エコなファッション素材、ビスコースレーヨンがインドネシアの熱帯雨林を破壊しまくり

  • author Molly Taft - Earther Gizmodo US
  • [原文]
  • Kenji P. Miyajima
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エコなファッション素材、ビスコースレーヨンがインドネシアの熱帯雨林を破壊しまくり
Image: shutterstock

エコや持続可能という言葉がどんどんうさんくさくなっていきますね…。

持続可能なファッション素材として知られるビスコースレーヨン。今回、調査で実は原材料を生産するためにインドネシアの森林が破壊されているうえに、有名な販売業者の関与まで明らかになったそうです。

森林破壊を伴うのに持続可能な生地?

NBCニュースの調査によると、アディダスやアバクロンビー&フィッチ、H&Mなどに生地を供給している世界最大級の生産者が、以前「森林破壊をやめます」と宣言したにもかかわらず、いまだにインドネシアのカリマンタン州にある熱帯雨林を伐採している可能性があるんだとか。

ビスコースレーヨンは、ユーカリや竹を原材料にした生地で、石油化学製品であるポリエステルやナイロンと比較して環境に優しいと言われています。継続的に伐採できるユーカリや竹は、衣料品やベビーワイプ、マスクなどの素材に適しているそうです。

長年にわたってビスコースレーヨンの大きな供給源になっているインドネシアは、レーヨン用の木を植えるために、熱帯雨林の伐採を繰り返してきました。ビスコースレーヨン生産を目的とする単一作物は、土壌の乾燥によって森林火災の影響を受けやすくするだけでなく、オランウータンのような絶滅危惧種の生息地を破壊します。また、二酸化炭素の吸収量が熱帯雨林よりもかなり少なくなります。いいことがひとつもない感じですね。

繰り返される約束の反故

今回調査対象になったインドネシア最大のパルプ木材供給企業のひとつであるAsia Pacific Resources International Holdings(APRIL)は、去る2015年4月に、泥炭地や熱帯雨林を利用した木材の使用をやめ、より持続可能な方法による原材料の調達を行なうと宣言しました。にもかかわらず、APRILの姉妹会社や持株会社が引き続き森林伐採を行なっていることを、衛星データを用いて調査した環境団体が明らかにしました。APRILはこれらの疑惑を否定しています。

衛星画像の分析を行なったEarthriseの共同設立者であるエドワード・ボイダ氏は、「世界で最も生物多様性に富んだ場所が、生物学的に砂漠みたいな場所になってしまいました」と述べています。

NBCが企業情報を調べたところ、カリマンタン州で伐採されたパルプ木材は、一部の持株会社によって中国の姉妹加工会社に送られ、そこでできあがった生地が先述の大手ブランドに販売されているのだそう。

インドネシアはパーム油生産のために過去20年間で熱帯雨林が激減しています。2014年の調査によると、同国は森林の減少率が世界で最も高いのだとか。それでも政府によるパーム油生産者への規制強化などもあって、ここ5年間は森林破壊が減速しているとのこと。また、新型コロナの影響でパーム油の生産量も減っているようです。

ファストファッションの追い打ちを懸念

環境団体は、ファストファッションの台頭によってパルプ木材の需要が高まり、また森林破壊が進むんじゃないかと懸念しています。世界の主なファッションブランドの多くが生地の調達先を明らかにしていないため、状況は不透明になっています。

インドネシアの非政府組織であるAurigaでディレクターを務めるTimer Manurung氏はNBCに対し、「今後数年間は、パルプ木材の動向が最も心配です」と話しています。


気候変動で二酸化炭素排出量を減らすためと言って、石炭から撤退して採掘時の健康被害や人権侵害が問題になっている天然ガスへの移行を急ぐのと似たような感じですね…。