打ち上げ失敗。NASAの小型人工衛星2つが海に落下した可能性あり

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打ち上げ失敗。NASAの小型人工衛星2つが海に落下した可能性あり
Astra社ロケットの上段ステージはペイロードを軌道に届ける前に停止してしまいました


NASAは先日、ロケットの打ち上げ失敗によって小型人工衛星2つを失ってしまいました。この2基は、熱帯低気圧を研究するために開発された計6基からなる衛星コンステレーション「TROPICS」の最初のペアとなるはずだったもの。現在は失敗した原因の調査待ちという状況ながらも、残り4基の打ち上げを望んでいるようです。

航空宇宙企業のAstra(アストラ)社のロケット「LV0010」は靴箱ほどの大きさの衛星2基を搭載し、東部時間6月12日午後1時43分、米国フロリダ州ケープカナベラルから発射されました。地上チームが推進剤(液体酸素)の温度管理を行なっていたため、2時間弱遅れの打ち上げとなったのです。打ち上げ直後、ロケットの上段ステージが予定より早くシャットダウンしてしまい、積み荷が軌道投入されることはありませんでした。

NASAの科学ミッション局副長官Thomas Zurbuchen氏は、「今日のAstra社との打ち上げは計画通りに行きませんでしたが、このミッションは新科学と打ち上げ技術のための素晴らしい機会を与えてくれました」とツイッターに投稿しています。

これらの小型人口衛生は、世界中の熱帯低気圧が形成され発達していく過程を研究するために設計された、NASAのTROPICSミッションの一部。TROPICSの小型衛星は現在の気象衛星よりも高い頻度で世界中をより細かく観測するために、3つの軌道面に投入されるはずでした。

このミッションは、「低いコストで、リスクの高いミッション」と定義されているNASAのアース・ベンチャー・プログラムの一環です。Astra社は費用対効果の良い小型ロケットを打ち上げることを目標に2016年に創業しましたが、同社のロケットは必ずしも打ち上げに成功しているわけではありません。SpaceFlightNowによると、カリフォルニアに本社を構える同社は軌道投入のための打ち上げ計7回のうち5回に失敗しているとのこと。2月には、NASAとの初打ち上げがロケットの不具合によって軌道に到達する前に失敗に終わり、キューブサット4基を失っています。今回の災難で、NASAとAstra間のパートナーシップにおいて2度目の打ち上げ失敗となったのでした。

衛星2基の行方については再突入時に燃え尽きたか残骸が海へ落ちた可能性があります。 後者の場合、落下した人工物を追跡するJonathan McDowell氏は、「ダカールの約400km西に再突入しただろう。」との見解を示していました。

残りのTROPICSキューブサット4基は7月に打ち上げられる予定でしたが、NASAは「調査を行なう間、Astra社との打ち上げは保留」するとコメント。そうは言うものの、NASAは残りの小型衛星の打ち上げに意気込んでいるようです。プレスリリースには、「6基の衛星のうち最初の2基を失いましたが、TROPICSコンステレーションは2つの軌道に割り当てる残り4基のキューブサットでも科学目標を達成します」とも書かれていました。「4基の衛星でも、TROPICSは従来の観測手法と比べて向上した熱帯低気圧の時間分解観測を提供できます」とのこと。

3度目の正直と言いますからね。次回の打ち上げこそはうまくいきますように。

Source: Twitter (1, 2, 3, 4), SpaceFlightNow, TROPICS, NASA,