あなたに合った宇宙旅行の選び方

  • author George Dvorsky - Gizmodo US
  • [原文]
  • たもり
あなたに合った宇宙旅行の選び方
Image: Inspiration4|SpaceXの「Inspiration4」ミッションのイラスト

お金さえあれば…!

民間人でも宇宙に行ける時代になりましたが、一口に「宇宙旅行」と言っても国際宇宙ステーションに滞在するものや3日間地球を周回する旅、成層圏で宇宙気分を味わう気球のフライトなど各社が提供するプランは多岐にわたります。そこで米Gizmodoは有名どころ宇宙旅行プランの値段や安全性、評判の高さ、スリル度、シャッターチャンスといった点を検討して、タイプ別にまとめました。あなたにピッタリの宇宙旅行プランはありそうですか?

時間に追われているけど宇宙には行ってみたい派

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2021年10月13日に宇宙飛行した、ウィリアム・シャトナーとBlue Origin「NS-19」のクルー
Photo: Blue Origin

分かりますよ、時間を無駄にするのは嫌ですよね。それに思い立っての週末旅行が最高のバケーションになったりするものです。幸いにもAmazon(アマゾン)とBlue Origin(ブルー・オリジン)社の創業者ジェフ・ベゾスなら、素晴らしい体験を切望するせっかちな宇宙観光旅行者向けの解決策を持っています。

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飛び立つNew Shepardロケット
Photo: Blue Origin

つまりBlue OriginのNew Shepard (ニュー・シェパード) ロケットでカーマンラインを越える弾丸フライトです。旅行はたった10分間で、貴重な無重力遊泳を体験できます。宇宙船がパラシュートを展開して西テキサスの砂漠に着陸したら、さっさと降りて元の生活に戻れますよ。搭乗価格に関してですが、Blue Originはこういう事柄については口を固く閉ざす傾向にあるので、実際のところは分かりません。とは言え、2021年6月のオークションでNew Shepardのチケットが2800万ドル(約36億円)で競り落とされたことは、判断材料のひとつになりそう。

スリルを追い求めたい

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Crew Dragon「Resilience」に搭乗したInspiration4クルー
Image: Inspiration4

極限の宇宙観光体験を求めるタイプで桁外れに裕福なら、SpaceXに連絡してみるのはどうでしょう? 5000万ドル(約64億円)という価格で、Crew Dragon(クルー・ドラゴン)に乗って高度364マイル(585km)へと飛び立てます。国際宇宙ステーション(ISS)、さらにはハッブル宇宙望遠鏡よりも空高く、2021年9月に打ち上げられたSpaceXのInspiration4(インスピレーション4)ミッションが到達した高度になります。

それほど離れていれば、Crew Dragon「Resilience(レジリエンス)」の展望用ドーム「キューポラ」から眺める地球の光景は、なおのこと圧巻なはず。この3日間に及ぶバケーションは、大西洋に着水して終了します。トイレの故障について心配な人もいるかもしれませんが、SpaceXは修理済みだと主張しています。

値段に見合った価値のあるプラン

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2021年7月11日の宇宙への旅の最中、無重力状態を体験するリチャード・ブランソン卿
Photo: Virgin Galactic

Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)のおかげで、億万長者じゃなくても億万長者のようにバケーションを楽しめちゃいます。リチャード・ブランソン卿の宇宙旅客機に搭乗してのサブオービタル飛行は1席あたり45万ドル(約5750万円)で、ロケットの打ち上げ時の激しい揺れを我慢する必要もありません。

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飛行中のVSS Unity
Photo: Virgin Galactic

SpaceShipTwo(スペースシップツー)が実際に飛ぶのは高度53マイル(約86km)、その高度を“宇宙”だと言うもいます。このサブオービタル飛行では束の間の無重力体験を提供し、地上の滑走路へとスムーズに着陸します。全体でかかる時間は90分ほど。ひとつ注意点を挙げるなら、Virgin Galactic社のパイロットは警告灯を無視し、連邦的に定められた空域外を飛行することで知られています。ですからこのプランにはスリルを求める要素もあるってことです。

研究熱心なナード向け

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ISSでリサーチを行うAxiom Spaceの「Ax-1」のミッション・スペシャリスト Eytan Stibbe氏
Photo: Axiom Space

偉大なる宇宙にいても目的もなくカプセル内を遊泳するだけでは早々に飽きてしまうし、展望用ドームから外を眺めて嘆声を発するのはあまりに単調。ワーカホリックな人には精神的な刺激と目的意識が常に必要ですから、Axiom Space(アクシアム・スペース)社によるISSへの旅行がピッタリな選択肢となるのです。

5500万ドル(約70億円)という値段で、微重力が心臓の健康にもたらす影響を研究するためのテストなどさまざまな科学実験を実施しながら、国際宇宙ステーションで丸々1週間過ごせます。低軌道で遊泳している間に脳がどれだけ縮んだのかを知るために変わった形状の脳波(EEG)対応宇宙ヘルメットをかぶることだって可能。実際、変化は生じますからね。

お財布に優しいプラン

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Space Perspective社の成層圏を飛ぶ気球のコンセプト・アート
Image: Space Perspective

捻出できるのが数百万~千数百万円であれば、宇宙の“入り口”に向かう気球ツアーはどうでしょう? “入り口”と言っても、宇宙との境界線と定義される高度の3分の1ほどの高さで、気球は実際に宇宙空間に行けるわけでありません。しかし空高く上昇でき、高度10万フィート(約30km)に達します。遥か上空からは、宇宙空間の暗さや地球の丸みがはっきりと見えるでしょう。

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Space Perspective社のキャビンの内装デザインのコンセプト・アート
Image: Space Perspective

Space Perspective社とWorld View社の2つのスタートアップが実際に宇宙に行く旅行の何分かの一の価格で、成層圏への気球の旅を提供しています。Space Perspective社による6時間の旅の価格は12万5000ドル(約1590万円)で2024年に就航予定。一方World View社は似たようなツアーを5万ドル(約636万円)で提供するつもりです。Space Perspective社は最近、フルサービスのバー、バケットシート、ムード照明などを備えた「Spaceship Neptune(スペースシップ・ネプチューン)」の内装デザインを公開したばかりです。

とっておきの特別な機会のために

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Northrop Grumman(ノースロップ・グラマン)宇宙ステーション
Image: Northrop Grumman

先見の明があって、さらに言うと現時点で宇宙旅行プランはどれもピンと来なくて将来的に選択肢は増えると確信している人は、いっそのことしばらく待つスタンスを貫くのもありかと。10年ぐらい待てるのであれば、完璧なアイデア、宇宙ホテルが登場しますよ。

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Axiomステーションのコンセプト・アート
Image: Axiom Space

Axiom Space社は世界初の民間宇宙ステーションの建設を計画しており、2020年代後半には商業的な利益のために使えるようにしたいそう。よい判断ですが、2030年代初頭には別の選択肢も登場し始めるかもしれません。NASAも米国の3企業、Blue Origin、NanoracksとNorthrop Grummanに民間の宇宙ステーションのコンセプトを開発するよう発注したからです。宇宙ホテルのオープンに向けて、辛抱強く待ちつつ数千万ドルの貯金に励みますか。

もう、すべてウンザリってときには…

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未来の火星の都市のコンセプト・アート
Image: SpaceX

もはや地球に満足できないようであれば、火星のほうが合うかもしれません。イーロン・マスクは2050年代までに数百万人を火星に移住させたいと考えています。あなたの新しい人生は、赤い惑星への6カ月の旅と共に幕を開けるのです。放射線量の高い地表に家屋を設置して、食物と水をつくることが新たな趣味となるでしょう。通常よりも弱い重力による筋肉や骨への悪影響を食い止めるには、ストイックな運動習慣が役立ちます。

Source: Blue Origin, Spaceflight Now, CNN, NewYorker, The Washington Post, brain.space, NASA,

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