サムスンのGalaxy Tab S8+、買ってはいけない素晴らしいタブレット

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  • author Phillip Tracy - Gizmodo US
  • [原文]
  • 塚本直樹
サムスンのGalaxy Tab S8+、買ってはいけない素晴らしいタブレット
Image: Phillip Tracy/Gizmodo

モノはいいんだよね。

Samsung(サムスン)から発表された、3機種のタブレットのうち中位モデルに相当する「Galaxy S8+」。14.6インチの「Galaxy S8 Ultra」の影に隠れがちなこのタブレットは、はたしてSurfaceやiPad、そしてより廉価なGalaxyタブレットとの競合の中で、存在感を示すことができるのでしょうか。米GizmodoのPhillip Tracy記者によるレビューをどうぞ。


Galaxy S8+は前モデルからのアップグレードとして、超広角カメラや進化したSペン、より高速なプロセッサなどが搭載されています。もしタブレットに1100ドル(約13万円)もかけられない…という場合には、Galaxy Tab S8+は魅力的な選択肢となることでしょう。

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Galaxy Tab S8+

Phillip Tracy/Gizmodo

これはなに?:12.4インチのAndroidタブレット

価格:899ドル(約10万3000円)から

好きなところ:美しいAMOLED(有機EL)ディスプレイ、洗練されたアルミ素材の本体、性能向上したカメラ、マグネット充電式の新型スタイラス、DeXによるマルチタスク機能の進化、十分なバッテリー

微妙なところ:Android OSの制限、高価、イヤホンジャックがない、Ultraモデルの影に隠れがち、充電器が付属しない

Galaxy Tab S8+は価格では中間に位置しますが、実際にはプレミアムモデルです。128GBストレージのWi-Fiモデルが899ドル(約10万円)で、前モデルから50ドル高くなっています。256GBストレージモデルは80ドル、5Gモデル(米では現在Verizonのみ)は200ドルが追加されます。Sペンは同梱されていますが、ブックカバーキーボードスリム(Book Cover Keyboard Slim)はオプションで160ドル(約1万8000円)にて販売されます。

先端のハードウェア

Galaxy Tab S8+からは、洗練された印象を受けます。長方形の本体は滑らかな「Armor」アルミニウムに包まれ、狭額ベゼルの12.4インチのパネルには「Gorilla Glass 5」を採用。サムスンによれば、このメタルフレームにより耐傷性が30%向上し、背面パネルが40%曲げにくくなったそう。

Phillip Tracy/Gizmodo

デザインは控えめで、背面にはサムスンとAKGのロゴ、アンテナバンドが配置されています。上端にはボリュームボタンと電源ボタン、両端にはスピーカーグリルがあり、右側には充電用のUSB-Cポートがあります。顔認証機能はスピーディーで、ディスプレイ指紋認証機能はマスク着用時に便利。レビュー端末のピンクゴールドモデルは美しいのですが、その他のカラーはグラファイトとシルバーとなり保守的です。

Phillip Tracy/Gizmodo

背面にはSペンを保持するための、黒い涙型のマグネット式充電クレードルがあります。私がGalaxy Tab S8+をアパート内で持ち運んだ際には問題はありませんでしたが、バックパックに入れた時にはSペンが外れてしまいました。もっとも安全というわけではないものの、すぐにものをなくしてしまう人には便利なシステムです。

素晴らしいディスプレイ

Galaxy Tab S8+のもうひとつの目玉は、いわずとしれた12.4インチ/2800 x 1752ドット(WQXGA+)の有機ELディスプレイです。このディスプレイ、一言でいえば「素晴らしい」。明るく(最大378ニト)緻密、豊かな色彩を描くこのパネルはとてもゴージャスで、お気に入りの映画や番組をすべてGalaxy Tab S8+で見返したくなることでしょう。また120Hzの高速駆動により、バターのようになめらかにスクリーンが描写されます。

Tracy/Gizmodo

Galaxy Tab S8+の有機ELディスプレイは、まるで有機ELテレビを小さくして膝の上に置いたかのよう。宇宙SFテレビシリーズ『エクスパンス』での宇宙の黒は深く、宇宙船内の赤と青の点滅する光がノッチのないスクリーンから放射状に広がるのです。

ただし画面に比例してタブレットも大きくなっており、Galaxy Tab S8+のサイズと重量は11.2 x 7.3 x 0.2インチ/1.25ポンド(約0.56kg)と、少し扱いにくいかもしれません。両手で持ちながら親指で操作するのは不可能で、片手で操作するには極めて重い端末となっています。また前モデルに引き続き16:10のアスペクト比が採用されているので、レターボックスなしで映画コンテンツを見るには最適ですが、マルチウィンドウでの使用時には窮屈に感じられます。

AKGがチューニングしたクアッドスピーカーは、視聴体験を補完してくれます。『エクスパンス』で宇宙を航行する音は心地よく、地球上の言語を寄せ集めたベルター・クレオール語を含む『エクスパンス』の言葉も容易に理解できました。YouTube Musicでフォクシングの『Go Down Together』やカニエ・ウェストの『Street Lights』を聴くと、高音はあまり伸びず、低音も「ドーン」とはいかず、中音域のみにとどまっています。しかし、再生音はクリアで大きな音でした。ただ、イヤホンジャックがないのは困ります。

Sペンとキーボードアクセサリ

Galaxy Tab S8+を仕事で使うなら、オプションのブックカバーキーボード(Book Cover keyboard)は検討する価値があります。キーが小さくバックライトもないのですが、使えば使うほどその良さがわかってきました。キータッチは安っぽく高い音が鳴り、ストロークも浅いです。しかし反応の良さ、スイッチのバネ、タイピングに必要な力の小ささにより、快適なタイピングが可能です。

標準的なタイピングテストでは1分間に111ワードと、私の普段の平均よりもすこし良い結果でした。しかしミスが多く、これはキーが小さかったためと思われます。

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Apple(アップル)の「Magic Keyboard」では、ディスプレイの角度が調整できるのが便利です。一方でSmart Coverはマグネット式のピンでタブレットに接続し、角度調整ができない折りたたみ式ヒンジを利用します。この固定された角度はあまり問題ではありませんでしたが、最適な角度を得るために時々姿勢を変える必要がありました。

ヒンジ部にはマグネット式のスタイラスホルダーがあり、Sペンがしっかりとはまるようになっています。タブレットをドッキングさせるとSペンを取り出すのが事実上不可能となるので、その前にSペンを抜いておく必要があります。またマグネットホルダー用の切り欠きがあるので、Sペンをタブレットにくっつけたままにしておくこともできます。

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この付属のSペンが素晴らしい! サムスンによれば「予測アルゴリズム」により、入力時間を5.6ミリ秒から2.8ミリ秒に短縮されているそう。以前のSペンでもなんの問題もなかったのですが、新モデルでは物理的なペンと同じような書き心地を実現。スタイラスを画面上でドラッグすると、すぐに色が反映されます。Sペンは不規則な走り書きにもきちんと追随し、またそのフラットかつエッジな細身の形状は持ちやすくなっています。

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Galaxy Tab S8+の背面には1300万画素の標準カメラ、600万画素の超広角カメラ、懐中電灯としても使えるフラッシュを搭載。これらのカメラはサムスンの特徴でもある、シャープで少し彩度が高く、滑らかで、SNS(ソーシャルメディア)にとても適した写真を撮ることができます。前面カメラは1200万画素の超広角レンズにアップグレードされ、自撮り棒を使わなくても広い背景や、2人目を写すことが可能になりました。ビデオチャット機能では発言者にズームインしたり、誰かがフレームに入ったときにズームアウトしたりする「オートフレーミング」機能を搭載。テストでは、Apple(アップル)の「センターステージ」と同じように機能しました。

高いパフォーマンスと進化したソフトウェア

Galaxy Tab S8+のプロセッサはQualcomm(クアルコム)の「Snapdragon 8 Gen 1」で、サムスンによれば前モデルに比べてCPU性能が24%、GPU性能が52%向上しています。ベンチマークスコアではGalaxy Tab S7+が「Geekbench 5」で2850だったのにたいし、8GB RAMを搭載したGalaxy Tab S8+は3230を計測。日常的な使用では、ほとんどもたつきを感じることはありませんでした。大量にタブを開くと一部で読み込みに時間がかかるという壁にぶつかりましたが、そのような問題に遭遇するのはパワーユーザーだけでしょう。

バッテリーの持ちに関しては、Galaxy Tab S8+は画面を200ニトかつ120Hzに設定した状態で、9時間21分のビデオ再生ができました。これはGalaxy Tab S7+の9分2秒を上回っています。なお、5G通信を利用する場合には、バッテリー消耗に気をつける必要があります。またGalaxy Tab S8+には、充電器は同梱されていません。

タブレットをデスクトップ化するDeXの動作はどうでしょう? 利用を開始するにあたり、いくつかのツールをインストールする必要がありました。コラボレーションツール(Trelloにも似ています)の「Airtable」はPlayストアで入手でき、タブレットの画面に最適化されています。そしてすべてのインターフェイスがきれいに拡大縮小され、仕事で利用するのに必要な機能が用意されていたのです。SlackやGoogle(グーグル)のアプリも同様でした。

Phillip Tracy/Gizmodo

ただし、Android向けアプリはiOS向けほど最適化されていません。たとえばInstagramやRedditなどのSNSアプリは、ランドスケープ(水平)モードで動作しません(DeXモードでは回転しますが、スマートフォンサイズで表示されます)。Amazon(アマゾン)の「Prime Shopping」アプリは画像が拡大され低解像度になり、いくつかのアプリ(特にゲーム)は適切に拡大/縮小されません。

Androidタブレットのアプリ事情はiPadよりは悪いですが、決してひどいというわけではありません。私がダウンロードしたアプリのほとんどは、問題なく動作しました。NetflixやPrime Videoで動画をストリーミング再生し、ZillowやRealtor.comで新しいアパートを探し、メールやチャットアプリで仕事をすることもできます。「Galaxy Buds」のクイックペアやデバイス間のコピー&ペーストなど、サムスンの便利なアプリやGalaxyエコシステムも忘れてはいけません。

Phillip Tracy/Gizmodo

DeXはAndroidの欠点を隠すくらいの働きしかしませんが、大画面デバイス向けの次期OSこと「Android 12L」という希望があります。サムスンは米Gizmodoに対し、Android 12LをGalaxy Tab S8シリーズにリリースすると伝えているのです。同OSは現在ベータ版で今年初めに登場する予定となっており、iPadOSにおよばない機能のギャップを解消することが期待されています。

サムスンのGalaxy Tab S8+は買うべき?

Galaxy Tab S8+は「所有したいが、購入を正当化できない」カテゴリーに、まさに当てはまる製品です。個人的には、仕事に使えてすべてのアプリがサポートされている1000ドルのノートパソコンを購入すると思います。しかしGalaxy Tab S8+は超薄型でスペックも最先端、そして他のどの製品よりも美しいディスプレイを搭載しています。つまり、映画を見たりゲームをしたりするためのタブレットとしては、素晴らしい選択肢となるのです。またDeXを使えば仕事にも活用できますし、ある意味iPadよりも効率的です。

Phillip Tracy/Gizmodo

とはいえ、Galaxy Tab S8+の立ち位置は中途半端です。最高のメディア閲覧用タブレットを求める人はGalaxy Tab S8 Ultraが欲しいでしょうし、より手頃なモデルを探している人はベースモデル(Galaxy Tab S8)を検討すべきです。Galaxy Tab S8 Ultraが大きすぎる、または高すぎるといった場合にのみ、Galaxy Tab S8+を検討する価値があります。

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