NASAの次世代ロケットSLS、ロールアウトに向けて準備完了

  • author George Dvorsky - Gizmodo US
  • [原文]
  • たもり
  • Twitter
  • Facebook
  • LINE
  • はてな
  • クリップボードにコピー
  • ×
  • …
NASAの次世代ロケットSLS、ロールアウトに向けて準備完了
スペースシャトル組立棟(VAB)内のスペース・ローンチ・システム

いよいよ。

NASAは、次世代ロケットSLS(スペース・ローンチ・システム)を発射台へと輸送する、ロールアウトという作業を現地時間の今週木曜に行なうと発表しました。初の打ち上げ、そしてアルテミス計画の幕開けに向けてやっと前進しそうです。

NASAは先日行なわれた記者会見で、ようやく最終点検を終えSLSロケットが発射台に向かう準備がついに整ったと語っていました。NASAのアルテミス打ち上げディレクターCharlie Blackwell-Thompson氏は「非常に良い状態にあり、木曜の夜に進める準備ができている」と述べていたとUPIは報じています。さらに「(組立棟の)入口を横切るアルテミスの輸送機を見るのはとても素晴らしい光景になるはずですし、(SLSを)あの建物の外で見るのは初めてになります」ともコメントしていたそうです。

時間をたっぷりかける

SLSのロールアウトは東部標準時の3月17日午後5時(日本時間3月18日午前6時)に始める予定だと、会見に先立って発表されていました。宇宙船「オリオン」などを搭載した重量575万ポンド(約260万キロ)のSLSはNASAのスペースシャトル組立棟(VAB)を出発し、6~12時間かけて4マイル(約6.4キロメートル)離れたケネディ宇宙センターの39B発射台へと運搬されます。わずかな距離ですが、こんなに時間がかかるのはNASAの輸送機クローラー・トランスポーター2が時速1マイル(約1.6キロメートル)に満たない速度でゆっくりと運ぶためです。

ロケットが発射台に到着した後は、ウェット・ドレス・リハーサル(ロケットに推進剤を入れてカウントダウンを行い点火の直前でやめるという本番を想定したリハーサル)という重要な工程が待っています。ウェット・ドレスは現時点では4月3日に行なわれる予定。

SpaceNewsによれば、似たコンポーネントを使っていたスペースシャトルでは2.5時間かかった液体水素と液体酸素の推進剤を充填する作業が、SLSでは8時間以上かかるとNASAは想定しているそう。これには理由が2つあり、1つ目はBlackwell-Thompson氏はいわく「(SLSが)大きくて古いステージ」だからで、2つ目は上段にも燃料を積む必要があるからなんだとか。

アポロ以来のビッグミッション

ロケットはウェット・ドレス・リハーサルの完了後、燃料タンクを空にしてさらなるテストと調整のために組立棟に戻されます。SLSの初めての打ち上げとなるアルテミス1ミッションは、人類を再び月面に降り立たせるアルテミス計画の第一歩です。NASAはいまだにSLSの打ち上げ日程を発表していませんが、現地時間2月24日の会見では5月7日から21日までの打ち上げウィンドウについて触れていました。とは言え、アルテミス1の打ち上げは6月か7月になる可能性もあります。ウェット・ドレスが終えたら、NASAは打ち上げ日をアナウンスしやすい状況になるでしょう。記者会見でNASAの探査システム開発のTom Whitmeyer副次長補が述べていたように、SLSは「非常に複雑な輸送船で非常に複雑なマシン」ですからね。

打ち上げ時には4基のRS-25エンジンが、アポロ時代のサターンVロケットより15%多い880万ポンド(約4,000トン)の推力を発生させます。因みにNASAの発射台にこんなにも高さのあるロケットが乗るのは、アポロ17号ミッション以来になるそうです。

SLSは幾度となく延期されてきましたから、いよいよロールアウトに進むというニュースはうれしいかぎり。アルテミス1ミッションは無人の宇宙船「オリオン」が月面に着陸することなく、月から4万マイル(約6万5000キロメートル)の軌道を旅して地球へと帰ってきます。2024年5月に予定されているアルテミス2は、有人で最初のミッションを繰り返します。そして早ければ2025年に実現するアルテミス3では、2人のNASA宇宙飛行士(女性と男性)が月面に降り立つ予定。

どうか順調に進みますように!

Source: NASA, UPI, SpaceNews,