2022年の食品業界に影響を与えるテクノロジー6選

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2022年の食品業界に影響を与えるテクノロジー6選
Screenshot: Miso Robotics

パンデミックを経て、人々の衛生意識はガラリと変わりました。特に飲食店では非接触サービスか否かを気にするようになった人も多いのではないでしょうか。

世界中の外食産業と食品メーカーはパンデミックから学んだ教訓を取り入れていて、多くの場合、テクノロジーをより恒久的なソリューションに適応させています。パンデミック以前からセルフレジ、ネット注文やQRコードは存在していましたが、必要に迫られてもっと多くのダイナーに導入されるようになりました。

Eコマース全般と同じように、パンデミックは食品業界におけるテクノロジー融合という既に高まりつつあった傾向を加速させました。現在、幸か不幸か世界の大部分では規制が緩和されつつあって、実業家やスタートアップ企業はコロナ禍に定着したそれらの習慣がどの程度残るのか見極めようとしているところ。今後の食品サービス業に定着するかもしれない6つのテクノロジーを見てみましょう。

厨房用ロボティクス

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Screenshot: Miso Robotics

SF映画やジェームズ・キャメロン監督は人間を追うロボットを描きましたが、2022年に登場したのはハンバーガーのパテをひっくり返すロボットです。具体的に言うと、カリフォルニア州を拠点とするMiso Robotics社の「Flippy」は、1日あたり300個のハンバーガーを調理できるという調理ロボで、コロナ禍に大評判となりました。ファストフードチェーンWhite Castleは、今年中に改良版の「Flippy 2」を100店舗に追加するつもりだと既に発表しています。ハンバーガーチェーンJack in the BoxもFlippy 2のトライアルを始めると発表したばかり。Miso社のロボはハンバーガー以外も調理可能です。メキシコ料理チェーンのChipotleはトルティーヤチップス調理専用のMiso社ロボ、その名も「Chippy」をテストしていると語っていました。

ブッチャーロボ

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Image: Shutterstock.com

食肉加工の大手Tyson(タイソン)社は、食肉から骨を取り除き解体する自律型の食肉加工ロボに大きく賭けていると報じられています。Wall Street Journalの報道によると、同社は2017年から2020年にかけてテクノロジーと自律化に5億ドル(約650億円)以上を費やし、その一部は自律型の除骨システムに使われたとか。Tyson社や同業他社はこういった自律システムを活用して、ゆくゆくは食肉加工業絡みの労災を減らすことを望んでいると報じられています。Journalに書かれていたように、工場は従業員が密集して新型コロナ感染の温床になっていたことから、パンデミックが食肉加工ロボの促進剤として機能したのです。

顔認識という名の警備員

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Image: Shutterstock.com

顔認識は、人種バイアスの歴史と当てにならない精度で、これまでに多くの問題を引き起こしてきました。だからといって、食料品店やバーが利用客の年齢予想にこの技術を使わないようになるわけではありません。年齢確認の分野のトップ企業であるYoti(ヨティ)は、英国内のスーパーマーケットチェーンで既に同社の技術を検証中だと報じられています。また米国では、酒類やタバコ、電子タバコを購入しようとする客の年齢を確認するため、バーやレストランに顔認識や指紋スキャンの使用を許す法案をニューヨーク州議会が可決させようとしていると報じられています。

進化したレストランアプリ

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Image: Tada Images / Shutterstock.com

パンデミックがもたらしたネット注文の急増によって、自社アプリを開発&強化するレストランが増えました。Chipotle、Shake Shack、Dominoといった飲食店のアプリでは、料理の調理段階や自宅への配達状況をユーザーが追跡できるようになりました(そしてその過程でたくさんのデータが収集されます)。 またレストラン側では、Taco Bellのようなファストフードチェーンの多くが、ピックアップに向けて注文を準備しておけるよう店舗や配達員の把握に位置情報データを使っているとRestaurant Diveは書いています。

セルフサービス方式

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Image: Sorbis / Shutterstock.com

セルフレジシステムは多くの食料品店やマクドナルドのようなファストフードチェーンで何年も前から使われてきましたが、コロナ禍とアメリカの労働市場の厳しさから、今年はさらに広い範囲で採用されることになりそうです。このようなセルフレジシステムの出荷額は、2020年に20%増加したとコンサル会社RBR(Retail Banking Research)がWall Street Journalに伝えていました。アメリカ合衆国労働省労働統計局によると、米国は2030年までに人間のレジ係が10%減ると見られていて、セルフレジや他の自動システムがさらに重要な役割を担うと予想されています。

QRコード

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Image: Shutterstock.com

ここで挙げているテクノロジーの中ではどちらかというと地味なイノベーションですが、近年の接客用外食ツールの中で最も直接的、かつ長く続きそうな影響をもたらしたのがQRコードです。物理的なメニュー表の代わりや飲食店で料理を注文する手段として、レストランやバーの至るところでQRコードが使われています。どのくらいの規模かというと、短縮URLの大手Bitlyが去年CNBCに語ったところによれば、QRコードのダウンロードは18カ月の間に750%も増加したそう。この傾向は、特に前述した労働環境の変化に連動して続いていくと予想されます。Cheqoutの共同創業者Tom Sharon氏はNew York Timesの取材で、QRコードを利用する企業は接客係の数を削減することで、労働コストを30~50%節約できる可能性があると語っていました。

Source: POLITICO, Engadget, FOX Business, CNBC(1, 2), Wall Street Journal(1, 2), Reuters, BBC, New York Post, Eater, Restaurant Dive, U.S. Bureau of Labor Statistics, New York Times,