ある日を境に姿を消しちゃった最悪なNFT詐欺ワースト7(2022年2月版)

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ある日を境に姿を消しちゃった最悪なNFT詐欺ワースト7(2022年2月版)
日本人が見ると、なんで騙されるのか理解に苦しむものも…
Screenshot: Crypt Moonlight / YouTube

この記事ならもう読んだ…と思った皆さま、タイトル末尾をよーく見てください!

そうです、1月版じゃなくて2月版。大きな事案だけで1カ月の間にまた7件も起こってしまったんです! いや~この手のNFT絡みの詐欺事案、あまりにハイペースに起こるのでまとめてもまとめても追いつきません。

1月はNFTと暗号通貨の詐欺を合わせて被害額400万ドル(約4億6000万円)余りでしたが、2月は一挙にその2倍を上回る850万ドル(約9億8000万円)超えとなりました。ハッキングによる被害額は含まれていません。2月上旬には「NFT界のeBay」と呼ばれる大手マーケットプレイスのOpenSeaもフィッシング詐欺に遭って、ハッカーに170万ドル(2億円弱)も掠め取られましたが、そういったのはカウント外。徹頭徹尾の詐欺による被害だけでほぼ10億円です。

それにしても、こんな悲しいまとめはこれで最後にしたいですね。という願いを込めつつ、7枚のスライドショーで振り返ってみましょう!

※お急ぎの方は「一覧表示」をクリックしてね。

BNB 42 被害額$2,700,000(約3億1000万円)

20220301NFTscam_BNB42
Screenshot: Vimeo

「コインお買い上げの方にもれなく10日後100%の利益配分を保証」

こんなうまい話あるわけない。でも、約6,000人が食らいつき、被害は総額270万ドル(約3億1000万円)にも達しました(クリプト調査会社Peck Shield調べ)。Twitterアカウントは閉鎖。サイトも露と消え、GoDaddyがむなしく表示されるだけ。消える前のサイトはWayback Machineおよび購入手順の動画でご覧になれます。うまい話には裏があると思わなきゃ…。

Baby Musk Coin 被害額$2,000,000(約2億3000万円)

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ふざけ半分であればあるほど悪乗りするのがイーロン・マスクという彼の性格を逆手にとった詐欺
Screenshot: Wayback Machine

長者番付世界一のイーロン・マスクといえば、ビットコインやドッジコインを強力プッシュする世紀のマッチポンプ男ですが、こちらはイーロンとは一切無関係です。IPO(新規株式公開)ならぬICO(イニシャル・コイン・オファリング:新規暗号通貨公開)で先行投資をかき集めるタイプの詐欺ですね。

プレスリリースは今も米国版Yahooファイナンスに掲載されていて、Grant Liuという人物がCEOを務めていることになっていますが、どうせ架空の人物でしょうね。

サイトは消えてWayback Machineで確認できるだけとなっています。先月説明したように、風呂敷を広げるだけ広げて資金集めて、相手が乗ったら風呂敷を引っ張って畳む詐欺のことを、NFT業界で「ラグプル」とか「ラグ」と呼ぶんですけど、サイトのログを見ると、夜逃げする最後の最後の瞬間まで「unruggable(ラグプル不能)」とPRしていてなんだかなあ…。後ろめたさの裏返しなんでしょうか…。

プロジェクトのことはこんな風に解説していますよ。

イーロン・マスクに捧げるコイン。イーロンの気を引いてプロジェクト参加を促すのがBabyMuskコミュニティの主なゴールです。取引のたびにウォレットに自動的にBTCが追加されるスマートステーキングシステム実装。ウォレットでホールドするだけでBTCが増えていきます」

こんなの信じる方がどうかしてるぜ…と、消えた今なら言えるけど…。


Lana Rhoades NFTs 被害額$1,800,000(約2億円)

lana
Image: @lanarhoades via Instagram

アダルト映画界のスター、Lana RhoadesもNFTコレクション「CryptoSis」を立ち上げて失踪しました。

Web3 is Going Greatブログの試算では、持ち逃げ額はおよそ180万ドル(約2億円)。ポルノコレクションのイラストJPEGを買わされた人たちは泣き寝入りです。

Twitterアカウントも消えてしまいましたが、暗号通貨ニュースのDecryptが押さえた削除前のスクリーンショットを見ると、ユーチューバーに「ラグプル(詐欺)」と指摘されて、「違うよ。思ったほど値が伸びないだけで詐欺呼ばわりするなんてひどい」と怒りのツイートで応戦していたのですが、だんだん嫌気が差して「NFTとはもう一切関わり合いたくない」と降板。集まったお金は「開発チーム」のためにキープしたのがわかります。ありがちなパターン。

Jacked Ape Club 被害額$1,400,000(約1億6000万円)

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Screenshot: OpenSea

1月版ワーストNo.2 「Big Daddy Ape Club」 に続きまして、また来ました。NFTコレクション最大のヒット「Bored Ape Yacht Club(退屈した猿のヨットクラブ:BAYC)」に寄せた詐欺。2月は筋骨隆々なお猿のクラブです。

8,888NFT発売を約束したのに、3,200NFT売ったところで「完売」と嘘ついて残りのNFTをバーン(焼却)。集まった140万ドル(約1億6000万円)相当の暗号通貨を13のウォレットに分けて出金し、プロジェクトに残されたお金は530ドル(約6万円)ぽっきりとなりました。

Dylanという名を語る共同ファウンダーは詐欺じゃないと言い張ってますが、大金をキャッシュアウトした事実は認めています。みんな賃金として配ったんだそうですけど、その一方で「プロジェクトとはもう無関係」とも言っていて支離滅裂です。猿のクローンには要注意ですね。

Balloonsville 被害額$590,000(約6800万円)

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Screenshot: Twitter / NFT Evening

NFTプロジェクト「Balloonsville」の詐欺グループは、2月に少なくとも59万ドル(約6200万円)窃取しましたが、これが初犯ではありません。

Web3 Is Going Just Greatブログが目ざとく気づいたように、先月ワーストNo.7にランクインしたDoodled Dragonsと一緒。あれで3万ドル(約345万円)窃取した詐欺グループが、味をしめて2度目の犯行に及んだ模様です。

暗号通貨ニュースサイトのNFT Eveningが、Twitterアカウントのスクリーンショットを念のため保管していたのですが(もはやNFT記者の日常業務)、だんだん大胆になって、「みんな本当にどんな話でもコロッと信じちゃうんだなあ」と勝ち誇ったように語る一幕も。本当かどうかは確かめようがないのですが、プロの役者を雇って演技させたりもしたそうですよ?

Atom Protocol 被害額不明

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「契約内容に問題/誤りがあり、どうすることもできません。本プロジェクトはこれにてクローズとさせていただきます」
Screenshot: Twitter / The Cryptic Wolf (Fair Use)

Atom Protocolは上記ツイートを最後にTwitterアカウントごと失踪し、クリプトコミュニティに激震が走りました。

それもそのはずで、Atom ProtocolはNFTの信頼性向上を目指すKYC(Know Your Customer)認証取得済みプロジェクト。KYC認証の信頼が地に堕ちた格好です。

持ち逃げした金額は不明ですが、被害を叫ぶ声はSNSに溢れ返っているので、それなりにまとまった金額になりそう。「認証」というお墨付きがあっても油断大敵ですね。

Tekika NFT 被害額不明

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日本アニメのメタバース展開で釣る詐欺まで登場
Screenshot: Magic Eden / Tekika NFTs

昨年12月、Magic Edenというマーケットプレイスで誕生後にカラフルなビジュアルで大勢のアニメファンの注目を集めたTekika NFTも長続きしなかったですね…。日本人なら「滴下」という名前でなんか不自然だぞ!?と感じたかもしれないけれど。

公式Twitterアカウントが忽然と消えて、被害者はDiscordで阿鼻叫喚。大枚つぎ込んだ投資家は自分たちの力でTekikaを復活させようと奔走中(またまたNFT詐欺ではよく見られる光景)。詐欺とわかったプロジェクトに今さら外部から手を差し伸べる人はそんなに多くはなさそうです。

Tekikaのラグプルも被害額ははっきりしませんが、SNSには恨み節が溢れ返っていますよ。


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