国連切手、火星ミッションをテーマにしたコレクションを発表

  • Twitter
  • Facebook
  • LINE
  • はてな
  • クリップボードにコピー
  • ×
  • …
国連切手、火星ミッションをテーマにしたコレクションを発表

火星探査の歴史に残るミッションたち。

国際連合郵便(UNPA)は先日、人類の火星での偉業を記念して6種類の切手と3種類のスーベニアシートを発行しました。これまでその謎や過去の居住性を明らかにしようといくつもの探査機や探査車を送り込むなど、火星への好奇心は尽きることがありません。

UNPAの最新コレクションは去年火星に到達した3つのミッション、2021年2月9日に火星の軌道に投入されたアラブ首長国連邦(UAE)の探査機「HOPE(ホープ)」、同年2月18日に火星に着陸したNASAの探査車「パーサヴィアランス」、同年5月14日に火星に到着した中国の探査機「天問1号」をテーマにしています。

切手とスーベニアシートは全種、国連の公式サイトか国連本部があるニューヨーク、事務局のあるスイスのジュネーヴ、オーストリアのウィーンの売店で購入可能です。

火星の砂丘

220531UNPA2
Image: Sergio Baradat (United Nations)


火星のプロクター・クレーターは玄武岩質の砂でできた砂丘があることで知られており、砂丘の表面には複雑な波紋が形成されています。以下、NASAによる説明

大きくて色の濃いベッドフォームは砂丘で、構成している砂は微粒子だと思われます。波紋は砂丘よりもゆっくり移動する傾向にあります。このせいで波紋が徐々にちりに覆われてしまうことが、鮮やかなトーンの理由でしょう。砂丘の色が濃いのはおそらく玄武岩質の砂(黒い火山岩に由来)で構成されているからで、十分に風が吹いているため色を変えてしまうほどのちりは積もりません。

切手に使用された画像は、NASAのマーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された高解像度カメラ(HiRISE)で撮影されました。

探査車のセルフィー

220531UNPA3
Image: Sergio Baradat (United Nations)

火星の探査車と言えば、自撮りをすることで有名です。簡単なタスクのように思えるかもしれませんが、火星でセルフィーを撮る工程は実はかなり複雑。パーサヴィアランスは自撮りをする際、ロボットアームの先端についたWATSONカメラを用いますが、このカメラは元々火星の岩石をクローズアップ撮影するように設計されたもの。そのため、ミッションエンジニアたちは写真を何枚も撮って組み合わせることで、クルマほどの大きさの探査車本体をフレームに収めたセルフィーを完成させているのです。

美しき火星

220531UNPA4
Image: Sergio Baradat (United Nations)

UAEの探査機「HOPE(ホープ)」は多波長イメージャーで火星の画像を捉え、色合成画像は青、緑、赤のフィルターを介して撮影された画像から生成されます。この切手に使われている赤い惑星と明るい北極冠とを捉えた画像のように、その出来栄えは素晴らしいのひと言に尽きます。

「The Planet Mars」切手コレクションは3つの通貨で発行されました。UAEの探査機ホープの切手にはスイス・フラン(CHF 1.10~2)、NASAのパーサヴィアランスの切手には米ドル(58セント~$1.30)、中国の天問1号の切手にはユーロ(€0,85~€1,80)になります。

地上の技術者たちを称える

220531UNPA5
Image: Sergio Baradat (United Nations)

この切手は、このようなミッションを可能にする技術者たちへの感謝を表明しています。探査機ホープは火星を周回して、その大気を研究するために設計されました。科学者たちは数十億年前に形成された時の火星は厚い大気に覆われていたと考えていますが、その大部分が時の流れとともに大気散逸という(今もなお理解しようとしている)プロセスで失われました。

各切手の画像はそれぞれのミッションのチームから提供され、切手のデザインはUNPAのグラフィックス・デザイン・チームのSergio Baradat氏が担当しています。

着陸大成功!

220531UNPA6
Image: Sergio Baradat (United Nations)

中国の天問1号は2021年2月10日に火星の周回軌道に突入。同機が運んでいた祝融号は2021年5月14日に火星への着陸に成功し、中国は火星に探査車を着陸・稼働させる2番目の国となりました。この切手に印刷されたのは、祝融号の着陸地点です。

UNPAは過去にも切手という芸術を通して宇宙探査を祝ったことがあり、2013年には星雲テーマの切手コレクション、2011年には有人宇宙飛行50周年、2007年には宇宙時代の幕開け50周年で発行しています。

こんにちは、祝融号

220531UNPA7
Image: Sergio Baradat (United Nations)

火星に着陸してから1週間後、祝融号はワイヤレスカメラを使って火星でのセルフィーを撮影。中国の火の神にちなんで名付けられた同機は火星の地形を探査していて、当初予定されていた90火星日(地球での1日よりわずかに長い)を遥かに超えています。

絶好調のインジェニュイティ

220531UNPA8
Illustration: Sergio Baradat (United Nations)

スーベニアシートも良いデザインで、こちらの小型ヘリコプター「インジェニュイティ」が主役のシートもまさにそれ。2021年2月に火星に着陸したパーサヴィアランスは、独りぼっちではないのです。探査車が腹部に積載していた小型ヘリは、2021年4月19日に地球以外の惑星の地表で離昇した初の動力航空機となりました。火星に到着して以来、同機は28回のフライトを記録しています。

火星への希望

220531UNPA9
Illustration: Sergio Baradat (United Nations) The Hope Probe marked the Ar

探査機ホープはアラブ界初となる火星へのミッションであり、UAEが宇宙産業への参入によって経済を多角化しようとしている証です。UAEの宇宙機関が設立されたのは、同国が火星へのミッションを打ち上げると初めて発表した2014年のこと。まだ駆け出しのアラブ首長国連邦宇宙機関(UAESA)は、たった7年後に何とか火星へ到達、ほんの数国しか達成できていない偉業を実現したのです。

完璧な相棒

220531UNPA10
Illustration: Sergio Baradat (United Nations)

中国の6輪探査車祝融号は惑星の北半球にある広大な土地であるユートピア平原に着陸しましたが、相棒がいなければ実現できませんでした。頼れる着陸プラットフォームがいたから、探査車はタラップを降りて火星の地表へ到達できたのです。こちらは中国の着陸プラットフォームを称えるスーベニアシートです。

Source: United Nations stamps, NASA (1, 2), Emirates Mars Mission, collectSPACE