オールトの雲から観測史上最も大きいメガ彗星がやってくる

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  • author George Dvorsky - Gizmodo US
  • [原文]
  • 山田ちとら
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オールトの雲から観測史上最も大きいメガ彗星がやってくる
Image: NOIRLab/NSF/AURA/J. da Silva (Spaceengine)

じわじわと太陽に接近中。

最新のレポートによりますと、「C/2014 UN271」という天体こそが観測史上最大の彗星なのだそうです。

ハレー彗星の倍?

どのぐらい大きいのかというと直径約138km(誤差±17km)。ハレー彗星の核の直径がおよそ40〜80km(1997年の観測時)、サラバット彗星の核の直径がおよそ100km(1729年の観測時)と言われていますから、これまで観測されてきたオールトの雲(太陽系外にあると仮想される天体群)から飛来した天体の中では最大ということになります。

C/2014 UN271は2021年6月、ダークエネルギーサーベイに従事していたPedro BernardinelliとGary Bernstein両氏によって発見が報告されたため、Bernardinelli-Bernstein(ベルナルディネッリ・バーンスティーン)彗星とも呼ばれています。名前の長さも最大級?

地球からは遠い軌道

ベルナルディネッリ・バーンスティーン彗星はオールトの雲からやってきたと考えられていて、地球に最接近するのは2031年だそうです。とはいえ、土星ほど離れたところまでしか来ないので、残念ながら地球から肉眼で見ることは難しそう。

初めて観測されたのは2014年10月20日で、その時点ではまだ太陽から29au(au=天文単位で、1天文単位は地球と太陽の平均距離)も離れていたそうです。およそ海王星と同じぐらいの距離ですね。その後、距離が24auまで縮んだ段階で初めて彗星らしい挙動が確認され、正式に彗星として登録されました。

このベルナルディネッリ・バーンスティーン彗星についての最新の報告をまとめたのが、パリ天文台のEmmanuel Lellouch氏です(プレプリントはこちら)。

Lellouch氏は2021年8月8日にチリのアルマ望遠鏡(正式にはアタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計)を使って、彗星の大きさと反射性(アルベド)を調べました。その時点では彗星はまだ太陽から20auも離れていたそうですが、それでも彗星の核から漏れ出しているマイクロ波放射線を捉えることに成功したそうです。

めっちゃ明るい

研究論文によれば、ベルナルディネッリ・バーンスティーン彗星はいくつかの特異な点が認められているそうです。

まずはその非凡なまでの明るさ。発見された当初は、その明るさゆえにとてつもない大きさなんじゃないか?と推測されていて、多く見積もって直径が370kmあるとも言われていたそうです。

Lellouch氏の最新の観測からは、それよりもやや保守的な137kmと推測されています。下限は120km、上限は154km。これほどのエラーバーが見積もられているのは、まだ彗星の核の形を特定できていないからだそうです。

反射性(アルベド)は5.3%と推測されているものの、なにせまだ距離が遠すぎてこれもまだ定かではないそう。ただ、今後ベルナルディネッリ・バーンスティーン彗星がだんだんと太陽に接近してくるにつれて、観測データもより確かなものになってきます。

史上最大の彗星に願いを

直径370kmのモンスター級彗星ではなかったにせよ、ベルナルディネッリ・バーンスティーン彗星が観測史上最大の彗星であることに変わりはありません。これから太陽に接近するにつれて、表面上の氷が溶け出し、物質の蒸発によりコマや尾が見られるようになると期待されています。

史上最大の彗星の輝きとは、一体どれほど美しいのでしょうか…? 近日点に到達するまでにはまだ数年かかりますが、今から楽しみです。

Reference: arXiv