もっとリアルな没入感が味わえそう。
オーストリアのザルツブルク応用科学大学にて、VR世界での双方向性と多感覚的な刺激を向上させる「AirRes Mask」という入力デバイスが研究されています。
ゲームや訓練に有用
このデバイスを使うことで、マスク内の呼吸を検知した吹き矢、あるいは息を止めるとピストルの照準が震えなくなったりするゲームが体験できます。さらに火災現場を追体験する場合には、空気の吸入量を制限して息苦しさを再現することも可能です。火災現場では自分の鼓動の速さが聴こえ、視野がどんどん狭まったりして、パニック状態も再現されるリアルっぷりです。
船の進み具合で船体の重さが、また風船の膨らみ方でゴムの柔軟さが判断できたりと、確かにVR内での双方向性はマスクがあると違います。手持ち用コントローラーの操作と息の量で、ハーモニカ演奏もできますね。呼吸の制限は、振動する触覚フィードバックとはまったく別次元の体験です。
サイズの違う空気穴が回転
マスク自体は既存の3M製が使われ、通常ならフィルターを合体させる接続部分に、充電池と基盤をまとめた箱、センサーやサーボモーター、吸気調節用ディスクをはめられるよう作られています。ディスクには9段階サイズが違う通気孔が空いており、回転することで空気の量が変化します。

これまで胸やおなかに装着する呼吸センサーは存在していたそうですが、マスクで口元の呼吸を読み取る点ではこちらの方が正確とのことです。口と鼻からダイレクトですからね。
ファミコンは時代を先取っていたんだな…
そういえば、昔はファミコンのIIコンで息をフーフーするゲームがありましたよね。今思うと、あれは内蔵マイクによる入力デバイスだったわけです。
「AirRes Mask」は避難訓練だけでなく、もっといろんなゲームに対応できそうです。息遣いで怖さが変わるホラー系とか、炎を吐いて街を破壊するアクション系とか、あったら挑戦したみたいですね。
Source: YouTube, ACM DL DIGITAL LIBRARY via designboom