NASA、メガロケット「SLS」のリハーサルを完了

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NASA、メガロケット「SLS」のリハーサルを完了
フロリダにあるケネディ宇宙センターの発射台に鎮座するSLS

5回目のウェットドレスリハーサルはナシという判断に。

先週、NASAの次世代ロケットSLS(スペース・ローンチ・システム)の4度目のリハーサルが実施され、まずまずの結果を収めました。なかなか解消しない問題や不確実性はあるものの、NASAはSLS初の打ち上げとなる「アルテミス1(アルテミス計画にとって最初のミッション)」に向けた最終準備のためにロケットを組立棟に戻すようです。

リハ―サルは完璧じゃなかったけど

NASAが現地時間の先週木曜に発表したプレスリリースには、直近の打ち上げリハーサルからのデータを評価してSLSのテストは済んだという判断を下したと書かれていました。

前回のリハーサルでは水素漏れのせいで計画どおりにカウントダウンを実行できなかったため、もう一度通しでリハーサルを実施する必要があるのではないか?と見る向きもありました。当初は点火の10秒前までカウントを行う計画でしたが、安全上の理由から29秒前でストップしていたのです。

プレスリリースいわく「NASAは打ち上げのため8月下旬にSLSとオリオンを発射台に戻すつもりです」とのこと。「NASAは漏洩が起きた部分のハードウェアを交換した後に打ち上げ日時を決定します」とも書かれていました。

水素の漏れと中途半端なカウントダウンにもかかわらず、先週実施されたウェットドレスリハーサル(WDR)は順調だったようです。地上チームはようやくSLSへの推進剤の完全な充填に成功。ロケットの2つのステージに計75万5000ガロンの極低温の液体酸素と液体水素を供給するというのは、これまでの3度のリハーサルではできなかったことです。そのうえ、最初の3回のWDRで経験したトラブルはすべて解決された模様。現在はロケットの上に搭載されている宇宙船「オリオン」もリハーサルの間、順調だったようです。

NASA探査システム開発のTom Whitmeyer副次長補は先週火曜に行われた会見の中で「リハーサルは大成功だったと考えている」と述べ、発射台に鎮座する高さ322フィート(約98m)のロケットで5度目のWDRを実施するのは“相対的なリスク”があると補足していました。

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いざ“前進”。正式な日程はまだ公表されていませんが、8月後半になる可能性もあります。
Photo: NASA

先週火曜の会見でNASAの高官は試験目的の90%は達成できたと語るも、残り10%についての詳細は何1つ明かしませんでした。とは言え、アルテミス打ち上げディレクターCharlie Blackwell-Thompson氏はターミナル・カウントダウンの終盤に関係している点もあると認めています。

良いニュースは、チームが打ち上げに不可欠だと思われる“いくつかの重要なオペレーション”を行えたこと。これには、NASAのブログいわく「コントロールを地上打ち上げシーケンサーからロケットのフライト・ソフトウェアが制御する自動打ち上げシーケンサーへと切り替える、チームが成し遂げたかった重要なステップ」も含まれます。

前述の会見でアルテミス・ミッション・マネジャーのMike Sarafin氏は、「さらに1回のテストを実施しないリスク」をチームは検討する必要があると述べていました。今や、NASAはリスクレベルについて納得していてアルテミス1を進める状態にあるようです。このミッションでは、打ち上げられたロケットが無人宇宙船「オリオン」を月を周回する旅へと送り出します。

リハーサル中に完了できなかったテストを週末の間に終えたSLSは、最終調整や打ち上げ準備のためにスペースシャトル組立棟(VAB)に戻されます。コネクタの水素漏洩の問題も修正するでしょう。

NASAがこの数カ月にわたって検討してきた8月下旬の打ち上げが、急に現実味を帯びてきましたね。もしそれが叶わなかったとしても、今年いっぱいの打ち上げ可能期間はすでに発表されています。アルテミス1ミッションが成功すれば、今度は有人のオリオンで同じ経路を旅するアルテミス2(現時点では2024年5月の予定)への準備を整えることになります。

木曜に発表されたプレスリリースどおりであれば、打ち上げ日時が決まるのはSLSがVABに戻されて、ハードウェア交換を終えた後。世紀の打ち上げまでもう少しの辛抱です。

Source: NASA(1, 2),