南極と北極の両方で記録的な高温を観測

  • author Angely Mercado - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岩田リョウコ
南極と北極の両方で記録的な高温を観測
Photo: Shutterstock

地球よ、大丈夫か!?

先週、南極と北極が同時に最高気温を記録しました。科学者一同、ちょっとこれは心配...という状況になっています。

南極大陸にあるコンコルディア基地基地では摂氏マイナス11度を記録。マイナスだとはいえ、南極ではこれはかなり暑め。例年より40度も上がってマイナス11度なのです。対する北極も例年よりも30度も高い3.9度の最高気温に。これは氷が溶けてしまう気温です。

いつもは寒くなる時期なのに気温が上がる南極

特に南極は夏至が終わった後は陽が短くなります。毎年この時期は南極の気温は上がるのではなく下がるのが普通。寒くなっていく時期なのに40度も気温が上がってしまうのは、明らかに「異常」な気候状態なのです。

しかしながら、これだけ気温が上がってしまうのは気候変動のせい「だけ」とは決めつけられないとコロラド州立大学の気候科学者のZachary Labe氏は「南極・北極の気候現象は、湿気と熱が大気流に乗って両大陸に流れ込んでいます。これは至って普通のことです。しかし今回はそれが異常なほどで、しかも同じ時に起こっています。真逆の場所にあるので偶然なのかもしれませんが」と語っています。

ワシントンポスト紙は、衛星画像を見て「南極が熱波に襲われていた間は雨と雪が確認できる。それが大気の川となり、暖かい湿気を南極に送り込んだのではないか」と報じています。雨と雪から送り込まれた湿気は高気圧で南極に閉じ込められ少し長めに停滞してしまったとのこと。Labe氏によると、北極でも同じような現象が起こったのではないかということです。

また、南極・北極それぞれ違った特徴があるため、違う気候変動が関連づけられるともお話しされています。北極は陸に囲まれた海原。岩の地面はなく、溶けない巨大な氷が陸地のように広がっている状態です。なので研究者にとって北極の地上で気候変動を起こしている原因を特定しやすいのです。しかし、南極は海に囲まれた大陸が氷に覆われた状態

なのでそれぞれ異なる天候があり、気候変動を起こしている原因がさまざまなのです。というわけで南極はピンポイントで氷がなぜ溶けているのかを探ったり、天候が変わった理由を特定するのが簡単ではないそうです。

「北極ではこのような状況は比較的よく起きます。これによって北極の生態系や氷に影響が出ると強く予想されます。でも熱波が北極にやってくるのを冬に見るというのは、気候科学者としては衝撃的なことですね」とLebe氏。これを聞くと、やっぱり少しずつ地球が壊れていっていることがわかります。おそらく環境・気候系の科学者たちにとっては世紀末のような感覚なのではないかと。人類全体が何か行動を起こさないことには、止まらなそうです。

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