発売前に不死鳥伝説が誕生。
2018年にクラファンで1.5億円の出資額が集まったものの、翌年に破産してしまったイギリスのeバイクメーカーARC。
彼らが作るはずだった「THE VECTOR」はなんと1,300万円以上もする高級車です。またヘッドアップディスプレイ内蔵ヘルメットおよび、背後から近付く車を知らせる触覚フィードバック内蔵ウェアと連動し、安全運転を促すIoTバイクとしても斬新なものでした。
As we look forward to an exciting #2022, with customers already tailoring their very own Vector's in our new commissioning suite.We wanted to wish you all a Happy New Year and thank you for your continued support.Here is Vector in various looks. pic.twitter.com/jakBreV0xK
— Arc (@ArcVehicle) December 30, 2021
CEOが倒産した会社を立て直す
しかしハイテク過ぎたためなのか、1.5億円集めたのに資金不足で破産。それから1年ほど経ち、設立者でCEOのマーク・トルーマン氏が会社を買収し、死の淵から見事ARCを蘇らせることに成功したのでした。苦難の道だったと思いますが、自分が作りたいバイクと出資者たちへの、愛と正義と感謝の気持ちが感じられますね。
Arc Vector – A Bike As Individual As You Are. pic.twitter.com/G3DHrD2Az1
— Arc (@ArcVehicle) December 23, 2021
ということで、THE VECTORは最高時速を200km/hに制限されたものの、限定399台の初期ロットが近いうちに発送予定と相成りました。
軽くて頑丈なカーボンファイバー製
THE VECTORはカーボンファイバーを使ったモノコック構造で、充電池のケースもボディーを支える設計になっています。フロントタイヤはフォークではなくスイングアームが使われ、シングルギアでABSとトラクションコントロールを搭載。 40分の充電で436kmを走り、95kW(127馬力)で時速0~100km/hまで3.2秒で達します。
From the Arc Lab - The seat subframe.Designed, simulated and tested physically so that in areas of most stress it is 5mm thick carbon fibre and can suspend a 100kg rider at 5G (500kg). The carbon fibre then reduces thickness to keep weight to a minimum, coming in at under 3kg. pic.twitter.com/JRYbs3MsQh
— Arc (@ArcVehicle) November 18, 2021
どこも順風満帆というわけではない現実
ハーレーのeバイク「LiveWire」しかり、ハイスペックなモンスターバイクは開発に莫大な資金が必要で、ARCのように破産する可能性も秘めているという現実があるんですね。でも、復活して生産に漕ぎ着けられるメーカーは、珍しいのかもしれません。今後の動向も気になりますね。
Adventure | Electrified #Bespoke Colours. pic.twitter.com/lPg0sLMRPi
— Arc (@ArcVehicle) January 20, 2022