今年は何を潰しにかかったか。
ソフトウェアやハードウェア、技術が進化していけば、今ある何かの存在意義が脅かされることもあります。今すぐなくなることはなくても、いつか振り返ったときに、アレがきっかけで衰退が始まったということはあるはず。WWDCやGoogle I/Oなど、テック業界の大きなイベントはそんなきっかけになりやすいもの。今年のWWDCは何が消えるきっかけになるのでしょう…。
パスワードマネージャー

Appleに限らずいろんな企業が、ここ数年、パスワードを消し去ろうと努力(?)しています。パスワードに置き換わるのは、もちろん指紋認証や顔認証などの生物認証。macOS VenturaとiOS 16において、Appleはパスワード管理ツールから消そうとしています。
新機能「Passkeys」は生体パスワード。Appleいわくウェブサーバには保存されない端末つきのデジタルキーなので、ハッカーによるデータリークの心配もなし。Touch IDの指紋認証で「私だよ!」ってことがわかればパスワードの打ち込み不要。複数のApple端末で同期できる上に、非Apple端末ではQRコードを介してのログインが可能。これは、さんっざんお世話になってきたLastPassや1Passwordなどの管理ツールとついにお別れする時が…。
お薬管理アプリ

App Storeを検索すると、飲み忘れがないように通知してくれるお薬管理系アプリが実にたくさんあります。が、watchOS 9ではApple印のお薬系アプリ「Medications」が登場。薬からサプリからプロテインシェイクまで、日々飲み忘れがないよう管理してくれます。iPhoneのカメラで薬やサプリのラベルを撮影し、摂取スケジュールとリマインダーをセットすればOK。副作用など気になるアレコレを検索することもできます。
ウェブカメラ

ラップトップのベゼルにカメラが内蔵されるようになってから、遅かれ早かれ単体のウェブカメラというものはなくなっていくんだろうとは思ってましたけどね。
コロナパンデミックで急激にリモート生活が広まったことで盛り返しをみせたウェブカメラ市場ですが、それもどうやらここまで。macOS Venturaなら、お手持ちのiPhoneのカメラをウェブカメラとしてMacで使えます。スマホのカメラって高性能ですから、これできたらいいのにってずっと思ってたんですよ!
デザインいまいちな車用デジルダッシュボード

Appleといえばそのディティールまでこだわったデザインの美しさで多くのファンを魅了してきました。昨今、Appleのサービスが車の中にまで入り込むようになったものの、車内のディスプレイではAppleの真髄は味わえず。基本iPhone繋いで車用の画面になっただけだった現状が変わります。次世代CarPlayはデザイン刷新。スピードやガソリン残量などの車側の情報も含めた新CarPlayに。メインディスプレイを好きにカスタマイズできるのもうれしい。リリースは来年後半。
支払いサービス

WWDC 2022によっていちばん打撃を受けるのは、実は支払い系かも。
Apple Payが後払いに対応しました。昨今は乱立気味の〇〇Payですが、そのサービスを使うのはスマートフォンという端末があってこそ。てことは、その土台であるスマホを握ってるAppleに類似サービス始められちゃ叶わないんじゃ? Apple Payの後払いは、現段階ではアメリカのみ。ですが、日本ではPaidyあたりが戦々恐々なのでは…。
エアコンの効いたカンファレンス

コロナ的事情も加味したのか、今年のWWDCはアウトドアでフェス的な開催となりました。カリフォルニアの太陽でカラっとまぶしい。インドア派なテックナードってもう昔の話なの?