テスラのオーナーが自動運転の事故で重罪を受ける

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  • author 中川真知子
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テスラのオーナーが自動運転の事故で重罪を受ける
Image: Hadrian / Shutterstock.com

レベル2だからね…。

カリフォルニア州の検察当局が、Tesla(テスラ)の「Autopilot」システムを使って運転していた男性を、自動車運転業務上過失致死罪2件で起訴したとThe Vergeが伝えました。公道を走れる、一部自動化された運転技術を使って事故を起こしたことで重罪となるのは、全米で初のケースなんですって。

赤信号を無視して衝突

The Vergeによると、起訴されたのはリムジン運転手のケビン・ジョージ・アジズ・リアド容疑者(27歳)。

彼は、2019年にテスラの「モデルS」の「Autopilot」システムを使用中に、高速でハイウェイをおりて、赤信号を無視してホンダのシビックに衝突。シビックに乗っていたギルベルト・アルカザール・ロペス氏とマリア・グアダルペ・ニエベス=ロペス氏の2人は死亡しました。ケビン・ジョージ・アジズ・リアド容疑者と同乗者はどちらも無事でした。

起訴状にはAutopilotについて言及されていない

Dailymailによると、起訴状にはAutopilotシステムについては書かれていなかったものの、National Highway Traffic Safety Administration(米国運輸省道路交通安全局)はAutopilotの使用中に起こった事故であることを認めているそうです。

死亡したギルベルト・アルカザール・ロペス氏とマリア・グアダルペ・ニエベス=ロペス氏の遺族は、リアド容疑者が過去にも問題運転を起こしていたことからAutopilotを使うのに相応しい人物ではなかったことや、テスラが急加速する可能性があるだけでなく効果的な自動緊急ブレーキシステムがない欠陥車を販売していると主張して、両方を訴えています。

あくまで運転支援システム

Dailymailによると、テスラのAutopilotが関係している事故は2016年から27件あり、少なくとも11人が死亡しているそう。

テスラのAutopilotシステムは「レベル2」で、運転手は常に道路から目を離さずに、ハンドルに手を置いておく必要がありますし、テスラもそのように警告しています。

これからの自動運転はどうなる

日本では2020年の4月にアイズオフが可能な「レベル3」の走行が可能となっています。ブレインオフが可能な「レベル4」のタクシーは、2018年にアリゾナ州でサービスを開始しています。

今回の裁判は、同じような自動運転技術を使った場合に事故が発生したケースの指針になるかもしれません。

筆者のように運転が得意でない人や、高齢者にとって、自動運転はありがたいシステムだと思います。「レベル5」がデフォルト搭載されて、映画『マイノリティ・リポート』のような世界になったらこういった事故が減るのかな、と思うのですが、どうなんでしょうね。

Source: The Verge, Dailymail