ある日を境に姿を消しちゃった最悪なNFT詐欺ワースト7(2022年1月版)

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ある日を境に姿を消しちゃった最悪なNFT詐欺ワースト7(2022年1月版)
Screenshot: Frosties.io / Internet Archive

新技術に詐欺は付きもの。とはいえ、NFTと暗号通貨ほど詐欺まみれな業域もひさびさです。

非代替性トークン(NFT)という、よくわからない取引き。

暗号通貨(仮想通貨、クリプト)という、統一感のない用語。

なんだか知らないけど儲かりそうだな~と手を出したら大やけど、という事例が後を絶たず、1月だけでもNFTと暗号通貨アルトコインの投資詐欺を合わせて400万ドル(約4億6000万円)もの被害が報じられています。

ここではGizmodoが把握しているなかから、被害額の大きな月間ワースト7をピックしてみました。全部把握しているわけじゃないし、もっとひどいのがノーチェックで泳いでいることだって考えられます。気をつけましょう!

Blockverse NFT 被害額$1,200,000(約1億3800万円)

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Screenshot: Wayback Machine / Internet Archive

「遊んで稼げる」マインクラフト非公式NFTゲーム『Blockverse NFT』。買った人はご愁傷さまでした…。開発チームは推定120万ドル(約1億3800万円)の売り上げを手にして今ごろウハウハです。

BlockverseのNFTキャラクターはOpenSeaで購入が可能。ゲームプレイで得られる暗号通貨$Diamondも同時に登場。24日にはNFT1万点が発売になり、開発チームは「8分で完売しました」とうれしい悲鳴を上げていたのに…。直後に公式サイト、 Discordサーバー、ゲームサーバーごと姿をくらましてしまったのです。

怒り心頭の利用者によって身元が特定されて、もう逃げ切れないと観念したのか、28日にはノコノコ出てきて謝罪を発表。「ローンチ後も拡張に向けた第2段階の開発を進めていて、足元の問題(ガソリン代=手数料が高い、マインクラフトのサーバーに全員一度に乗れない、 $DIAMONDSの使い道がない、など)に気付かないまま、怒りのコメントや嫌がらせが殺到。パニックして削除してしまった」と釈明していますけどね。信じるかどうかはあなた次第。

今思えば、公式サイトは「Cosemetic & Equippable Item Minting」とかのタイポだらけで怪しさ満点でした。スペルが完璧な詐欺師もいるけど、ここでピンとこないとダメってことですよね…。

クリプト業界ではこういうのを「ラグプル(rug pull)」といいます。「風呂敷を広げるだけ広げて、相手が乗ったら引っ張って転ばす」ことですが、転じて「お金を集めるだけ集めて消える」ことをいいます。

@NFTEthicsからは「こういうプロジェクトを取り締まる中央の機関があってもいいのでは?」という声も出ています。NFTは中央集権的じゃないのが強みだけど、あまりにも多いと自衛・自警のニーズが高まって、ふと気づいたときには証取委(SEC)や連邦準備制度理事会のクリプト版ができあがって中央政府そっくりになっちゃってるかも。

Big Daddy Ape Club 被害額$1,300,000(約1億4900万円)

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Screenshot: Internet Archive

ぱっと見、あの世界一有名なNFT成功事例「Bored Ape Yacht Club」と区別つかないけど、騙されちゃアカン! こっちは「Big Daddy Ape Club」、れっきとした詐欺クローンです。

あっちみたいにパリス・ヒルトンもジミー・ファロンもグウィネス・パルトローも寄り付かない寂しいNFT。

これが大がかりなラグプル詐欺だと見抜いたのは、@NFT Gurusでした。引っかかってウォレットすっからかんになってから気づいたみたいなんですけどね。なんでもここはNFTをミント(生成&発行)するのに手数料が1 Solana(時価135ドル=約1万5500円相当)かかるそうなのですが、ミントが失敗に終わっても(しょっちゅう失敗する)手数料だけちゃっかり取られるらしくて、ユーザーは手数料抜かれてるなんて夢にも思わないまま再試行を繰り返して疲弊していくという手口。巧妙だ…。

把握できているだけでも9,136回のミント試行で130万ドル(約1億4900万円)を窃取した計算です。もっとも@SolRarityが売上転送先ウォレットを調べてみたら、犯行グループは過去にも2回詐欺を働いてるらしいので、これが3回目。どんだけ儲ければ気が済むんだ!

なぜかNFTプロジェクトの監査を行なうCivicというクリプト会社の認証済みプロジェクトだったりして、Civicは信用丸つぶれです。Decryptの報道によると、今捜査協力してグループの行方を追っているみたいですけどね。

Big Daddy Ape ClubのSNSアカウントは全部もう消されてます。サイトはインターネットのタイムマシン「Wayback Machine」で確認できるだけ。

Mercenary Gold 被害額$760,000(約8700万円)

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Screenshot: Mercenary / Smart NFT News (Fair Use)

『Mercenary』は中世がテーマのNFTゲームです。「遊んで稼ぐ(play-to-earn)」機能や新暗号通貨「Mercenary Gold」とコンビで1月ローンチ。BSC NewsのTwitter公式アカウントに広告ツイートを出して話題性を高めることまでやっていたんですが全部詐欺でした。

ラグプルなどの暗号通貨詐欺の動向を追うPeck Shield社の発表では、被害額は推定76万ドル(約8700万円)とのこと。左のリンク先のグラフを見ると、「プル」されたときの底なしの恐怖がリアルに想像できます…。MercenaryもSNSアカウントは全部霧散してしまいました。サイトの痕跡すら消えているようなのですが(Google CacheInternet Archiveもページが空)、PR広告ツイートはたくさん残っていて今も見れます初代ゲームボーイみたいな8ビット画像で、なにこれ面白そう!ってなるのもわかる…まさか詐欺だったとは。

CryptoBay VIP 被害額$411,000(約4700万円)

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Screenshot: CryptoBay VIP

海賊がテーマのゲーム。サイト凝ってるし、儲ける機能も満載で、どこから見たって詐欺の香りはしないと思いきや。ありました。

プロジェクトの「core team」ってページを開くと、アニメのアバターと下の名前が出てくるだけで、実在の人間の気配や証拠がどこにもないんです。詐欺被害額は、1月26日時点で1,098 WBNB(約41万1000ドル=約4700万円相当、Peck Shield調べ)。

Frosties NFT 被害額$150,000(約1700万円)

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Screenshot: Frosties NFT / Wayback Machine

「画像のみならず、ゆくゆくは楽しいメタバースの構築を目指す」と大風呂敷を広げて消えたNFT詐欺。

被害額15万ドル(約1700万円)。サイトは消えてしまって、Wayback Machineで見れるだけ。被害者たちが目の前の現実を受け入れられず、自分たちの手で復活させようぜって言ってるところまでNFT詐欺あるある。


Kingfund Finance 被害額$141,000(約1600万円)

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Screenshot: http://www.KingFund.finance (Fair Use)

2021年末に生まれた資産運用会社KingFundは、先月とうとうプルラグをやって300 Wrapped BNBコイン(時価14万1000ドル=約1600万円、Web3 is Going Just Great調べ)の被害を出しました。

TwitterはじめSNSアカウントは全滅ですが、サイトは昨年10月の姿をWayback Machineで確認できます。

今回のNFT詐欺ワースト7のサイトはどれも力作揃いですが、King Fund Financeは簡素すぎるくらい。よくこれでお金が集まったなあ。

Doodled Dragons 被害額$30,000(約344万円)

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Screenshot: Doodled Dragon / SolSea (Fair Use)

落書きのドラゴンが安く買えるNFTプロジェクト「Doodled Dragons」も詐欺でしたね…。

Crypt Bros Taking Lsが保管した削除前のツイートを見ると、「収益はWWF(世界自然保護基金)に寄付する」と殊勝なことを言っていたのですが、そのわずか2時間後、「いや、やっぱりやめた。寄付は自分の口座にするわ、じゃあな」とツイして持ち逃げ。