過剰なまでのハイスペック…やりすぎかもしれないスマホ、それがサムスンGalaxy S22 Ultra

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  • author Florence Ion - Gizmodo US
  • [原文]
  • 福田ミホ
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過剰なまでのハイスペック…やりすぎかもしれないスマホ、それがサムスンGalaxy S22 Ultra
Image: Florence Ion – Gizmodo US

やりすぎが良いか悪いか、それは買う人次第。

今年もSamsung(サムスン)Galaxy Sがアップデートされ、今のスマホにできることの粋を集めたGalaxy S22 Ultraが発表されました。米GizmodoのFlorence Ion記者がしばらく使ってレビューしていますが、どれくらい最強なんでしょうか?


このスマホ、サムスンはGalaxy S22 Ultra(以下S22 Ultra)って呼んでますが、実質はGalaxy Noteだと思います。S22 UltraのDNAのすべて、巨大な画面やスロットに収まるSペンや、何もかもがあのワクワクとカオスのファブレットの時代にまでさかのぼります。S22 Ultraはサムスン究極のフラッグシップです。ただ問題は、ここまでのスマホが必要な人はいるか?ってことです。

S22 Ultraについて知れば知るほど、私は圧倒されていきました。たくさんの機能、4眼のカメラから長々しいバッテリーライフ、目を見張る美麗画面までが総力を挙げて、飛び上がるような価格を正当化しに来ます。S22 Ultraは、仕事でも動画でもグループチャットでも何でも軽々こなすので、これはパソコンとタブレット、スマホの一体化だと言い張ることも可能です。少なくともサムスンは、これだけできるんだから1,200ドル(約13万8000円)もアリでしょ、というスタンスです。

Samsung Galaxy S22 Ultra

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これは何?:サムスン Galaxy Noteのリメイク版。

価格:1,200ドル(約13万8000円)から。

好きなところ:見目麗しいディスプレイ、長持ちするバッテリーライフ、Sペン内蔵、望遠レンズで月まで撮れる。

好きじゃないところ:本当にでかい、使いたくないソフトウェア機能が多すぎ、Pixel 6 Proより高いのにナイトモードが見劣りする。


Galaxy Note…ですよね?

最初にS22 Ultraを見たとき、思わず二度見してしまいました。外見が、去年のGalaxy S21 Ultraとは似ても似つかないんです。S21 Ultraは他のGalaxy S21ファミリーと同じコンベアベルトから来たんだなって感じましたが、S22 Ultraは他のGalaxy S22モデルとは全然違います。Ultraとそれ以外はやってることが真逆で、エッジがシャープだし、背面のデザインも独特です。

Androidスマホで今一番大きいのが欲しければ、S22 Ultraがそれです。S22 UltraはiPhone 13 Pro Maxよりもさらに大きく、でも幅は狭いです。Google(グーグル)Pixel6 Proよりは、タテが短いです。私は手が小さいので、S22 Ultraは他のスマホよりも持ちやすく、巨大スマホでも比較的使いやすいってのはうれしいですね。それでも私は安いケースに指をかけるフックが付いたものを買って、持ちやすくしました。Sペン内蔵でもサイズはそんなに大きくなっていませんが、爪が長いので取り出すのはちょっと大変。

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S22 Ultraの下側面にはヘッドホンジャックがないんですが、Sペンの隣にUSB-Cポートがあります
Image: Florence Ion – Gizmodo US

そう、Sペンが戻ってきた。というか、個人的にはSペンがずっとある感じなので、だからついこのS22 UltraをNoteと呼びたくなるわけです。とはいえ私自身、Sペンの存在をほとんど忘れてることもときどきあるので、あんまりスタイラス使わない人は本当にこのスマホが必要かどうか考えたほうがいいです。Sペンでできることとか、新たにできるようになったことは後述しますが、だいたいはずっと同じです。つまり、画面に字とか絵を描けて、メモができて、スタイラスとしてインターフェースをタッチできる、です。

S22 Ultraは4色展開で、ファントムホワイト、ゴージャスなバーガンディ(ピンクに近いかも)、シックなグリーンに、私がレビューしたのはフツーなファントムブラック。せっかくお金を出すなら、ブラック以外がいいんじゃないかなと思います。

今手に入る最高のスクリーン

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小さい手でも扱える、大きなスクリーン
Image: Florence Ion – Gizmodo US

6.8インチのDynamic AMOLEDディスプレイは、S22 Ultraを持ち歩きたくなる大きな理由です。リフレッシュレート120Hz、解像度1440×3088で、画像も文字も滑らかに、精細に映ります。シリアスな写真編集もできるし、電子書籍をつらつら読むのも快適。個人的には電気ブランケットにくるまって動画(ビンテージな720pでも、メジャーな1080pでも)を見るのが最高です。パソコンのモニターに立てかけたS22 Ultraで、YouTube TVでオリンピックを見たりもしました。こういう大きいスマホは動画視聴にぴったりで、S22 Ultraはまさに完璧です。

モバイルゲームもS22 Ultraではスムースで、『ポケモンGO』みたいなポピュラーなのは特に楽しかったです。ポケボールを投げるときも大きな画面が都合よかったし、最大輝度が1750ニトあるので、屋外でのポケモン捕獲もしやすいです。画面が明るいといっても、直射日光の下でしかそこまで明るくならないので、いつの間にかバッテリーが減ってる心配もありません。S22 Ultraは、環境に合わせた明るさ自動調節をデフォルト設定でしてくれるのです。

カメラ多すぎ問題

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1眼でも、2眼でも、3眼でもなく、4眼! プラス深度センサーも付いてる
Image: Florence Ion – Gizmodo US

S22 Ultraを使いながら、なんで4つもレンズが必要なのか…と自問してしまうことがちょいちょいありました。超広角、広角、マクロかズームの3眼まではわかります。でも望遠がふたつもあるって、どういうことなんでしょうか?

S22 Ultraのカメラは、一番露出の大きいメインの1億800万画素カメラに、1200万画素の超広角(120度)カメラ望遠レンズふたつがあります。ひとつは3倍光学ズーム、もうひとつは10倍です。10倍のほうでは、Space Zoomこと100倍デジタルズームが可能になります。

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スマホに双眼鏡が入ってるみたい
Image: Florence Ion – Gizmodo US

Space Zoomではその名の通り、宇宙にまでズームできます。窓の外を飛んでいくセスナもはっきり撮れたし、この満月の写真も、三脚すらなくたってアマチュア天文家が天体望遠鏡で撮ったみたいに見えます。それも、家の中で座ったままサラッと撮っただけなんです。こういう人のために、こんなパワフルなズームがスマホに載るんですかね。

S22 Ultraの存在意義は多分、他に何もいらない究極のデバイス、ってことなんでしょう。だからこんなに高くたっていいんだって、自分に言い聞かせられるようにと。自然観察好きな人とか、バードウォッチャーとかなら、こんなふうにたくさんレンズ持ち歩いて写真撮ったり、双眼鏡代わりにしたりするのかもしれません。ただプライバシーも考えなきゃいけないと思います。今までレビューした中で、1マイル先の他人の家の中まで撮れるスマホは初めてです。

S22 Ultraのウリのひとつは、1億800万画素のカメラで明るい写真が撮れるってことです。でも、この解像度で撮ってるとファイルサイズが爆発するので、デフォルトではだいたい1200万画素相当で撮ってます。そのためにS22 Ultraでは、ノナビニングという手法を使ってます。これは複数のピクセルのデータをひとつに総合することで、ノイズなしにディテールを捉え、画像全体をよりきれいにする技術です。「ノナ」とは「9」ってことで、3×3に並んだピクセルがひとつにまとまってます。

ビニングせずに1億800万画素で撮りたいときは、アスペクト比のメニューから設定します。S22 UltraとiPhone 13 Pro Max、Pixel 6 Proのカメラ対決記事で書いたんですが、1億800万画素で撮るとファイルサイズがほんとに大きくなるし、ズームも6倍デジタルズームが最大です。このモードは、画像をクロップするときに適してます。Adobe Lightroomで編集したい人は、Galaxy AppsストアでExpert RAWモードをダウンロードすると、すべての画像がDNGファイルで手に入ります。

夜間撮影は、人物でも風景でもナノビニングや大きくなったセンサーが功を奏して、かなり良く撮れるようになりました。とはいえ、まだまだPixel 6 Proのほうが暗い環境は得意で、必要なときはシャッター速度を遅くすることで対応してます。S22 Ultraでも夜間撮影であることを検知するとシャッター速度のオプションが出てきますが、フォーカスを合わせられなければ意味がありません。

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ナイトモードで撮るとシャッター速度のオプションが出てきます
Image: Florence Ion – Gizmodo US

サムスンのカメラシステムを理解できるまでに、1週間以上かかりました。カメラの切り替えは、撮り比べしたPixel 6 ProとかiPhone 13 Pro Maxと同じくらい、もっと直感的にできると思ったんですが…4眼カメラは多すぎて、カメラアプリを立ち上げるといつも「4つあるんだから活用しなきゃ」って、ひとつのものを撮るのに最低4枚撮っちゃってました。実際S22 Ultraを買う人は、普段は広角レンズを使い、望遠が必要ならふたつあるうちのどっちかが自分的デフォルト、みたいな使い方になるのかもしれません。どっちにしろ、選択肢はたくさん(多すぎるくらい)あります。

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S22 Ultraの前面カメラはディスプレイに埋め込まれてます
Image: Florence Ion – Gizmodo US

ここまででまだ、4000万画素の前面カメラのことは触れてないですね。こちらもフル解像度はオプションで、アスペクト比のメニューから変えられます。いくつかセルフィーを撮り、TikTokのアンボックス動画をイメージしておもちゃの電車をアンボックスする動画を撮りましたが、みんなちゃんと撮れてました。

S22 Ultraは動画性能も素晴らしいんですが、自分には8Kで撮る資格がないんじゃないかって思ってました。私みたいな一般人は、S22 Ultraは有能だってことを覚えてれば十分です。子どもに「ハッピーバースデー」を歌ってる間ずっと、パンとかズームとかわちゃわちゃしてても、全部の顔にしっかりフォーカスが当たってました。オプションのオートフレーミング機能では、動画の中で最大10人の人をトラッキングしてなるべくたくさんの人をフレームに収めようとしてくれるんですが、たとえば小さい子がフレームから出たり入ってたりするとうっとうしい感じになります。

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あったものが(左)、ない(右)。Object Eraserはまあまあですが、改善の余地はありそう
Image: Florence Ion – Gizmodo US

サムスンがグーグルやApple(アップル)にたいていかなわないのは、画像処理ソフトウェアです。アップルの写真のほうがリアルに撮れることが多いし、グーグルにはAIを駆使した高度なトリックがあります。そこでサムスンも、Galaxy S22シリーズには新たなツールをふたつ載せてきました。

ひとつはグーグルのPixelライクなObject Eraser、もうひとつは紙の写真をデジタル化できるPhoto Remasterです。Object Eraserを試したところ、細かいゴミをちょこっと消すくらいは大丈夫ですが、Pixel 6 ProのMagic Eraserみたいに大きいパーツを埋めるのはそんなに得意じゃないようです。でもS22 Ultraでも、Google PhotoにログインすればMagic Eraserが使えるので、損するってことはありません。

お値段なりの性能

Galaxy S22シリーズにはQualcomm Snapdragon 8 Gen 1が搭載されてます。Galaxy S22/S22+はRAMが8GBですが、S22 Ultraでは12GBも選べます。ストレージはS22 Ultraだと最大1TB。レビュー機はRAMが12GB、ストレージが256GBでしたが、テストしてるだけで半分埋まりました。

S22 Ultraの動作は高速ですが、新しいスマホはみんな買ったばかりのときは速いんですよね。ベンチマークではSnapdragon 8 Gen 1はAndroidユーザー的には今最強のモバイルプロセッサーで、Pixel 6 Pro(グーグルのTensorチップ搭載)と比べてもすごく強力でした。アップルのiPhone 13で使われてるA15 Bionicチップは、スマホの中でトップを守ってます。iPhone 13はすべてのベンチマークでS22 Ultraより好成績でした。

でも大事なのは、ちゃんと大事に使いさえすれば、S22 Ultraは今後数年間マルチタスクできるスマホであることです。ピクチャーインピクチャーで動画を流しながら『どうぶつの森 ポケットキャンプ』の日替わりミッションを完了したり、Webブラウジングしながらビデオチャットしたりができるということです。

もちろんここまでできるとバッテリーには負担なので、バッテリー容量は5,000mAhあります。動画見まくったりしない限り、普通に1日使うには十分で、バッテリー消費テストでは16時間ちょっと持ちました。有線充電は最大45Wとかなり高速で、30Wの充電器でも2時間よりだいぶ短時間で満充電できました。ちなみに充電器は同梱されてないので、購入前に何らかで確保しておきましょう。

UIはOne UI一択

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常時オンにできる画面は、好きな人にはうれしい
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S22 Ultraには最新のAndroid 12が入ってますが、その上にサムスンのOne UI 4.1が載ってるので、見た目はPixelとは違います。One UI 4.1にも、壁紙に合わせてUIの色を自動カスタマイズできるMaterial Youが入ってますが、ダークモードでカスタマイズできないのは残念でした。

Galaxy Appsストアで2ドル(約230円)のテーマをいくつか買ってみました。私はサンリオのテーマが気に入ったんですが、カスタムアイコンはサムスンのアプリとかサービス限定で、それ以外をテーマ化したくてもできません。でも、まだAndroidではネイティブでできないSmart Widgetsと組み合わせるとなかなかいい感じです。サムスンバージョンでは複数のウィジェットを必要に応じて積み重ねられて、ウィジェットが画面全体に広がるよりもすっきり見せられます。

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One UIには余計な要素が多いです。こちらは写真を撮るまで存在を忘れていたポップアウトするドック
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One UIで良いと思うのは、Microsoft(マイクロソフト)のYour Phoneアプリと深く連携してることです。私が普段使うのはWindows 10のノートPCなんですが、スマホを物理的につながなくても、写真やリンクをパソコンにシームレスに落とせるのはうれしいです。S22 Ultraの画面をWindows PCにミラーリングもできるので、端末を手に取らずにスマホの状況が見えるのも便利。Bluestacksみたいなアプリで別途エミュレートするより、このやり方のほうが簡単です。

Galaxy Noteの再来

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スマホでスタイラスを使いたい人、ぜひ
Image: Florence Ion – Gizmodo US

さて、そろそろSペンのお話を。Galaxy Noteの名声を高めた内蔵スタイラス、Sペンが、S22 Ultraの目玉機能になって帰ってきました。

Sペンはこれだけ大きい画面には本当に便利です。私はルーマニア語のいくつかの雑誌を購読してPDFで受け取ってるんですが、ルーマニア語がそんなに読めないので、難しい部分をハイライトして翻訳する機能を使ってます。Sペンを使えば、指で画面をドラッグするよりずっと簡単です。特に私は爪が長いので助かります。

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手書き文字変換機能はまあまあですが、改行を消すとか、もうちょっと整形してくれてもいいかも
Image: Florence Ion – Gizmodo US

スタイラスは画像編集とかテキストの部分クロップとかも、画面の端までいかない限りは簡単にできます。使ってないときはSペンは本体のスロットに、Galaxy Noteのときと同じように収まります。このSペンにも今までの重要な機能、Air Commandsとかロックスクリーンに「書ける」機能とかが入ってます。

S22 Ultraは手書き変換の精度も向上しました。ただ、私の汚い字を読み取れたことには感動したのはいいんですが、あまりにもそのまま改行してくれたので、かえって読みにくくなりました。Sペンは便利だと思うものの、メモするんだったら手書きを変換するより、声で入力するほうがやりやすいと思います。

スマホにどこまで求めるか?

S22 Ultraは1,200ドル(約13万8000円)からという法外な値段を受け入れられる人なら、検討していいスマホだと思います。

今、サムスンが折りたたみスマホをメジャーに持っていこうとする中で、S22 Ultraはパワーユーザーとか、スマホで目立ちたい人に向けたリリースになりそうです。Galaxy S22の他のモデルに飽き足らない人にとっては、S22 Ultraこそがフル機能全部乗せの最強の選択肢となることでしょう。他のスマホより高いお金を払うことで、スマホに載せうるすべてのカメラと、好きな動画をいくらでも見られる大きなディスプレイ、タブレットみたいに使える強力スタイラスが手に入ります。

でも、S22 Ultraは万人向けじゃありません。ほとんどの人にとっては、やりすぎなスマホです。といっても、Galaxy Noteだってやりすぎでした。それを私はうれしく思っています。

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