スマートな解決策。
HTCはCES 2022にて、ユーザーの手の動きや持っている道具をより簡単に追跡できるVRヘッドセット「Vive Focus 3」向けのブレスレット型デバイス「Vive Wrist Tracker」を発表しました。ヘッドセットからトラッカーが見えないケースや、ユーザーがゲーミングコントローラーを持っているときなどに役立つはずです。
VRヘッドセットによるトラッキングといえば、個人的にはPSVRと「モーションコントローラー」を体験したことがあります。電球のようなモーションコントローラーをカメラ「PlayStation Camera」で読み取る仕組みには、正直なところ「原始的だな…」と感じたものでした。
さて、Vive Wrist Trackerは「Vive Focus 3」と組み合わせて使用するように設計されています。Vive Wrist Trackerに搭載されたLEDからの目に見えない光を追跡することで、3D空間での正確な位置と動きを把握できるのです。
Vive Wrist Trackerはスマートウォッチと同じくらいの大きさで、Vive Focus 3のコントローラーよりも85%小さく、また50%軽くデザインされています。販売時はリストバンド形状ですが、武器型コントローラーなどへの取り付けも可能です。発売時期は2022年第1四半期(1月〜3月)で、価格は129ドル(約1万5000円)と予定されています。
さらにHTCは、小型コンピューター「Arduino」と3Dセンサーを組み合わせたオープンソースな3Dトラッキングソリューションを設計しており、これをゲーミングデバイスに取り付けることでVive Wrist Trackerと連携できると案内しています。この設計図などは無料で公開される予定です。

またVive Focus 3向けとして、2種類の新たな充電デバイスも発表されました。「Focus 3 Carrying Case」はハンドルとショルダーストラップ用の留め具、ロック可能なジッパーを備えた全天候対応のキャリーバッグです。内部にヘッドセットとコントローラーを収納し、外部ポートに充電器を接続することで、すべてを一度に充電できます。また、コントローラーとヘッドセットとの自動ペアリング機能も搭載。Focus 3 Carrying Caseの価格は139ドル(約1万6000円)で、こちらも2022年第1四半期の発売を予定しています。

「Focus 3 Multi Battery Charger」は、一度にたくさんのバッテリーを充電する必要があるときに活躍します。本体には4個のバッテリーを設置することができ、高速充電が可能。ゲームセンターや教育機関などで活躍するはず。価格は119ドル(約1万4000円)で、同じく2022年第1四半期に発売予定です。
HTCは通信会社のLumen Technologieと提携することも発表。プライベート5Gネットワークとエッジコンピューティングシステムを用いて、ワイヤレス接続のヘッドセットでも有線接続のVRヘッドセットと同等のパフォーマンスを実現するプランもアナウンスされています。
VRヘッドセットではMetaの「Oculus」の話題を聞くことが多くなってきましたが、HTCのViveシリーズも負けてはいませんね! 今後も、さらに2022年のVR業界を盛り上げてくれそうです。
Source: Gizmodo US