織物は環境とのインターフェース。ZOZO NEXTが手がけるハイテク西陣織にワクワク!

  • author 山田ちとら
織物は環境とのインターフェース。ZOZO NEXTが手がけるハイテク西陣織にワクワク!
GIF: ZOZO NEXT

伝統技法と先端テクノロジーが織りなす未来。

SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)」といえば、クリエイターや企業が世界中から集まって音楽・映画・テクノロジーを謳歌するアメリカのメガイベント。そのSXSWに今年初出展を果たしたのがZOZO NEXTです。

おなじみZOZOスーツをはじめ、バーチャルファッションコンセプトムービーなど様々な展示内容があった中で、ひときわ注目されたのはスマートテキスタイルでした。

※「テキスタイル」は布、織物、生地などを指す

周囲の温度によって色が変わる西陣織

Image: ZOZO NEXT

ZOZOがテキスタイル開発に挑んだのは今回が初めてだったそうです。300年以上の歴史を持つ京都の西陣織と、東京大学と共同で開発したインタラクション技術を組み合わせて、今までになかった「機能性と美を両立する新規テキスタイル」を生み出しました。

Image: ZOZO NEXT

こちらの「Wave of Warmth」という織物には、周りの温度が25度以上になると青色に変化するロイコ色素が緯糸に織り込まれています。もともとは黒一色の織物なのですが、温まった部分だけロイコ色素が反応して青色に変わると、水面を思わせる美しい波紋が浮かび上がります。

糸の中を染料が移動する織物

Image: ZOZO NEXT

こちらはどことなく植物を感じさせる「Drifting Colors」という作品。それもそのはず、植物学者のミハイル・ツヴェットが発明したクロマトグラフィーという技法を応用しているのだそうです。

Image: ZOZO NEXT

緯糸に特殊なチューブを織り込み、毛管力を利用することで、染色と退色を繰り返し行なえるという画期的な仕組みになっています。色水に浸すとまるで植物が水を吸い込むように染色されていき、逆に無色の水に浸すと色が抜けていきます。

Image: ZOZO NEXT

従来の西陣織は先染めした糸で織られているので、一度織ったら当然のことながら色やデザインを変えることはできません。けれども「Drifting Colors」なら織物の状態で思うままに染色・退色できるので、着る人の個性を表現できそうですし、SWSXの来場者からは「エコな作品ですね!」とのコメントも多く寄せられたそうです。

電圧をかけると発光する西陣織

Image: ZOZO NEXT

そしてもうひとつ、「Woven Glow」は紐状の有機ELが織り込まれた西陣織。電圧をかけると有機物が自発光し、また発光の仕方はコンピューター制御により設計できるのだそうです。あなたならどんなパターンを光らせて、どんな使い方をしたい?

織物は環境とのインターフェース

Image: ZOZO NEXT

テキスタイルって、あらためて考えてみると変化自在です。

1Dの糸が織られて2Dの布になり、さらに仕立てられて3Dの衣類にもなる。人の皮膚、顔、プライバシーなどを「守る」「覆う」性質を持ちつつも、人が暮らす空間においては「隔てる」「境界線を引く」役割も果たしているーー。

ZOZO NEXTは、このようなテキスタイルの持つ複雑性を可視化しています。そして、テキスタイルの機能面のみならず意匠面にも目を向け、素材・織りの技法・表現などを多角的に連関し、発展させていくことで、スマートテキスタイルのさらなる普及を目指しているそうです。

今回SWSXで展示されたプロトタイプには、未来の使い方についてあれこれ妄想させられました。たとえば「Wave of Warmth」の色が変わるのが25度以上ということは、もしもこの織物で仕立てた衣類を身につけたら、肌に温められた部分だけが青く浮かび上がるのでしょうか?

はたまた、床の温度をマッピングする敷物として活用できたりも?

さらにさらに、その敷物の上に恋人が座っていたとして、その人が帰ってしまった後もなお体の輪郭が残っていたりしたらエモいなあ……なんて。

今までただの布であったものがスマート化されることで、情報をもたらしたり、心理的な変化をもたらしたりする時代がもうすぐ来るのかもしれませんね。昔から脈々と受け継がれてきた伝統技法と、未来を拓く最先端テクノロジーと。このふたつが合わさった「今」こそが、その未来への入り口です。

Reference: ZOZO NEXT
Images: ZOZO NEXT

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