ニコンのフラッグシップ「Z 9」を出張のお供に持っていってわかったこと

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  • author 三浦一紀
ニコンのフラッグシップ「Z 9」を出張のお供に持っていってわかったこと
Photo: 三浦一紀

軽快なフラッグシップだなー。

先日発売されたニコンのフラッグシップミラーレス一眼カメラ「Z 9」。こちらでご紹介している通り、フラッグシップらしい堂々とした佇まいに、すんごい高性能。カメラ好きなら一度は手にしたいと思わせてくれるカメラです。

で、そのZ 9をニコンさんからお借りすることができました。

実は僕、昨年カメラシステムをZシリーズに一新。Z 6とZ 50を使っています。仕事はもちろん、プライベートでも両方を使って写真撮影を楽しんでいます。

普通、フラッグシップ機はプロが使うものという感じがします。あまりスナップや日常使いには持ち出しませんよね。いくらZ 9がフラッグシップとしてはコンパクトとはいえ、やはり大きくて重いですから。でも、今回あえて3泊4日の出張に持っていきました。

今回の出張はカメラマンガ同行していたので、僕は個人的な趣味の撮影のみ。だから別にZ 50でよかったんですが、せっかくお借りしたので、僕が普段使っているシチュエーションでZ 9を使ってみようという試みです。フラッグシップ機Z 9の使い心地はいかに…?

フラッグシップ機Z 9の基本スペック

ここで簡単にZ 9のおさらい。ニコンのミラーレス一眼カメラのフラッグシップで、デジタル一眼レフでいえば「D6」クラスという位置付け。主なスペックは以下の通りです。

センサー:新開発の積層型CMOSセンサー

有効画素数:45.7メガピクセル

画像処理エンジン:EXPEED 7

常用ISO感度:64-25600

AF測距点:493点 3Dトラッキング対応(静止画のみ)

被写体検出:人物、犬、猫、鳥、車、バイク、自転車、列車、飛行機

静止画最大連続撮影コマ数:120コマ/秒

動画撮影機能:最高8K30pの内部記録対応

ボディ内手ぶれ補正:最高約6段

シャッター機構:電子シャッター

重量(本体のみ):1,340g

新開発のCMOSセンサーの描写力、9種類の自動被写体検出、120コマ/秒の最大連続撮影コマ数…。いやー、ワクワクするじゃないですか! ただ、僕はあんまりカメラの機能を使い倒すほうではありません。AFは中央1点、連写もあんまりしません。ほんとにごくごく普通の使い方しかしないんで、そういう使い方の視点からZ 9をレビューしていきます。

本体+レンズ3本でもコンパクト。山登りのお供にも

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まずZ 9を出張に持っていくときに思ったのが、「あれ、意外とコンパクトだな」ということ。今回チョイスしたレンズは、「NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S」「NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR」「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」の3本。約15リットルの小さめのリュックタイプのカメラバッグに、Z 9とレンズ3本を入れたら、結構余裕なんですよね。

以前は、デジタル一眼レフのD750に「AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED」「AF-P NIKKOR 70-300mm f/4.5-5.6E ED VR」「TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1」という構成で、かなりバッグ内はパンパンでした。Z 9が比較的コンパクトな上、Zマウントのレンズが全体的に軽くて小さいんですよね。ミラーレスに移行する一番のメリットって、システム全体がコンパクトになることです。心理的負担、肉体的負担がかなり減ります。

実際、出張先でちょっとした山登り(というかハイキング)をしたときもZ 9とレンズ3本持っていきましたが、全然重たいと感じなかったんですよね。普通フラッグシップ機なんて持って、山登りなんてしたくないんですけど、Z 9なら大丈夫だなと思いました。フラッグシップ機をリュックに入れてひょいひょい山登りするって、なんだかすごいことなんじゃないかと。

今回、Z 9に「NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR」という組み合わせで、ストラップを手首に巻いて、右手に持って移動することが多かったんですが、あまり重さを感じませんでした。ボディとレンズを合わせると約1,910gあるんですけどね。

画質はさすがのフラッグシップ。あらゆるシーンで最高の1枚が撮れる

ここからは実際に撮影してみての感想を。

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縦位置グリップのシャッターボタンもいい感じ。

まず使い勝手ですが、何のストレスも感じませんでした。僕がニコン歴が長いということもあり、各種ボタンによる操作などで迷うことはほとんどありませんでした。あるべきところにあるべきボタンがあるという感じですね。快適です。

僕の撮影スタイルは、ほとんどがAFは中央1点で、Aモード(絞り優先)でISOオートなんで、Z 9の機能をフル活用しているわけではないんですが、それでもAFの速さや正確さ、シャッターフィーリングのよさは感じられました。撮りたいときに撮りたいものが撮れるという感じです。

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Z 9+NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR、1/40秒、f8.0、ISO180

参考までに、都内を散歩しているときにちょっとだけ被写体の自動検出機能を使って、隅田川を走る水上バスなどを撮影したのですが、ちゃんと認識してAFが食らいついていました。このまま連写してもずっと水上バスを補足し続けるんですよ。動きモノを撮る人は、この機能大活躍するんじゃないでしょうか。

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レンズマウントの横にあるFnボタンは好きな機能を割り当てられる。僕はZ 6とZ 50と揃えるためにFn1に再生、Fn2にプレビューを割り当てました。Fn3は使用せず。

画質に関しては、とにかくよく映る印象。レンズによっては周辺減光が気になることもありましたが、これはもうデジタルの力であとで補正すればなんとでもなるレベル。それよりも、遠景までしっかりシャープに映っていることに感動しました。4000万画素オーバーとはこういうことなのか…。

旅行のときに撮影した写真と、日常スナップのサンプルを置いておきます。どれもJPEG撮って出しです。

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Z 9+NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR、1/200秒、f6.3、ISO900


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Z 9+NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR、1/200秒、f11、ISO7200


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Z 9+NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR、1/100秒、f13、ISO900


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Z 9+NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR、1/200秒、f8.0、ISO200


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Z 9+NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR、1/250秒、f8.0、ISO100



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Z 9+NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR、1/125秒、f8.0、ISO100


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Z 9+NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR、1/200秒、f8.0、ISO250


220221Z9-14
Z 9+NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S、1/400秒、f3.5、ISO100


220221Z9-16
Z 9+NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S、1/400秒、f4.0、ISO100


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Z 9+NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR、1/50秒、f10、ISO6400


僕がニコンを使っているのは、色味が好きだからです。落ち着いた中にも色の深みが感じられて、長く見ていられる感じがします。Z 9は新開発のCMOSセンサーと新開発の画像エンジンEXPEED 7が搭載されているので、どういう風に画質が変わるのか興味があったんですが、傾向は今までと変わらず。少しだけ彩度が上がっているかなという感じです。

あと、これはZシリーズになってから思っていたんですが、ホワイトバランスが優秀ですね。僕は「A1」(雰囲気を残すホワイトバランス)を使うことが多いのですが、屋外なら屋外っぽく、室内なら室内の照明っぽさを残しつつも、嫌な色かぶりが少なくなっている気がしました。これ、ブツ撮りするとき楽なんですよね。

画質に関しては、ほとんど不満はありません。レンズの高性能さもあるとは思いますが、とにかくよく映ります。Z 50だってZ 6だって画質いいなぁって思うんですけど、それよりもワンランク上という感じがしました。

現像耐性が高いので心置きなく調整可能

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現像ソフトはAdobe Lightroom Classic。

旅行では、星空の撮影もしました。冬の空はきれいですから。で、帰ってきてから星空の写真を現像したんですが、かなり写真をいじっても画質が乱れないんですよ。現像耐性が強いとでもいいましょうか。

こちらがJPEG撮って出しの星空の写真。

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Z 9+NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S、3秒、f2.8、ISO3200(JPEG撮って出し)。クリックして拡大データを表示できます

これを現像してみました。

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上の写真をLightroomで現像。クリックして拡大データを表示できます

露出上げたり、ノイズ除去したり、シャープネスをかけたりといろいろ設定を変えても、すっきりとした仕上がりになります。この辺りにフラッグシップ機の実力を見た気がしました。積極的に各パラメーターを変更できるのは、表現の幅が広がります。

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ちなみに、あんまり使わないだろうなーと思っていたニコン初の縦横4軸チルト式画像モニター。星空の撮影のときに大活躍しました。使い勝手という点ではちょっと直感的ではなく、慣れるまでに時間がかかりそうでしたが、ローアングルやハイポジション撮影時などは、やっぱりモニターがチルトするのはいいですね。

「大きくて重い」というフラッグシップの宿命をぶち破る1台

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以上、甚だ簡単ではありますが、「旅行にZ 9を持っていったら」レビューでした。正直、僕の使い方はZ 9の実力を全部発揮させているわけではありませんが、それでも出張や旅行にも持っていけるコンパクトなシステム構築ができる点、ストレスなく撮影できる点、高画質かつ現像耐性が高い点を感じることができました。

特に、フラッグシップ機なのにコンパクトなのは心にグッときました。以前は、旅行や出張のときは、いかに荷物を減らすか=カメラ機材をコンパクトにするかで悩んでいたんですよね。海外に行くときは画質や使い勝手を犠牲にして、エントリークラスのカメラ+高倍率ズーム1本とか、コンデジだけにしたりとかもしてました。

もうちょっと画質にこだわりたいときは、フルサイズデジタル一眼+標準ズーム+望遠ズーム+50mmマクロレンズ+ストロボみたいな構成でしたけど、それでも結構重くて嫌だったなーという思い出があります(標準ズームがいわゆる大三元しか持っていなかったからというのもありますが)。

でも、今回のシステム(旅行を意識した構成)ならほとんどストレスを感じませんでした。それでいて、満足できる画質で撮影できたというのは、かなり驚きました。絶対途中で「やっぱり旅行にフラッグシップ機はあり得ない」ってなると思ってましたから。

もし、「大きくて重いからZ 9は辞めておこう」と思っている人がいたら、ちょっと考え直したほうがいいかもしれません。思ったよりもコンパクトで、軽快に撮影できるんです。日常の散歩に、旅行に、イベントに、あらゆる場面で最高の撮影ができる気軽なフラッグシップ機、それがZ 9じゃないかと思います(お値段はさておき…)。

Photo&Image: 三浦一紀

Source: ニコン

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