障がい者と妊婦だけに厳しいわけじゃないけど…。
ニューヨーク州人権局が米Amazon(アマゾン)を提訴しました。ニューヨーク州キャシー・ホークル知事のプレスリリースによると、同社が妊娠中や障がいを持つ従業員が要求した合理的な変更に応じなかったことが理由とのこと。
管理者が聞き入れなかった
The Vergeいわく、どうやらアマゾンが配慮に同意していても、管理者が従業員にさせるべきではない作業をさせていたらしいのです。
たとえば、妊娠している従業員が激しい運動や25ポンド(約11キロ)以上の重い荷物を運ばせないようにしてほしいと頼み、会社も承認したにも関わらず、現場の管理者が認めてくれなかったということがあったそう。
管理者の暴走なのか?
こう書くと、アマゾンは会社として正しくて、管理者が暴走しているようですよね。しかし、そうではないんです。困った従業員はアマゾンに苦情を入れたのですが、介入してくれなかったとのこと。
この従業員は最終的に怪我をしてしまいました。アマゾンはこの怪我にも対応してくれず、従業員は無給休暇に入らざるを得ませんでした。
労働時間の変更にも応じず
同じくThe Vergeによれば、障がいが理由で睡眠時間に影響が出ている従業員に対して、アマゾン社内の「Accommodation Consultant」が労働時間を変更するように従業員に勧めたところ、管理者が変更を拒否したのだとか。実はその従業員はすでに同僚とシフトを交換してうまくいっていたにも関わらず、受け入れてもらえませんでした。
その後、Accommodation Consultantは提案を覆しただけでなく、「要求を認めるだけの医療文書がない」と伝えてきたそうです。なお報告には、コンサルタントは1回目に要求を承認する前に必要な文書を受け取っていると書かれています。
そもそも労働環境が良くない
アマゾンの倉庫における労働環境が良くないのは、以前から言われてきたこと。英国のアマゾン倉庫では、労働者がノルマに追われるあまり、トイレ休憩すら取れず尿瓶に用を足しているし、米国では社員なのに生活保護を受けている人もいるといいます。また、10月1日~12月31日のピークシーズンには、怪我などの労働災害が多発しているという報告もあります。
CNBCは、アマゾンは以前にも妊娠している従業員に対する差別を巡る訴訟を起こされていると指摘しています。米上院議員6人が、機会均等雇用委員会にアマゾンを妊娠差別の件で調査するように要請したこともあるそうですが、訴えをかわしてきたのだとか。
アマゾンほど力のある企業なら、すぐにと言わずとも対応できそうなものなのですが…。今やアマゾンは人々の生活を支える企業なので、改善されてほしいところです。
Source: The Verge,CNBC