいと思います。GoProはアクションカメラの代名詞のようになっていますが、DJIはAction 2で新機軸を打ち出し、より有能で柔軟なアクションカメラを生み出そうとしています。じゃあ、DJIはそれに成功してるかというと、僕は完全には納得できてないんです。

Action 2のカメラモジュール自体にもしUSB-CポートとmicroSDカードスロットがあれば、もっと使いやすかったと思います。カメラの機能を簡単に拡張できるようなプラットフォーム(ソフトウェアアップデートだけではなく)、というアイデアにはすごく期待してますが、その分DJIには全力でそのプラットフォームをサポートし、オプションのモジュールやレンズをどんどん出していってほしい

モジュール式のアプローチは今までもあって、たとえばLG G5がそうでした。でもLGが拡張モジュールをリリースしないと決めたとき、事実上G5のポテンシャルも、存在価値すらもなくなってしまいました。DJIがその轍を踏まず、本当に使えるモジュールやアクセサリー群をリリースし続け、モジュール式の良さを示せれば、GoProではなくAction 2を選ぶ理由となっていくはずです。

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