しかもすっごく綺麗で神々しくて居心地いいワールドを。
現実世界からかけ離れた、ファンタジックでアカデミックでSFな仮想空間デザインが思う存分楽しめるVRChat。しかしよくよく見ると、VRChat内の仮想空間=ワールドは大きく2つに区分されます。
1つはVRChatユーザーなら誰でも入れるクロスプラットフォームワールド。もう1つはPC環境でなければ入れないPCワールドです。前者はQuest 2単体でもログインできますが、後者は(VR環境なら)高価なゲーミングPCが必要です。
Quest 2でVRChatにログインするユーザーが急増しているものの、VRChatワールド紹介サイト「VRChatの世界(β)」上で確認するかぎり10万を超えるワールドのうち、クロスプラットフォームワールドは約3万世界なんですよね。いや、気がついたらこんなに多くなっていたと驚くけども、パーセンテージ的にはまだまだ少ない。
そんなQuest 2対応のクロスプラットフォームワールドを作り続けている方がいます。その名はケセドCHESEDさん(@CHESED___)。驚くことに毎週毎週休むことなく、週1ペースで新作ワールドを天地創造しているワールドクリエイターです。マジで神様じゃないかと。ちゃんと7日めは休息していますか?
露店も揃った盆踊り会場「ケセドの夏祭り-CHESED's SUMMER FESTIBAL-」

ケセドさんが手掛けたワールドの最大の特徴は、前述したようにQuest 2でも体感できること。それも、華やかなルックのパーティクルアセットをふんだんに活用した作りになっています。

「ケセドの夏祭り-CHESED's SUMMER FESTIBAL-」に設置されている露店のなかには、アイテムを手に持って遊べるギミック入りのものも多いんですよね。こういったパーティクルやギミックは負荷が高いために、クロスプラットフォームワールドでの扱いが難しいところがあります。
でもケセドさんは素敵なアセットを恐れることなく取り入れて世界を創造しまくっている。クロスプラットフォームワールドでどこまで表現を追求できるかのベンチマークテストをしているかのように。
クアッドコプターで遊覧飛行もOK「ケセドの月の神殿-CHESED's MOON SACRED PLACE-」

こちらはなんと3時間で作り上げたというワールド。意味がわかりません。Unityと仲良しすぎませんか。
Questでもパーティクルライブが体験できる 「ケセドの月光-CHESED's MOONLIGHT-」

ビジュアルエフェクトをふんだんに取り入れたパーティクルライブ会場です。PCユーザーもQuest 2ユーザーも、一緒になって心ゆくまで和めます。
2020年末公開の初ワールド「ケセドの桜-CHESED's SAKURA-」

そしてケセドさんが初めて作り、公開したワールドが「ケセドの桜-CHESED's SAKURA-」。2020年12月27日にお目見えしました。花びらが舞う桜の木と、ドームの外で軽やかに飛ぶ白い鳥の組み合わせ。シンプルな作りではありますが、14.48MBという容量でよくこれだけの表現ができるものだと驚きます。
バランスのいい景観となるようにチューニング

ケセドさんがVRChatのなかにワールドを作り続けて1年半。お盆休みや年末年始の休みもなく、毎週必ず1ワールドを作り続けてきた結果、手掛けてきたワールドは80近くにもなりました。
「もともとQuestからVRChatをはじめたんですよ。今でこそQuest対応のクロスプラットフォームワールドは増えてきていますが、わたしがはじめた当初はまだ少なかったんですね。そこでQuestユーザーとPCユーザーを繋ぐ場として、使っているデバイスを分け隔てなく楽しめてハッピーになれる場として、最初は1ヶ月だけ毎週1ワールドを作りはじめたんですよ」
習うより慣れろ。好きこそものの上手なれ。とはいいますが、VRChatを知ってからUnity/Blenderを使いはじめたケセドさん。オブジェクトのモデリングやテクスチャの生成、アセットの選別、配置の調整など、どの作業が一番時間がかかるのか。3時間で作り上げた「ケセドの月の神殿-CHESED's MOON SACRED PLACE-」について尋ねてみると、答えは配置とのこと。
「バランスのいい景観となるように時間をかけていますね。映画が好きでよく見るんですけど、映画とVRChatのワールドって似ているところがあると思っているんですね。2時間という枠のなかでの構図や見せ方が、そして視聴者がどこに目線を置くかといったところがとても勉強になっています」
これから天地創造したい方に向けた解説ワールドも

これからVRChatでワールドを作ってみたいと思う方の背中をポンっと押せるよう、隔週金曜日の21時から「ワールド製作初心者交流会」というイベントも開催しています。会場となるワールドを見せてもらいましたが、ここ、価値、高い。

「まずは簡単なワールドを作ってみよう」と、VRChatにアップロードするまでの流れも紹介しています。良質なアセットクリエイターのポスターも貼られており、仮想空間を作ることの第一歩をアシストしてくれます。
ちょい古ゲーミングノートでもワールドは作れる

最近ワールド製作のためにRTX3060 Laptop・メモリ32GBを搭載したゲーミングノートを入手したというケセドさんですが、「実際にはここまでのスペックじゃなくてもワールドは作れます」といいます。それこそRTX2060やRTX1060を積んだノートでも作り込むことはできるみたい。いや、VRChat上での動作確認用Windowsがあるなら、Macでも作れちゃうか。
もしVRChatでのワールド作りに興味がでてきたら、ワールド制作初心者交流会に行ってみましょう。ワールド作りという八百万の神様たちと友達になって、わからないことを聞いたり、お勧めのアセットを紹介しあっちゃいましょう。
Source: VRChat