作品賞ですね。
アメリカ現地時間で27日に行われた第94回アカデミー賞。今年の授賞式で最も話題を集めたのは、プレゼンターの不適切ジョークにビンタで応えたウィル・スミス氏。その後、長いキャリアで初の主演男優賞を受賞し、異例の長スピーチも大きく注目されました。が、ギズ的には作品賞を受賞した『コーダ あいのうた』に注目。タイトル通りです。ストリーミング配信作品で史上初めてアカデミー賞作品賞を受賞しました。配信したのは…Apple TV+!
ティム・クックCEOもお祝いツイート。
Team CODA created a profoundly beautiful movie, a story of hope and heart that celebrates our differences. Congratulations to the producers, @SianHeder, @TroyKotsur, @MarleeMatlin, @EmiliaJonesy, @DanielNDurant, @EugenioDerbez, and all involved in these historic wins! #CODAfilmpic.twitter.com/s9ebnPaYl1
— Tim Cook (@tim_cook) March 28, 2022
コーダは、4人家族の中で唯一健聴者である少女のストーリー。2021年のサンダンス映画祭で上映され大絶賛。各社が配給権獲得に乗り出すなか、Appleが2500万ドル(当時、約26億円)で権利を獲得しました。2500万ドルって、サンダンス映画祭史上最高額だそうです。近年、Netflixを筆頭にアカデミー賞に多くの作品がノミネートされるストリーミング業界ですが、業界初のアカデミー賞作品賞は『コーダ あいのうた』となりました。
ただ、Appleが配給権は獲得したものの、独占配信ではなく劇場公開もありました(Apple TV+の配信は劇場公開同日)。ちなみにそれもアメリカの話で、日本ではApple TV+の配信ではなくギャガ配給で今年1月末から劇場公開しています。それでも、作品賞を受賞したことで、Appleとしては2500万ドルかけて権利獲得した甲斐はあったのでしょう。米メディアの報道では、コーダのアカデミー賞関連キャンペーンにAppleは1000万ドル費やしたという噂なので、かなり気合いを入れて臨んだ授賞式だったのかも。
ちなみに、今年のアカデミー賞作品賞には、Netflixの『ドント・ルック・アップ』『パワー・オブ・ザ・ドッグ』もノミネートされていました。前評判では『パワー・オブ・ザ・ドッグ』かなって思ってましたけど(ジェーン・カンピオン監督が監督賞を受賞しました)。今年初の試み、Twitterでファン投票が行われたポピュラー部門は『アーミー・オブ・ザ・デッド』が受賞、こちらもNetflixです。2019年のアカデミー賞では『ROMA/ローマ』が作品賞にノミネートされ注目度も高かっただけに、Netflixは、今、かなりかーなーり悔しいのではないでしょうか…。初って1回だけだもんね。