ビアレッティ・モカエキスプレスがおすすめな理由。おうちで簡単にエスプレッソを楽しもう

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  • author Sarah Witman -Wirecutter-
  • [原文]
  • R.Mitsubori
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ビアレッティ・モカエキスプレスがおすすめな理由。おうちで簡単にエスプレッソを楽しもう
Photo: Michael Hession

ずっとキッチンに置いておきたい。

モカポットってご存知ですか? 家庭で簡単にイタリアンコーヒーを淹れられる、今注目のアイテムなんです。お店みたいなカフェラテとか、エスプレッソショットとか、なかなか家で再現できない味わいを楽しめると人気上昇中。そんなモカポットの中でもガジェットレビューサイトWirecutter編集部のイチオシが老舗メーカー「ビアレッティ(Bialetti)」の看板商品「モカエキスプレス。レトロシンプルなデザインと、味わい深いコーヒーが簡単に楽しめるんだとか。ということで、今回はWirecutter編集部のレビュー記事をご紹介します!


もともとお茶派だった私ですが、昨年はじめにコーヒー派に生まれ変わりました! コロナ禍や地球規模の気候変動で世の中が揺れる中、何か気分転換したくなったのかもしれません。

もともと家にモカポット(マキネッタ)、それもビアレッティのモカエキスプレスがあったので使ってみたところ、なんともお手軽で。茶葉にお湯を注ぐほどではないですが、それに近い感じ。他のモカポットも3種試してみたのですが、モカエキスプレスは熱狂的な人気も納得の使用感です。たったの10分弱で濃厚でリッチなエスプレッソができあがるのは、本当に魅力。ためしにシロップとミルクを混ぜてみたら、本格派のカフェラテになりました。

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Photo: Wirecutter

クラシックなデザイン、風味豊かなコーヒー。創始者アルフォンソ・ビアレッティ氏のオリジナルデザインを継承したクラシックな外観と使いやすい仕様、そしてなによりリッチで風味豊かなコーヒーの味わいが魅力です。


モカエキスプレスは他社製品よりも使いやすくお手頃価格であるだけでなく、余計なものをそぎ落としたシンプルさがダイレクトに伝わるレトロなデザインが魅力です。

モカポット、モカエキスプレスの歴史

モカポットは1930年代はじめ、イタリアのエンジニアでアルミニウムの金属加工技師だったアルフォンソ・ビアレッティが「自宅で簡単かつ手頃な価格でコーヒーを作る方法」として発明したものです。その当時、コーヒーは喫茶店で飲むものでした。

モカポットの生みの親であるビアレッティ氏が開発したモカエキスプレスは、「モカポットといえばこれ」というほど認知度も人気も抜群。イタリアでは一家に一台と言われるほどだとか。八角形のタンクにろうと状のフィルターバスケット、フタつきのポットといった主要パーツはすべて鋳造アルミニウム製です。このデザインは、1930年代のアールデコ建築と女性のスカートからヒントを得たもので、同社輸出担当者クリスティーナ・レポラティ氏は「マイナーチェンジはありましたが、長年ほとんどデザインは変わっていません」と述べています。

第二次世界大戦中はアルミ不足でモカエキスプレスも大打撃を受けましたが、アルフォンソ氏の息子であるレナート氏が事業を引き継ぎ、1950年代後半に「口髭の小男(通称:髭おじさん)」をマスコットとして売り出したところ、再び勢いを取り戻したとのこと。レナート氏本人がモデルのこのキャラクターはすべてのモカエキスプレスに印刷されており、今や初代の発明同様、象徴的な存在になっています。ちなみに2016年にレナート氏が亡くなった際、彼の遺骨は特別にあしらわれたモカエキスプレスに納めて埋葬されたそうです。

モカエキスプレスは長年にわたってニューヨークの近代美術館やクーパー・ヒューイット国立デザイン博物館、ロンドン科学博物館、ミラノのトリエンナーレ・デザインミュージアムなどで展示されています。 私にとってモカポットで作ったコーヒーはもはやエスプレッソなので、ちょっとミルクを足してコルタードにしたり、ミルクたっぷりのラテにして楽しみます。エスプレッソメーカーでつくったコーヒーと比べて、モカコーヒーは少し手を加えたほうがおいしくなる気がします。やはりエスプレッソは独特の濃厚さやコク、またシロップ感があるようです。

ただ、「加圧抽出方式」を採用しているモカポットは、通常のコーヒーメーカーとも味わいは異なります。一番下の層で水が沸騰し、それが蒸気となって上に押し上げられる抽出法で、粘度が高くパンチのあるコーヒーができあがります。

ビアレッティ・モカエキスプレスのいいところ

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Photo: Michael Hession

モカエキスプレスはシンプルで軽量なのに頑丈で、しかもお手頃価格。従来のエスプレッソマシンと比べて使い方も簡単です。コンロに放置して焦げつかせたりしない限り、ほとんど失敗することもありません。ほかのモカポットと比べても、フレンチプレスやドリップコーヒーメーカーで作ったコーヒーと比べても、はるかに味わい深いです。そしてポットの側面から眠たげに見つめる「髭おじさん」の視線に、長年の実績を持つイタリア製ガジェットを愛用する喜びを実感することもできます。

もちろん、プラスチック製の筒を採用したエアロプレスのほうが現代的なデザインなので、そちらに乗り換える方もいるでしょうが、儀式的ともいえるシンプルさとノスタルジーに魅力を感じるファンも多いのです。

モカエキスプレスの使い方

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Photo: Michael Hession

まずポットを上部と下部に分け、下部のタンクに沸騰したお湯を注ぎ入れます。もし熱湯が用意できなければ、冷水から始めてコンロにかけてもOK。実はビアレッティのマニュアルには、水から淹れるように書いてあるのですが、これだと熱してお湯の温度が上がるまでにコーヒーも焦げるリスクが高くなってしまうので、私は熱湯からスタートします。

それから、フィルターバスケットに細かく挽いたコーヒーを8分目ほどの高さまで加え(6カップで20g)、再びベース部分に取りつけます。このとき、熱湯が入っているとベースがとても熱くなるのでなべつかみやキッチンクロスなどを使いましょう。

次に、モカエキスプレスをコンロにセットします。ここでの熱の加え方によってはコーヒーの苦味が出てしまうことがあるので、ちょうどいい火加減を探してみてください。次第にお湯が上昇し、上部の半分が満たされる頃にゴロゴロ音がし始めます。これがいわゆる「ストロンボリ期」(ある火山にちなんで名づけられたそうです)。蒸気がコーヒー粉を通り抜け、お湯がすべてポットに移動したタイミングが飲みごろです。そのままにしておくとコーヒーが焦げたり渋くなったりしてしまうので、できるだけ早くカップに移すか、底部を冷水で冷やして下さい。他のコーヒーメーカー同様、豆や挽き方で味や風味は変わるので、自分好みのものを見つけるのも楽しみの1つかも。

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Photo: Michael Hession
モカエクスプレスのベース部分。

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Photo: Michael Hession
ベースにフィルターバスケットをセット。

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Photo: Michael Hession

ちなみに、中米や南米産のミディアムロースト、もしくはダークロースト(深煎り)がモカポットにはおススメ。チョコレートやナッツのような香りが伝統的なイタリアンコーヒーに近い味を楽しませてくれるそう。味に深みが足りない場合は細かめに、苦いのが苦手な方は少し粗めに挽いてみるとよさそうです。

どのサイズを買えばいい?

モカエキスプレスは1カップ用から18カップ用まで豊富に取り扱っていますが、最も一般的なのは6カップ用です。これでイタリアンコーヒーが約300ml分作れます。初代モカエキスプレスは3カップ用のみだったそうですが、今はずいぶんラインナップが豊富になりました。ちなみに50カップ用、なんてのもあるみたいです。でもこれは飾る用って感じですかね。

「うちは何カップ用がいいかな」と悩まれたら、コーヒーを飲む人の数と1日の摂取量、そして忘れてはならないのが「カフェイン耐性」を基準にしましょう。

ブルーボトルコーヒーのライターのジェシー・ウォッシュバーン氏もモカエキスプレス愛用家ですが、「20代前半、当時のボーイフレンドと私は午前中に6カップ用を2杯分飲んでいたのですが、当時はなぜか終始気持ちが落ち着かなかったのです。今はその理由がわかりますが」と失敗談を披露しています。モカポットで淹れるコーヒーは普通のコーヒーメーカーで作るコーヒーよりも濃くて強力なので、摂取しすぎには注意が必要です。1杯目はエスプレッソショットっぽくして、2杯目はラテにしたりするとたくさん飲みたい方も満足できるかもしれません。

モカエキスプレスのお手入れとメンテナンス

アルミ製のモカポットの洗浄方法には「洗剤あり」と「洗剤なし」の2パターンがあります。ちなみに私は使うたびに温水ですすいで、コーヒーの残留物が隅や隙間にたまるのを防いでいます。所要時間はわずか30秒です。

ビアレッティのレポラティ氏は「水のみで、洗剤は使用しません」と話しています。なんでも、アルミは多孔質なので時間とともにコーヒーの香りを吸収してそれを味わいに変えていくんだそう。ユーザーマニュアルにも、購入時にはまず2、3杯試し淹れしてポットの「シーズニング」をすることを勧めています。よその家に行ったとき、年季の入ったモカポットがあれば「この家ならおいしいコーヒーを出してくれる」とワクワクする人もいるんだとか。

ただ、洗剤を使う派の人もいます。古いコーヒーが残るのが嫌だったり、やっぱりピカピカのポットで飲みたいという方は、食器用洗剤で洗うのもアリです。洗剤が残ってしまうのが心配な場合は専用のクリーナーを使ってもOK。頑固な汚れを落とすには柔らかいスポンジなどで拭きとりましょう。たわしやスチールウールのような硬いもので擦るとキズがつくのでやめたほうがよさそうです。また、熱と洗剤の刺激でアルミ部分が変色・変形したり腐食する恐れがあるので食器洗い機はNG

洗剤の有無にかかわらず、数週間に1度は上蓋の下部にある丸い金属フィルターとゴムパッキンを外して洗浄し、1年に一度は交換した方がいいでしょう。その際、歯ブラシやストロー洗浄用のブラシなどを使ってろうとの中心を丁寧に洗ってください。

掃除の後は金属部分がさびないように清潔な布で拭いて乾かしておきましょう。ゴムパッキンに負担をかけないよう、使用後は別々に保管しておくといいのですが、私は一緒にしまっておきたいので、緩く締めています。このモカポットは置いておくだけで、お部屋のワンポイントになりますし。

ほかのモカポットも悪くないけど、モカエキスプレスがやっぱりおすすめ

Alessi Mokaで淹れたコーヒーはビアレッティのモカエキスプレスと近いですが、コクが足りず酸味がやや強めでした。ただ外観はモダンなので、現代的なデザインのほうが好みな方はこちらがおすすめ。2019年に建築家のデヴィッド・チッパーフィールド氏がデザインした本品は、同社が長年にわたってリリースしてきた製品のうちの1つです。ちなみに、同社のアルベルト・アレッシ会長はアルフォンソ・ビアレッティ氏の母方の孫という逸話つきです。

設計上の唯一の難点は、ふたがレバー式だという点。よほど丁寧に開けないと、大きな音を立ててフタが後ろに倒れてしまい、プラスチックのつまみのほうが使いやすい印象でした。

お手入れが苦手な方、またはIHコンロをご使用の方はIlsa Turbo Expressのようなステンレス製のモカポットがおすすめ(ビアレッティやAlessiにもステンレス製ポットはありますが、まだテストしていません)。比較的入手しやすいのもポイントです。モカエキスプレス同様、本場イタリア製。Alessiと同じくは跳ね上げ式のふたがついていますが、曲線的なフォルムが特徴です。今回テストしたモデルの中では唯一、減量フィルターがついているので半量でも作れます。

ステンレススチールのメリットは、アルミよりも頑丈で耐久性がある点。熱伝導性に優れていて、IH対応なのもうれしいところ。ただその分重く、製造コストも高くなっています。また、テストでは水が沸騰してコーヒーが膨らむまで時間がかかることもわかっています。私のキッチンで試したところAlessi8分30秒、ビアレッティ9分、Grosche9分30分、イルサは10分近くかかりました。

シンプルで素朴な雰囲気もモカポットの魅力ですが、Grosche Milano Redはちょっとチープな印象。デザイン面ではモカエキスプレスに軍配が上がります。蓋や持ち手はウッド調ですが、実はプラスチック製で、蝶番もゆるくペラペラ。真っ赤で一見キュートなカラーリングは剥げやすいのが悲しいです。肝心のコーヒーも水っぽくて味に変化がない印象。あまり予算がかけたくない方も、1カップ用のモカエキスプレスを買って、何度かにわけて作った方がいいかな、と思います。

©2022 WIRECUTTER, INC. A NEW YORK TIMES COMPANY.

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