気候変動のせいで睡眠時間がぐんと下がっている

  • author Lauren Leffer - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岩田リョウコ
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気候変動のせいで睡眠時間がぐんと下がっている
Image: Shutterstock
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ここ最近、夜中に目が覚めて「どうしてだろう?」と思っている人がいたら、それもしかしたら気候変動のせいかもしれないよという研究結果が発表されました。地球温暖化などの気候変動の影響で睡眠不足が起こっているということなんですが、世界中どこでも一定にではなくて、貧困国ではその影響が特に顕著なんだそう。

夜中に気温が高いと睡眠時間が減少

研究チームは2015年から2017年の間Apple Watchなどのリストバンド式睡眠トラッカーから得た睡眠データ気候データを解析。夜中の気温が高い場合、寝るのが遅くなり早く起きてしまうことがわかりました。気温が30度以上の場合、睡眠時間は平均で14分減少。25度以上の場合は7時間以下の睡眠時間になってしまう確率が気温10度の時と比べると3.5%アップしていたそうです。

気候と睡眠のデータを分析していくと、2010年時点で気候変動が原因で平均で44時間の睡眠時間が削られていて、年間で11日不眠の日を経験していることがわかりました。21世紀前半ですでにこれだけ睡眠時間が低下しているということは21世紀末までにこのままもっと温暖化が進み約58時間睡眠時間が減り、不眠は14日となると予想されています。以前は睡眠時間やよく寝られたかどうかは自己申告によるデータ収集だったものの、近年は睡眠トラッキングデバイスの普及でしっかりとしたデータのもと解析ができるようになりました。今回の論文の2015年から2017年のデータは68ヵ国4万7,628人の睡眠記録から分析されたものです。

暑いと睡眠の質も下がる

さらに詳しい分析では、気温の面では暑い時に1番よく寝られなくなり、女性のほうが男性よりも睡眠低下が起こっていることもわかりました。65歳以上の人は1度気温が上がるごとに65歳以下の人よりも2倍も睡眠時間が低下。温暖な国で気温が上がる場合は1度上がるごとにさらに睡眠時間が低下し、貧困国に住む人々は暑い日の睡眠低下を最大に受けていることが判明。そして低中所得国は高所得国に比べて3倍も睡眠低下があることもわかりました。

過去の研究では人間は気温の高さに慣れることができるとされていましたが、最新の研究では1年を通して睡眠低下のパターンが変わるという証拠は見つからなかったため、暑さに慣れて睡眠がよくなるということはなさそうだと結論付けています。そして十分な睡眠が取れない場合、気分の落ち込みから熱中症までさまざまな精神的・身体的な問題が起こります。気候変動で睡眠時間が低下することは結果的に人間の健康にも影響を大きく及ぼすのです。数分の低下はたいしたことないように思えますが、累積すると悪影響が出てくるのです。

さらに言うと、今回のデータはスマートウォッチで計測した睡眠データから分析されたものなので、スマートウォッチを持っている人が対象となっています。低中所得国や貧困国のデータも同じようにスマートウォッチからのものです。ということは、貧困・低中所得国でスマートウォッチを持っている人の睡眠記録なので、おそらく収入の高い人たちですよね。なので、クーラーのある家に住んでいる人も多いと予想されます。なので、実際はもっともっと睡眠時間は低くなっている可能性は大いにあるということです。

研究論文の最後に研究チームは進んでいく気候変動によって上がる気温に対して人が順応していく方法を探っていきたいと書かれています。