「初めてのナンガ」にちょうど良いヤツです。
ナンガ(NANGA)といえば、1941年に滋賀県米原市に生まれてからひたすら羽毛にこだわり続けてきた、生粋のダウンブランド。ナンガのダウンウェアやダウンの寝袋は、冬ギアの定番ですね。
さて、そんなナンガが同ブランドとしては初となる化学繊維(化繊)の中綿を使った寝袋「DOTTED PADDING BAG」を発表しました。ナンガなのにダウンじゃないのかい!?

紫と黄色の寝袋が「DOTTED PADDING BAG」。ナンガのダウンとしてはビビッドなカラーで、かなり新鮮です。生地にはスベスベとした手触りの20dnナイロンタフタを、中綿には速乾性の高い100%ポリエステルを採用。

触ってみると、確かにダウンのようなフワモコ感はあまりなく、化繊らしい重みと沈み感を感じます。ちなみに寝袋においてのダウンと化繊の違いですが、一般的に暖かさと収納性に優れるのがダウンで、価格の低さと手入れのしやすさで優れるのが化繊です。使用環境や製品によって違いはありますが、ダウンの方が暖かくて軽い(それゆえお高い)という認識で概ねOKです。

「DOTTED PADDING BAG」の特徴のひとつが、ドット柄のような縫い付け。この縫い付けは中綿を均等に固定し、綿が一箇所に偏ることを防ぐと同時に、縫い付けそのものがドットのパターンにもなっています。見た目にも立体感があって、ユニークなデザインです。

ナンガの寝袋では定番の、YKKの特殊パーツ付きジッパーも健在。ジッパーにくっついてる白いパーツが生地の食い込みを防いで、滑らかな開閉をサポートしてくれます。コレほんと神パーツよね。

足元にはコンプレッションや持ち運びなど、マルチに使えるベルトが付属。化繊の寝袋はダウンほど圧縮できませんが、寝袋を畳んでからベルトでギュっと締めればかなり圧縮できそう。左右には小さなループもあるので、吊るしての保管や洗濯干しにも使えそうですね〜。

というわけで、いざ実寝。ローコットの上で「DOTTED PADDING BAG」に潜り込んでみました。寝心地ですが…おぉ、見た目以上に暖かいぞコレ。「ダウンじゃないからなぁ」という気持ちで挑んだんですけど、数秒もすると全身がポカポカしてきて、ダウンとか化繊とか関係なくおやすみモードになりそうでした。サラリとした生地の質感も快適だ!

フードを被ると、もう完全に寝るモード。スペック上では快適使用温度10度、下限使用温度5度となっており、夏の低山ハイクからキャンプ等のシーンが想定されています。
「ダウンじゃないナンガってどうなのよ」と、こう感じた人も少なくないと思いますが、「すべすべポカポカで快適なのは間違いないよ」とお答えします。ダウンほどデリケートに扱わないで良い、ダウンよりも洗濯しやすいなど、化繊ならではのメリットもあるので(聞いた限りでは価格も手頃ですし!)、初心者から熟練者まで幅広く使えるモデルになる気がしました。化繊でナンガデビューして、ゆくゆくはダウンを…というステップアップにもヨシ。

そして、同じく化繊を使った封筒型寝袋「PADDING RECTANGULAR BAG」も新登場します。こちらはダイヤ型の縫い付けパターンが特徴で、中綿は同じポリ100%。L字ファスナーなのでフルオープンにすれば掛け布団のように使うことも。

収納袋に入れるとクッションにもなっちゃう。ダウンのクッション化と違って座布団のように踏んづけても、ロフト(嵩高)をシビアに考えなくて良いのが良いですね。クッション状態で車やリビングに置いといて、使う時に好きな形に展開するといった汎用性の高さも魅力。

それでは、僕はもう少し寝袋と仲良くなってきますね。おやすzzz。
Source: ナンガ
Photos: ヤマダユウス型