いいぞ、何もかもいい。レノボ IdeaPad Duet 5=神Chromebookタブレットの予感

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いいぞ、何もかもいい。レノボ IdeaPad Duet 5=神Chromebookタブレットの予感
Photo: Phillip Tracy - Gizmodo US

Surface Go 3(6万5780円〜)はキーボード別売。それ考えると安いわあ…。

Lenovo(レノボ)の初代Chromebook Duetは269ドル(約3万800円)、Mediatekチップ搭載の着脱型2in1と、何から何まで独自路線だったけど、大方の予想を裏切って昨年のベストテックに入るヒットとなって売り切れ続出。アメリカでは秋の新学期に在庫のあるお店を探すのが大変なほどでした。

初代好調の波に乗る第2弾「IdeaPad Duet 5 Chromebook(日本ではIdeaPad Duet 560 Chromebookとして発売)」は、パワフルなコンポーネント搭載で、価格も429ドルからとお高くなっています(レビュー機は499ドルのものです)。でも、初代のベストを結集して磨きをかけることで、価格差を補って余りある仕上がりとなっていますよ。

もちろん499ドルだとSamsung(サムスン)Galaxy Chromebook 2Apple(アップル)iPad Airもひしめく価格帯ですので、それなりの新兵器も仕込んでいます。一番のハイライトが大型のOLED(有機EL)のディスプレイです。

1週間ほど使ってみた印象では、コンポーネントも機能もレベルアップしていて、ミッドレンジのライバルと十分互角に渡り合える製品との手を感じましたよ。初代ほど安くないので大衆向けではないにしても、この価格でこの内容なら、コスパ的には初代に並ぶ納得感といえそうです。

Lenovo IdeaPad Duet 5 Chromebook

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Photo: Phillip Tracy - Gizmodo US

これは何? :キーボードを取り外せばタブレットになる着脱型2in1。13インチOLEDのChromebook

価格:429~499ドル(日本ではIdeaPad Duet 560 Chromebookとして発売:6万9870円〜)。キーボード付属。スタイラスは別売(日本版はスタイラス同梱)

好きなところ:美麗なOLED(有機EL)ディスプレイ。キーボードが付いてこのお値段! デザインがかっこいい。バッテリー長持ち

好きじゃないところ:処理性能がイマイチ。タブレットとしてはデカくて重い。スタイラスは付いてこない


こんなに安くOLEDが楽しめるなんて

Chromebookは液晶がチープなのがアキレス腱。そういわれる製品が主流のなか、OLEDにスペックアップしたのはレノボの英断ですね。液晶はゴージャスそのものです。視聴用途がメインのタブレットのなかでも、13.3インチ/1080p/OLED採用で、Duet 5は頭ひとつ抜けた感があります。

OLEDを採用したChromebookは、Duet 5のほかにはSamsung (サムスン)Galaxy Chromebookがありますが、あちらは価格が999ドル(約11万4400円)もする上、バッテリーの減りが早くて、1回の充電でザック・スナイダー版『ジャスティス・リーグ』を再生できるくらいしか持たなくて、廉価なQLEDモデルにすぐ交代になりましたので、個人的にはミッドレンジの価格帯で手にするOLEDタブレットは、このDuet 5が初めてとなります。

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Photo: Phillip Tracy - Gizmodo US

テストではまず『キング・オブ・メディア(原題:Succession)』を再生してみました。色鮮やかな番組はほかにもありますが、ブラックコメディのドラマの画質が良ければ上質なディスプレイと分かりますからね。次にYouTubeで4Kの風景の映像を観てみたんですが、色が飛び出てくるような臨場感。コントラスト比は無限、しかも輝度315ニトなので、明るい場所でもしっかり観れました。

欲をいえば、せっかくOLEDなんだから、フルHDじゃなくて4Kも楽しめたら言うことないんですけどね。1080pにあえて落としたことで、これだけのバッテリー持ち(後述)と低コストを実現できたのだから、それはないものねだりというものか…。画質は鮮明なんですがピクセル密度が低いので、背景が白のときにはピクセル格子が微妙に見える気がしました。

深淵(アビス)を覗くとき、深淵もまたこちらを覗く

Duet 5は背面もおしゃれです。ありきたりなシルバー&グレイではなくネイビーブルーで、しかも上はマットで、下はダークなツートン。名付けて「アビスブルー」。これは惚れます。

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Photo: Phillip Tracy - Gizmodo US

もっとコンサバな色が良ければ「ストーミーグレイ」を選ぶこともできます(個人的にはやや物足りなく感じますが…)。Duet 5の筐体はアルミでしっかりしています。ベゼルは薄めで、iPadなんかよりモダン。ただ13.3インチ/16:9の液晶は妙に横にワイド(12×7.4×0.28インチ)で、重さも結構あるので(重量2.2ポンド=約998g)、ポータビリティは今一歩かも。あ、持ち運べないって意味ではないですよ。Duet 5はバックパックの小さなスリーブにもすっぽり入るし、肩に食い込むこともありません。単に手で持ってゲームするときには腕がだるいかなって意味。筋トレ怠けてるのがこういうところで出ますね。

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Photo: Phillip Tracy - Gizmodo US

Duet 5では、USB 3.2 Type-Cポートが廉価版より1基増えて2基になりました。2基あると左右どちら側でも充電できるし、ドングルなくても空いたほうで周辺機器や外付けストレージにつなげるので、これはうれしい改善。残念なのはヘッドホンジャックがないことで、愛用中の有線ヘッドフォンSennheiser(ゼンハイザー)HD 650が使えないんですよ。新しくワイヤレスイヤホン買わなきゃ…。Duet 5内蔵の1Wクアッドスピーカーでも十分クリアな音質なんですが、重低音が出ないのでどうしても音が薄っぺらく感じちゃうんですよね。

キーボード同梱。驚くほど使える!

Duet 5は箱を開けるとキーボードケースが入っていて、タブレットにカチッと磁石で吸い付きます。見事な安定感。Surfaceなんて別売150ドル(約1万7200円)もしますから、それが同梱というのはレノボ、太っ腹だなあ。

ただテスト端末は、横に構えると少し画面が上にはみ出ます。ヨレてきたら被さるように伸び代を残したのかもしれませんが、自分はがさつなので、ドアのへりや家のコンクリートの床にガシャンとやっちゃいそう。

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Photo: Phillip Tracy - Gizmodo US

このわずか数ミリの不安要素を除けば、カバーキーボードはおしゃれで、操作性抜群です。キックスタンドカバーはブルーの布(厚地のデニム)に覆われていて、下側が180度近く開くので、タブレットをペタッと平らに置くこともできます。これはほかの着脱型タブレットも同じなので、Duet 5にだけ文句言うのは申し訳ないのだけど、なんせキックスタンド、下側の端っこがケースに触れてるだけなので、膝に載せながら片脚動かすとたちどころに不安定になるんですよね。早くどこかのメーカーさんから解決策が出てくれないかなあ。

キーは廉価なDuetに同梱されていたキーボードほど狭く固まっていないので、大人の手にジャストフィット。キーとキーの間に十分なスペースがあって、打ちやすくできてます。超薄いキーなのに確かな打鍵感があって、1分109ワードの早打ちテストでも入力エラー発生率7%で、自分の平均をやや上回る結果でした。

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Photo: Phillip Tracy - Gizmodo US

自分が開発者なら、着脱式キーボードはタッチパッド外せません。Duet 5はタッチパッドも◎。Chrome OSでカーソル位置を思いのまま動かせます。指が太いので押しにくいこともたま~にありますが、タッチパッドの面積が広いので2本指スクロールも余裕だし、3本指スワイプでChromeのタブ切り替えとかもできました。できればスタイラスも同梱といきたいところですが、こればかりは別売です(少なくとも米国ではそうです)。スタイラスには対応しているので、自分で好きなのを買って使いましょう。

バーを底上げ

初代Chromebook Duetは処理スピードが最低ラインでしたが、Duet 5ではQualcomm Snapdragon 7c 第2世代SoCとRAM 8GBにスペックアップしました。まあ、それでも非力なんじゃね?という声もあるけど、Chrome OSはOSのミニカーみたいなものなので、坂道登るのにそんなに無駄に馬力が要らない、というのはありますよね。このレビュー記事だってほぼ全部Duet 5で入稿できましたし。原稿書くときにはテック系ニュースを読みながらまとめるので、タブが10何個も開きっぱなし。結構長い登り坂なんですが、問題なくこなせましたよ。パッカーズがベアーズを下した週末のNFL対決もDuet 5で観たけど、映像が詰まることはあってもクラッシュやエラーはなかったし。『コール オブ デューティー』のモバイル版クラッシュしたのは1回目だけで、その後の動作はスムーズでした。

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Photo: Phillip Tracy - Gizmodo US

Adobe PhotoshopやPremiereみたいに負荷のかかるアプリも試したかったんですが、まだChrome OS対応版がないので試せなかった…。しょうがないので統合ベンチマークを何種類かやってみました。

WebXPRT 2015のDuet 5のベンチは275で、iPad(362)や、ロングセラーのAsus Chromebook Flip C434よりずっと低水準。Surface Go 3(391)にも勝てない非力っぷりです。

全体的なCPU処理性能が分かるGeekbench 5でも、Duet 5はマルチコアのスコアがわずか1,718で、Surface Go 3(1,425)には僅差で勝ったものの、ベースラインのiPad(3,372)にボロ負けでした。

やっぱりQualcommのチップなので、最新のIntel CoreやAMD Ryzern、Apple Aシリーズには及ぶべくもないんだなあと実感です。Duet 5搭載の第2世代Snapdragon 7cで得られるのは、Webの基本タスクとPlay Storeのアプリをこなせる程度の処理性能です。OLEDの鮮明画面でも、1回の充電で丸1日持つようむしろ省電に力を入れた、と考えるべきかも。

OLEDなのにバッテリーが異様に持つ

Duet 5はバッテリー食いなOLEDなので、いろいろ感動しても結局はバッテリーテストでおじゃんだろうなーと思いきや…200ニトの画面設定で動画を再生するテストでは、12時間7分も持ちました。普通に使ってても丸1日持ちます。こんなにバッテリーが長持ちなのは、チップが超省電型で画面解像度をフルHDに抑えていることと無関係ではないでしょう。42W時のバッテリーがいよいよ切れても、急速チャージなので1時間で80%まで充電できますよ。

外付けWebカメラは買わなくていい

フロントカメラは5MP。くっきり色鮮やかに撮れるので、一日中Zoomミーティングの人もこれで十分です。暗所でも、ヒゲや目じりのシワまでクッキリ写りますよ。完璧主義の人は別だけど、わざわざ高いカメラ買う必要はありません。

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背面カメラは8MPですが、映りがひどいのでおよん?となります。カメラアプリが遅くて遅くて。しかもシャッター切るのもえらく時間がかかるんです(動いてる被写体狙う人はグッドラック)。せっかく撮れても色がうまく出なくて、上の写真も芝生のグリーンが剥げているように見えますよね。犬の足も白飛びしちゃってます。

タブレット用Chrome OSは日々進化中

WindowsはPCとタブレットのモード切り替えでモタつくこともしばしば。でも、Chrome OSはDuet 5のキーボードを着脱すると瞬時に切り替わるので、ついにPC&モバイル一体型のOSが来たなと感じました。

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Photo: Phillip Tracy - Gizmodo US

Play Storeのアプリのなかには横に黒帯が出て、もともとスマホ向けアプリなのがわかっちゃうものもありますが、これはAndroid 12Lで改善予定で、メーカーさんにアプリのアスペクト比を調整したり角を丸くしたりする権限を与えることで解消していく見通しです。さらにGoogle Playの側でもガイドラインを守っているか各アプリを審査して、大画面に最適化されているものは公開し、されていないものについては警告していくみたいですよ(こっちの方が重要)。

Chromebook好きにはたまらないタブレット

iPadとバッティングする価格帯なのでどうしても比べられてしまいますが、Duet 5がiPad対抗策としてドーンと投下したのが、冒頭でも述べた13.3インチのOLEDディスプレイです。これは一番大画面のiPad Proよりもまだ大きいサイズ。iPad Airの上を行くディスプレイ技術です(解像度はAirより低いけど)。

また、これまた耳タコかもですが、500ドルでありながらキーボードケースが同梱というのも、地味にすごいです。激安ではないけど、これ1台で視聴もできるし仕事もできる。これと同じことが競合にもいえるかというと答えはNOで、ほかのOSはどちらか一方に傾いているように思います。

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Duet 5を使うたびに思うのは、「これってGoogle(グーグル)がPixel Slateでやるべきことをすべてやっちゃってる端末だな」ってこと。グーグルもがんばっちゃいるけど、なにしろ価格が高すぎました。キーボードも付いてこないし、Bluetoothの不具合も痛手でしたよね。Duet 5はもっと画面が大きくてもっと鮮明、キーボード同梱、それでいて価格はもっと安い。これ以上、何を望もうと?

もちろん処理性能がヘボいことに言及しないで比べることはできませんけど、結局何に使うかですよね。Webを閲覧して、Play Storeのゲームをプレイするのが目的ならDuet 5で決まりだし、もっと高負荷なタスクはアプリがChrome OSに対応してなくてDuet 5でこなせないこともあります。そういうタスクがメインの人は、そもそもChromebookに目移りしちゃダメよってことで。

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