気候変動によってコロラド川が水位低下。米西部を支える水源が危機的状況に

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  • author Angely Mercado - Earther Gizmodo US
  • [原文]
  • Kenji P. Miyajima
気候変動によってコロラド川が水位低下。米西部を支える水源が危機的状況に
Image: Amanda Mohler / Shutterstock

あの雄大なコロラド川が、「アメリカで最も危機に瀕している河川」のトップにランクされています。

4000万人の水がめがピンチ

米環境団体American Riversの年次報告書によると、カリフォルニア州ロサンゼルスやコロラド州デンバー、ユタ州ソルトレイクシティなど米西部の大都市を支えているコロラド川が、気候変動が寄与する干ばつや水質汚染、過剰取水などが原因で危機的な状況に追い込まれているそうです。4000万人以上に飲料水を供給し、米西部全体で数十万人の雇用と260億ドル(約3兆3000億円)の観光収入をもたらしているコロラド川が危機に…。

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Image: American Rivers

この報告書に記載された地図を見ると、危機に瀕している10大河川の影響は、20州(水色部分)に及んでいます。気候変動による気温上昇と干ばつに加えて、旧態依然とした河川管理や限られた水資源の再分配によって、これらの河川は危機的状況に陥っているそうです。報告書は「十分な水量を誇り安定したコロラド川に頼るしかないのに、失敗は許されない」と指摘しています。

コロラド川は、歴史的な干ばつによって過去最悪レベルまで水位が低下し、地域住民数百万人の飲料水確保が厳しくなりつつあるパウエル湖ミード湖に流れ込んでいます。また、いくつもの「近代的な水道インフラ」を利用できない先住民族がコロラド川に依存しており、公衆衛生問題が懸念されています。危機に瀕している場合ではないんです。

弱者に配慮した治水システムが必須

また、報告書はコロラド川以外の河川も、産業による過剰取水や水質汚染の危機に晒されていることを指摘しています。スネーク川(上の地図で2にあたります)は、ダムの影響で流域の生態系が大きく変化し、もはや健全なサケの個体数を保てなくなっているそうです。サケを栄養補給源にしている先住民にとっては死活問題です。

American Riversは今回の報告書と並行して、より暑くて干ばつが頻繁に起こる世界で市民や産業を守るために必要な河川の利用および管理方策のリストもまとめています。そのなかで気候変動や危機的状況にある河川に依存する弱者のことが考慮されていない現在の治水システムの改善が挙げられています。主な改善策には、河川を魚道として利用可能にすることや、周辺地域の灌漑システムを改良することなどが含まれています。

先住民が「水は命」と言うように、豊かで健康な水は人間だけじゃなく、生態系や農作物などすべての命の源になっています。世界は中東の肥沃な三日月地帯、東アフリカのアフリカの角、米西部などで続く干ばつをもっと深刻に受け止めて、治水対策を急ぐ必要がありますね。

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