インテルとクリエイターが新しい未来を作る。
昨今、コンピューターは人々のクリエイティビティを引き出すために欠かせない存在です。アート、仕事での活用など、僕らの表現をどんどん拡張してくれていますよね。
で、コンピューターの頭脳たるCPUを作っているメーカーといえば、ご存知インテル。このインテルが、クリエイターを支援するための新プロジェクト「インテル® Blue Carpet Project」をローンチさせました。
3月22日には、同プロジェクトのお披露目となるイベント「インテル® Blue Carpet Fes 2022 Spring」を、工学院大学から配信。オープニングのエキシビジョンに始まり、クリエイターを多方面から支援する「Blue Carpet Project」の全貌、インテルからPC機材や技術を提供してもらえるクリエイターコミュニティー「Blue Carpet Club」の概要とメンバー紹介、また学生やアマチュアのクリエイターに向けたイベントの開催が発表されました。
今回は「Blue Carpet Fes 2022 Spring」の様子をレポートとしてお届けします(アーカイブはこちら)。
クリエイターへのPC機材や技術の提供も。Blue Carpet Projectって何?

イベント冒頭では、インテル株式会社の鈴木国正社長が「Blue Carpet Project」の目的について語りました。
一言でいうと、クリエイターがインテルの支援を受けられるプロジェクト。昨今はコンテンツクリエイションに関する経済圏が世界中で急成長していますが、特に日本のコンテンツのユニークさは特筆すべき存在とインテルは感じているそう。
具体的にはクリエイターの要望に沿ってカスタムされたPC機材や技術の提供、クリエイターコミュニティーの形成、作品展示、そして学生作品を中心としたコンテンストの実施など、多方面からの支援が想定されています。
Blue Carpet Projectを通してインテルが実現したいことは、クリエイターを支援し、生み出される数々のコンテンツをより多くの人々に届けていくこと。創作活動とテクノロジーの関係がますます密接になっていく中、インテルのテクノロジーが介在することで、クリエイティブシーン全体の底上げを図っていきます。アツい想いですね!

イベントには東京藝術大学副学長/大学院映像研究科教授を務める岡本美津子先生も登壇。学生支援という側面も持ったプロジェクトの取り組みについて、以下のように語りました。
私個人としては芸術分野でのナショナルチームを育てているつもりです。若いころから世界のレベルに身を置き、世界と戦うというところを身につけさせていきたいと思ってます。
芸術の起こりは、貴族だったり、宮廷だったり、一定の庇護者の元で発展してきた過去があります。今の世の中では、企業の皆さんや社会の皆さんが芸術家をより育んでいく役割を担っていると思っています 。
気鋭のクリエイターが集う、Blue Carpet Club

Blue Carpet Clubは、インテルが提供するクリエイターのコミュニティ。ジャンルを問わずさまざまなクリエイターの活動を、技術的にも機材的にもバックアップします。ひとつでも多くのクリエイションが生まれること、そして日本の素晴らしいクリエイターと作品を積極的に国内外に発信していくのが目的です。
もうひとつの特徴は、トップクリエイターとアマチュア・学生クリエイターを繋ぐ機会も提供していく点。コンテンツ制作の最前線で活躍しているクリエイターが参加し、インテルを仲介としてアマチュアクリエイターとの接点を設けてくれます。これはなかなか貴重な体験なのでは?
本プロジェクト発表段階では、Blue Carpet Clubには以下のメンバーが抜擢されました。
・工藤美樹 ビジュアルテクノロジスト / レタッチャー
・ケイゴイノウエ 映像イラストレーター
・佐々木章介 映像ディレクター
・稲葉繁樹 THINK AND SENSE部プロデューサー 集英社XRプロデューサー
・松山周平 THINK AND SENSE部部長 プログラマー / ビジュアルアーティスト
・Toyotaka パフォーマー / 演出家
・西郡勲 映像作家
・稲葉秀樹 アニメーション作家 / ディレクター
・P.I.C.S. TECH エンターテイメント開発・プロデュース
いずれも、現役で活躍されているクリエイターばかり。イベントでは、松山周平さん、西郡勲さん、工藤美樹さんが登壇され、クリエイティブとテクノロジーの関係性について語られました。
中でも松山さんが語った「表現の拡張のさらに一つ上、創造性の拡張をテクノロジーの力で実現したい」という言葉が印象的でした。
より早く作れるとかより繊細にできるとか、ツールとしてのテクノロジーで表現を拡張することはあるんですけど、想像できなかったことが想像できるようになるとか、思いもよらなかったことができるようになるという、人間の創造性のアンプリファイアーとしてのテクノロジーがあると、表現のレベルを一つ上げてくれます。こういう立ち位置にテクノロジーが置かれている状況になるべきだと思っています。

さらに、クリエイターからのフィードバックや手法の紹介をもとに、インテルがソフトウェアの最適化もはかってくれるとのことです。まさに、現場からの声を組み上げるがごとし。
そして、インテルだけでなくその他の協賛企業も豪華ですよ。


PCメーカーやカメラメーカー、Vookなどのクリエイティブメディアも協賛し、Blue Carpet Projectを盛り上げてくれます。これだけのメーカーからサポートしてもらえるなんて、たまりませんねぇ。
3つの学生向けイベントがスタート
Blue Carpet Projectの主役は、すでに最前線で活躍されているクリエイターではなく、学生やアマチュアのクリエイターです。未知なるコンテンツの原石をインテルの力でサポートし広める、これこそが使命だからです。

そのための施策として、いくつかのイベントの実施が発表されました。ひとつは学生向けの作品発表会「インテル®Blue Carpet Studio」。このイベントはコンテストのように優劣を付けるものではなく、制作過程も含めて発表するのが特徴の発表会。「他の人がどう作ったか」を知ることは、大いに刺激となるはず。

他にも「Tokyo Projection Mapping Award 2022 Supported by Intel」や、工学院大学が主催する「壁FES」などのコンテストも同時並行でスタート。7月にはEIZOが主催するイラストコンテストも始まります。興味がある方は、それぞれの応募要項をチェック!
Blue Carpet Fes 2022 Springの開幕を告げる、動く壁

最後に、今回の配信イベント「Blue Carpet Fes 2022 Spring」のオープニング/エンディングエキシビジョンを手掛けた、Blue Carpet Clubメンバーの西郡勲さん(にしごおり いさお/映像作家)と弓削淑隆さん(ゆげ よしたか/P.I.C.S. TECH クリエイティブプロデューサー)にお話を伺いました。このエキシビジョンは工学院大学にある動く壁・キネティックウォール「THE WALL」を使った演出が見どころ。
動く壁とLEDとプロジェクションマッピングを備えた、ユニークな壁。工学院大学とP.I.C.S. TECHが2020年に制作しました。工学院大学の新宿キャンパス1階アトリウム内にあって、普段から見ることができます。にしてもすんごい壁だな…。

西郡勲さん
──エキシビジョンの演出は、どのような手法で表現されたのでしょうか?
西郡:演奏している鍵盤のMIDI信号(電子楽器などで用いられる音の情報の規格)を拾って、キネティックウォールに何ができるかを考えてみました。音と映像がうまくシンクロできれば面白そうだなと。今回は連弾(1台のピアノを2人で演奏すること)だったので手数も多くなるし、見た目も派手になったかなと思います。

──Blue Carpet Clubのメンバーとしてどんなことを実現していきたいですか?
西郡:まだ詳しくは言えないんですけど、人に新しい体験をもたらすような仕掛けを考えてます。最近は素晴らしいデジタルアートも増えてきたんですけど、そこに「学び」という要素を付け加えられないかなって。
僕がやろうとしていることに対してどれくらい予算やマシンパワーが必要になるのかわからないので、そこをBlue Carpet Clubの一員として動くことで、インテルさんの協力をもらえれば嬉しいですね。
あとは若い人たちと一緒に何かできるきっかけになればなと思ってます。
──今後インテルさんからどのようなサポートがあったら嬉しいですか?
西郡:やっぱり計算能力ですね。僕は個人で活動しているので大規模なPC環境も無いですし、そこのサポートを受けられると嬉しいですね。とはいえすべてをお願いする気はなくて、相談に乗ってくれるだけでもありがたいかなと。僕個人だけではできない部分が出てきたときは、サポートをお願いできればと思ってます。
弓削淑隆さん
──今後、インテルさんと共に実現していきたいことはありますか?
弓削:我々のクリエイションの中で、テクノロジーの力はとても重要です。テクノロジーはクリエイターの表現力や、創造力をさらに引き出すことができるし、一般の方であってもクリエイションしやすくなったのはテクノロジーのおかげだと思っています。人々が何かを表現したり、いろいろな事を生み出す可能性を拡張していくのに加え、プラットフォームをインテルさんと一緒に実現していきたいと考えています。

Source: Intel