迷走じゃないよ。ダイソン初のノイキャン空気清浄ヘッドホン「Dyson Zone」

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  • author 西谷茂リチャード
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迷走じゃないよ。ダイソン初のノイキャン空気清浄ヘッドホン「Dyson Zone」
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ノイキャンは音響清浄機と呼べるのかもしれない。

吸引力の変わらない掃除機でお馴染みのダイソンから、初のウェアラブルデバイスが発表されました。製品カテゴリとしてもおそらく世界的な初となる「ノイズキャンセリング機能付き空気清浄ヘッドホン」です。

その名もダイソン・ゾーン(Dyson Zone)。

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ノイキャンヘッドホンとして雑音をカットしながら、両耳のカップで空気を清浄して鼻口に送りつけてくれるデバイスとなっています。キレイな空気のゾーンを作るから「ゾーン」なのでしょう。使ってみないと効果の程はわかりませんが、花粉対策にめっちゃ効きそうな印象を受けますね。

あと気になると思うので先に書いておきますと、これ単体ではマスクの代わりにはならないそうです(外行きの空気がフィルターを通らないためと思われます)。マスク着用が必要な場では、セットでついてくるフィルターとフェイスカバーの使用するのが良さそうです。

Zoneの日本に向けた販売の有無、時期、価格はいまのところ不明。しかし肝入りの製品であることは間違いありません。

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あのダイソンが6年の開発と500以上の試作品を経て世に出すのですから、これは期待してしまう。

ダイソンは正気?

とはいえ正直なところ、ダイソン初ウェアラブルが聞いたこともない新カテゴリだと知ったとき、ちょっと迷走しているんじゃないかと疑いました。もしかしてSFインスパイアの早めのエイプリルフール……?なんて。

しかしよく考えてみたら、疑うべきはむしろ世界だったのかもしれません。

ゴミはゴミ箱に捨てて、その収集と処理にお金(税金)を払う。いまとなっては当たり前の社会ルールですが、中世ヨーロッパの一部では糞も含めて道に捨てていた時期があったそうです。ただでさえ未舗装でぬかるんでいたのに、ゴミまで加わって足元の汚れは不衛生極まりないことに……。

そこで当時の人々は、靴の上から履くパッテンを重宝したと言われています。厚底のパッテンを装着して、道の汚れから遠ざけるといった使い方です(諸説あり)。

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Dyson Zoneは、パッテンの現代版といえます。道の汚れがパッテンを生んだように、空気の汚れがZoneを産んだのです。

悲しい現実ですが、空気中にはさまざまな汚染物質が散らかっていて、あらゆる騒音が流れています。その両方に屋内外問わず対処できるのが、空気清浄機とノイキャンを積んだウェアラブルであるDyson Zoneってわけです。

しかしそれらを抜きにしても使ってみたいサイバーパンク感だ……。

ダイソンだから生み出せた

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ウェアラブル空気清浄機を実現するには大きな壁がいくつもありますが、ダイソンの強みが結集することで乗り越えられています。

まず、屋外で歩いている時も使えるようにするには、呼吸に間に合うように大きな量の空気を清浄できなければなりません。小型のウェアラブルでそのような流量を確保できるよう、ダイソンは自社最小のモーターを新規開発しました。

次に、さまざまな汚染物質を除去できなければならないので、2種類のフィルターが採用されています。静電フィルターでハウスダスト、花粉、細菌といったPM 0.1 レベルの粒子を(超微粒子、ブレーキダスト、産業燃焼物なども) 99%キャッチし、活性炭フィルターで二酸化窒素、二酸化硫黄、オゾンなどの都市にありがちな有毒ガスを捕捉。静電フィルターの仕組みはN95マスクと同様だそうで、HEPAの代わりに採用されたのは流量の確保のしやすからとのこと。

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最後に、騒音対策として遮音とノイキャンに注力されています。素材と形状が最適化されたイヤークッションで高周波数ノイズを低減させ、計8個のマイクを駆使したアクティブ・ノイズキャンセリング・システムで外部からの騒音をさらにカット。ヘッドホンとしては「ミュ ージシャンやクリエイターが意図したとおりの音」を目指したそうです。

もうダイソン技術オールスターですね。サイクロン式掃除機やコアンダ効果式ヘアスタイラーなどで培った気流制御&モーター開発。空気清浄機などで積み上げたフィルターデザイン。そしてあらゆる製品を低騒音化してきた音響ノウハウ。全部ないとDyson Zoneは生まれなかったのだと思います。

気なる使用感

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製品テストでは、医療グレードの人工肺と汚染物質検知機を搭載した呼吸するマネキン「フランク」が多用されたそうで、ある程度の横風にも対応したデザインとのこと。なので空気清浄機能は申し分なさそうですね。ただし送られてくる風が鼻口と目を乾燥させてしまわないかは気になります。

ヘッドホンとしての使用感は、めちゃくちゃ期待したいところです。モーターがすぐそばで回っている状況なので過度な期待は控えるべきと思いつつ、ノイキャントップクラスのソニーWH-1000XM4がマイク5つのところをZoneは8つと来ていますから。これは家で空気清浄機能を切った状態で使ったらノイキャンかなりスゴそう。

あと気にあるのは重量感ですね。ヘッドホン+空気清浄機の重量を、乗馬のサドルにインスパイアされた形状で頭部側面にさばいているそうですが、その効果やいかに。とはいえイヤーカップから口元に伸びる送風シールドは着脱可能になっているので、状況に合わせて外していればさほど気にならないのかも知れません。

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個人レベルで空気に向き合わなければならない時代に、空気と向き合ってきたダイソンが打ってきた渾身のウェアラブル。もしDyson Zoneが日本に上陸するのなら、次の花粉シーズン前であって欲しいです。

Source/Images: Dyson