米で5歳以上まで拡大された新型コロナワクチンの子どもへの影響についてわかっていること

  • author Kenji P. Miyajima
米で5歳以上まで拡大された新型コロナワクチンの子どもへの影響についてわかっていること
Image: Frederic J. Brown / AFP (Getty Images)

接種させたほうがいいのか、接種させないほうがいいのか。

米がワクチン接種対象を5歳以上まで拡大

米疾病予防センター(CDC)は、11月に新型コロナウイルスのワクチン接種可能年齢をこれまでの12歳以上から5歳以上までに拡大しました。これにより新たに2800万人の子どもが接種可能になりました。でも、アメリカの親御さんたちの42%から66%は、まだ子どものワクチン接種をためらっているようです。

子どもの感染状況

サイエンス誌の論説によると、2020年の初めには全体の3%だった子どもの新規感染が、今では25%になっているそうです。10月末までに全米で600万人の子どもが新型コロナに感染し、うち200万人が今回拡大された5歳から11歳でした。これまでに新型コロナで亡くなった子どもは700人近くに達し、子どもの死因のトップ10に入っているほどです。CDCによると、10月中旬までに新型コロナが原因で入院した5歳から11歳までの子どもは8,300人以上で、100人近くが亡くなったそうです。ちなみにワクチンが原因で亡くなった子どもはいないとのこと。

子ども向けワクチンでわかっていること

親御さんが心配する理由のひとつが、十分にテストが行なわれていないんじゃないかってこと。5歳から11歳の子ども2,400人を対象に行われたファイザー製ワクチン(mRNA)のテストによると、ワクチンの有効率は90.7%だったそうです。

ワクチンが原因とされる心筋炎になる確率は、年齢が低くなるにつれて低くなる傾向にあると論説は伝えています。米ジョンズ・ホプキンズ大学のメッシーナ医師は、ワクチンを接種するよりも、新型コロナに感染する方が心筋炎になりやすい指摘しています。

副反応以外の問題点

サイエンス誌は、新型コロナのワクチンの副反応と同じくらい、学校での活動を妨げられる負の影響は大きいという論説を掲載しています。メンタルヘルスに悪影響が出たり、学習能力に差がついたり、体力が落ちたりということが考えられ、その影響は有色人種や先住民、貧困層により偏ってしまうとのこと。そして子どもたちの間にできた格差は、未来の生活にも影響を与えてしまうそうです。子どものワクチン接種が進めば、学級閉鎖や学校閉鎖も減って、負の影響も予防できるという考え方ですね。

自分じゃなく子どもの健康に関わることだから、余計に心配になりますよね。子どもは感染しても比較的症状が軽いと言われているので、なおさらためらってしまうかもしれません。

サイエンス誌の論説は、子どものワクチン接種を判断する立場にある人に向かってこう問いかけています。

ワクチン接種と自然感染、子どもにとってどっちが最悪ですか?

Reference: Science, CDC, Johns Hopkins Medicine

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