Grit X Proのバックカバーの中央に埋め込まれている10個のLEDライトが光学式心拍センサーです。3色使われていて、緑・赤・黄の光の異なる波長がそれぞれ異なる深度で皮膚下の血管のサイズを計測するので、より精度の高い心拍計測を可能にしているそうなんですね。
実際にGrit X Proを使ってみて、心拍数の変化に素早く反応すると感じました。たとえば、ジムで「ゾーンロック機能」を試した時のこと。特定の心拍数の閾値(この場合は140〜160bpm)を超えないようにトレッドミルで走ったんですが、ところどころ心拍数がスパイクしてる部分が見て取れますよね。これ、隣のトレッドミルにすごい速そうな人が乗ってきてドキドキした時、または時計を見上げて「時間が足りない!」と焦った時などの反応が顕著に現れているんです。
Grit X Proにはこの光学式心拍センサーのほかにもGPS、気圧式高度計と加速度センサーが備わっています。それらのセンサーが測定するデータは多岐に渡り、歩数・アクティブ時間・睡眠時間・消費カロリーなどベーシックなところはもちろんのこと、運動時に消費したカロリーのうち三大栄養素(PFC=タンパク質、脂肪、炭水化物)が占める割合いまで教えてくれます。
今回Grit X Proの機能で最も重宝したのが、毎日2~4種類のトレーニングオプションを提案してくれる「FitSpark」。有酸素トレーニング、筋力トレーニング、体幹トレーニングの3つの大まかなグループに分けられていて、トレーニングの内容はWHO(世界保健機関)が推奨する成人の一週間当たりの運動量をベースにしているそうです。体にどのぐらいの負荷をかければ生産的なのか?という匙加減は素人にとってなかなか難しいので、まさにパーソナルトレーナーにアドバイスをもらっているかんじ!
今回Grit X Proを使ってみて感じたのは、そのストイックさ。日々何かしらのトレーニングを積むことがまず前提としてあるんですよね。これは単なるフィットネストラッカーではなく、トラッキングしたデータを分析して、身体能力を向上させるアドバイスにつなげてくれるパーソナルトレーニングガジェットです。
ですから、目標を掲げて継続的に運動をしている人にとっては最強のツールだと思いました。目標が高ければ高いほど、トレーニング期間が長くなりますし、途中で怪我や不調に悩まされるリスクも大きいですよね。だからこそGrit X Proをうまく活用すれば、マンネリになりがちなトレーニングに新しい選択肢を与えてくれたり、トレーニングをしすぎないように体の状態をトレーニング中だけでなくトレーニング後にも継続して分析し、回復度を数値化してくれます。また、蓄積されたデータから自分の傾向と弱点(たとえば深夜の晩酌)を読み取って生活習慣の向上につなげられるのもいいなと思いました。
わたしは「遠くまで行ってみよう」とGrit X Proに促されるまま、初めてのトレイルランニングに挑戦したりと、かなりアクティブな6週間を過ごしました。そのうちに同じ距離を走っても平均心拍数がだんだん低くなってきて、キツく感じなくなってきました。
「Polar Flow」アプリからアクティビティをSNSに投稿すると、こんな感じに
Grit X Proは、自分の体力と時間を有効に使って、どれだけ生産的な毎日を過ごせるかを教えてくれます。7万3,700円という価格は決してお安くはないですが、もっと強い自分を目指して地道にトレーニングを積んでいきたい人にとって、Grit X Proは最強の相棒になると思います。