レナード彗星、虚空に砕け散る

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  • author George Dvorsky - Gizmodo US
  • [原文]
  • 山田ちとら
レナード彗星、虚空に砕け散る
Image: cafuego via Gizmodo US

さよなら、そしてありがとう。

ひときわ明るく、肉眼でも観測できるかも?と期待されていたレナード彗星(実際には望遠鏡が必要だった)が、今年に入ってからひっそりと消滅していたそうです。

2021年のもっとも明るい彗星

レナード彗星は8万年の周期で太陽を巡っていると考えられ、カタリナ・スカイサーベイに所属する天文学者のグレゴリー・レナードさんが2021年1月3日に発見しました。その1年後、2022年1月2日には近日点をマーク。しかしこの太陽への最接近が命取りとなったようで、その後2月下旬に崩壊してしまいました。

米メディアのEarthSky曰く、「現在太陽から離れつつあるレナード彗星は、明るさを失ったばかりでなく彗星の最重要素とも言える核とコマを失った」状態にあるそうです。

「C/2021 A1」の名でも知られるレナード彗星は、太陽までおよそ9200万kmの距離にまで近づきました。だいたい金星と水星の軌道の中間ぐらいですね。その際、レナード彗星は太陽の熱に溶かされ、核からガスや塵を放出して冒頭の写真のように純白の美しいダストテイルをたなびかせました。そして、残念ながらその後は崩壊の一途をたどったようです。

太陽に溶かされ宇宙に散る

科学者たちはNASAが運営しているSTEREO-A観測機と、NASAとESAが共同運営しているソーラー・オービターのふたつを使ってレナード彗星を観察してきました。彗星ってある意味"雪の結晶"みたいで、ふたつとして同じものはないそうです。ですから、彗星の動きを予測するのは大変難しいのだそうです。

グレゴリー・レナード氏が発見した時、レナード彗星はまだ木星の側を通過中でした。当時はレナード彗星が地球に近づくにつれて肉眼でも見られるかもしれないと期待されていたんですが、実際は望遠鏡や双眼鏡なしでは見られませんでした。そして、これはすべての彗星に関して言えることなんですが、太陽フライバイを行なう際に崩壊する可能性も指摘されていました。

実際、近日点に到達した頃からレナード彗星に異変が確認され始めました。3日から5日おきぐらいに明るさに変動が見られ、さらにダストテイルに構造的な変化が認められたことから、核が崩壊しつつある可能性が指摘されていました。そして2022年2月23日には、レナード彗星はもはや宇宙の闇に消え入りそうなか細い光の筋となってしまったことがチェコ科学アカデミーの天文学者、マーティン・マシェック氏によって確認されたのです。画像はこちら。おそらく、核が太陽の熱で溶かされたか、崩壊したか、そのどちらもだったと考えられています。

その輝きの大部分を失ってしまったものの、2021年に発見された彗星の中でもっとも明るかったレナード彗星は歴史上に名を残すことになりそうです。さよなら、そして暗いニュースばっっっかりの地球に明るい話題を提供してくれて、ありがとう。次に地球にやってくる彗星は、今度こそ肉眼でも見られるでしょうか。

Sourec: EarthSky

Reference: 天文学辞典

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