実はメタンを吸収するんです。猫砂の中に隠されている気候変動対策の猫の手とは…?

  • author Angely Mercado - Earther Gizmodo US
  • [原文]
  • Kenji P. Miyajima
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実はメタンを吸収するんです。猫砂の中に隠されている気候変動対策の猫の手とは…?
Image: Boonlert Saikrajang / Shutterstock

猫トイレの掃除師歴25年。まさか気候変動対策のヒントが隠されていたとは…。

米マサチューセッツ工科大学(MIT)が世紀の発見。なんでも猫砂の臭いを消してくれるゼオライトが、空気中のメタンを吸収してくれるんだそうです。研究チームは銅溶液の中にゼオライトを加えて、吸収したメタンをより温室効果が小さい二酸化炭素として放出する化合物を作ったのだとか。

排出源でメタンをキャッチしてCO2をリリース

MITのプレスリリースによれば、大量放出前のメタンを回収する設備を炭鉱の通気口や酪農場の牛舎に設置するために、米エネルギー省がゼオライト化合物の開発に200万ドル(約2億6000万円)支援したそうです。ナチュラル素材の猫砂に含まれるゼオライトの細孔には、スポンジのように土壌の水分を吸収する効果があるんですって。だから水分と臭いを取り込んで固まってくれるんですね。

でも、メタンをCO2に変換したって温室効果ガスに違いはないのだから、非生産的なんじゃないの?って思うかもですが、メタンには最大でCO2の約80倍も温室効果があるので、CO2に変換する方がベターなのです。実際のところ、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、当面の最優先課題としてメタン排出量の削減を挙げています。

米海洋大気庁(NOAA)によると、メタン濃度は2021年に7ppm上昇して観測史上最高を記録したそうです。この年間上昇幅も、1980年代初めに測定を始めてから最大でした。メタンは人間活動や採掘が終わった後に放置されたガス井や油井(この放置自体は合法)、そして自然環境からも放出されています。また、温暖化が進んで極地の永久凍土が解けることでも、メタンが放出されてしまいます。

メタン濃度を下げる切り札は、ガス井や油井の封鎖

MITの研究チームは素晴らしい発見をしましたが、それでもやっぱりこの発見が気候変動から世界を救う切り札になるとは思えません。ゼオライトは低コストですし、ゼオライトと銅の溶液は他のメタン吸収法ほど加熱しなくていいので、エネルギー消費量も少なく済みます。ただ、まだ研究段階のため、気候変動の脅威が刻一刻と大きくなっていく中で、気候災害を軽減する即戦力になれないんですよね。

手っ取り早くて効果的な解決策は、米内務省が13万カ所あると認めている、そこにあるだけでメタンを漏らし続けている放置されたガス井と油井をちゃんと塞ぐことです。水道の蛇口を閉めるようなものなので、それだけで排出量は減ります。それに加えて、排出量を記録的レベルで増やしてどうしようもなくなる前に、化石燃料使用を段階的に廃止する必要があります。今後4年間で気温上昇が1.5℃のラインを超える可能性があるといわれている状況で、実験段階の技術が実際に機能するかハッキリするまで待っている時間はありません。私たちがすでに持っている解決策を実行すればいいと思うんですけどね…。

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https://www.gizmodo.jp/2022/06/earth-hits-record-carbon-dioxide-levels.html

Reference: The Hill