カクテルを味わいながら“宇宙の入り口”を漂う気球ツアー、高級志向な内装デザインを公開

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  • author George Dvorsky - Gizmodo US
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カクテルを味わいながら“宇宙の入り口”を漂う気球ツアー、高級志向な内装デザインを公開
キャビンのインテリアのコンセプトアート
Image: Space Perspective

厳密には宇宙旅行と言えないものの、限りなくそれに近い体験を提供するSpace Perspective社が、巨大な気球で乗客を“宇宙の入り口”にあたる成層圏へと運ぶカプセル「Spaceship Neptune(スペースシップ・ネプチューン)」の内装デザインを公開しました。

運航開始は2024年末以降の予定ですが、1席あたりの価格が12万5000ドル(約1590万円)というスペースシップ・ネプチューンのコンセプトアートからは、ラグジュアリーな空間であることがうかがえます。

上空へと昇っていく

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大きな窓とくつろげそうなインテリアのスペースシップ・ネプチューン
Image: Space Perspective


空調が調整され与圧されたキャビンは、バルーンに持ち上げられて成層圏に上昇します。高度10万フィート(約30km)に達すると、乗客は360度の展望から地球の丸みや宇宙の暗闇を眺められます。全方向に450マイル(約724km)も見渡すことも可能。ちなみにジェット旅客機が飛行する高度は7.9マイル(約12.7km)です。

ほぼ“宇宙”

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バーキャビネットを完備
Image: Space Perspective

ただ実際に宇宙空間に滞在できるのかというと、それは違います。国際的に宇宙空間の境界線として認識されているカーマンライン(カルマン線)は海抜高度62マイル(約100km)で、スペースシップ・ネプチューンと称するカプセルでは到達できない高度です。というわけで、大枚を叩いても宇宙空間には向かいませんが、絶景を肴にカクテルを味わえはします。

ある意味、お得かも

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Spaceship Neptuneの外観のコンセプトアート
Image: Space Perspective

それでもツアーは素晴らしい体験になると謳っていますし、費用は正真正銘の宇宙旅行の何分かの一です。Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)の短時間の準軌道旅行の価格は45万ドル(約5700万円)、Axiom Space(アクシアム・スペース)の国際宇宙ステーション(ISS)滞在を加えたフライトは5500万ドル(約70億円)ですからね。

共有される体験

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カプセルには深く腰掛けられるリクライニングチェア、インタラクティブなスクリーン、調整できるムードライトが備わる模様
Image: Space Perspective

インテリアデザインにおいてSpace Perspective社は「他の宇宙船に見られるような白くて実用的な環境」とは真逆の、洗練されていてダイナミックなスタイルを目指したと、同社の設立者で共同CEO・最高体験責任者のJane Poynter氏はプレスリリースにコメントを寄せていました。そして環境に優しくあるため、インテリアはサステナブルでリサイクルされた素材から作る予定です。

開放的でくつろげる空間

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船内を自由に歩けます
Image: Space Perspective


Space Perspective社は最近、ホスピタリティとエンタメ分野の起業家David Grutman氏をエクスペリエンス・キュレーターとして雇用しました。Grutman氏は、フロリダ州にあるケネディ宇宙センターでの離陸から大西洋への着水まで6時間の体験についてアドバイスするそうです。

他に類を見ない眺め

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高度10万フィート(30km)から見下ろすフロリダ沿岸と大西洋は素晴らしいこと間違いなし
Image: Space Perspective

スペースシップ・ネプチューンのキャビンには、深く腰掛けられるリクライニングシート、フルサービスのバー、Wi-Fi、そして写真撮影に適した非光沢の大きな展望窓が備わります。大きな窓はバスルームにもあるため、席を外しても景色を見逃すことはありません。平均巡航速度は時速12マイル(19km/h)と、穏やかでゆったりできる体験になりそう。定員は乗客8名とパイロット1名。

記憶に残る光景

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旅の所要時間はおよそ6時間
Image: Space Perspective

シートはプライベートな1対1へと座席の向きを変えることも可能で、中心部には開けたスペース、フロアライトも設けられています。そしてプレスリリースいわく、乗客が「スペースラウンジ内を苦もなく動き回りながらも宇宙で目にする夜明け、地球そして上空の星々といった記憶に残る光景に没頭」できるような薄暗い赤色のLEDを含むカスタムできるムード照明も設置されるとか。頭上には飛行中の重要な情報を伝える“ドーナツ型”のスクロール表示のディスプレイ、そして地球や宇宙を覗くための望遠鏡もあります。

今のところは完売

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座席の位置は1対1になるよう変えられます
Image: Space Perspective

Space Perspectiveはこれまでに600枚のチケットを販売しており、サービスの1年目は既に予約でいっぱいです(ちなみに同社はアメリカ連邦航空局からフライトの承認を得ています)。同社は2025年以降の予約を受け付けていますが、払い戻し可能な1,000ドルのデポジットが必要になります。貸し切りで予約することも可能だとか。

ライバル企業のWorld View社も似たようなツアーを、もっとお手頃とはいえ、それでも高額な1席5万ドル(約636万円)で計画しています。果たしてこういったサービスが今後、軌道に乗って長期的な関心を集めていけるのかは、そのうち明らかになるでしょう。

Source: BBC, Fortune